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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
つかの間の休息?編

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第181話 もみじスパイラル、クリアする

「あたあー! 煉獄の炎とぉー! でっかい腕を召喚してハエたたき!」


『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』


 イラちゃんがオークの群れをボコっている間に……。


「パン屋さんってことは、おすすめのパンとかある? 今もみじちゃんの家で一番プッシュしてるパンとか」


 よくぞ聞いてくれました!! とばかりに笑顔になるもみじちゃん。

 なんと彼女、実家のパン屋が明らかになっている、中の人がほぼフルオープン系配信者なのだ。

 本当の本当に小柄な女子高生であることが確認されており、彼女のリスナーであるお客さんたちはみんなでもみじちゃんを守るぞと同盟を組んでいる……!

 後方腕組みリスナー!


「キッシュですねー!! えっとですね、上に乗せるフィリングはいつもうちでメニュー変えててー! 味変が楽しさの秘訣なんですー!!」


「おおー!! じゃあ今は?」


「ベーコンシチューのキッシュですねー!!」


「美味しそー!!」


※『うまそう!!』『ひええ、聖地巡礼しなくちゃ』『でも午前中で売り切れるんでしょ?』『そりゃあ全国のファンが聖地巡礼すればな』『チェーン店は出さない方針らしいぞ』『こだわりのパン屋~』


「あっ、でもうちのパンが今度、大手の川崎パンさんとコラボして発売するんで! もみじ特製お惣菜パンを楽しみにしていてくださーい!!」


「な、なんだってー!」


※『な、なんだってー!!』『ありがてえ!』『全国のコンビニにダッシュだ!!』


 お肉どもは他のカワイイ子がいるとすーぐに浮気するな~?

 選りすぐられたセンシティブを愛する連中だからしかたないか!

 今後もこうやってカワイイをインセンティブにしてついてきてもらおう。


「うおーい、片付いたから先に行く? ここでのんびりする?」


「のんびりもいいかもねえ。今ね、もみじちゃんのうちのパンが川崎パンとコラボするってことでその話してた」


「なになに? 案件配信だった?」


「イラさんもうちにパン食べに来てくださーい」


「おー、美味しそうなやつ? 全部美味しいもんね。行く行く」


※『ああ~、もみじスパイラルがカワイイんじゃ~』『なんと癒やされる光景だろうか』『ダンジョンが雑談会場になっちゃう』『字面からして圧倒的にかわいいw』ランプ『スパイスちゃんの言語センスはが炸裂してしまったな』マルチョウ『世の中にはダンジョンで弁当を食う配信者もいるわけだから、雑談会場にするくらいはセーフだろう……』


 そうだそうだ、別に何もおかしくないぞ。

 ということで、楽しい雑談を繰り広げるために、戦っては休み、休んでは戦いを繰り返し……。

 時間稼ぎも限界に来ました!

 今、眼の前にダンジョンボスがおります!


「儚い」


「スパイスちゃん早すぎだぜー。まだ戦ってないのにボスを儚い呼ばわりは」


「でもうちの先輩もよく、ダンジョンは儚いって言うんですよー。なんかうちも段々それが分かってきてー」


「だよねー! スパイスたちより強いダンジョンに会いに行かなくっちゃ!」


「そんなん、余人には攻略不可能な最難関ダンジョンじゃね?」


 わあわあきゃあきゃあお喋りしながら戦闘開始!

 このダンジョンのボスは、見上げるほど大きな壁に、人型の染みがついたやつ。

 その染みから浮き上がるようにして、物凄く大きな怨霊が出てくる。

 デーモン化してんねー。


『もがあああああああ!!』


「おー、久々にダンジョンって事故物件が変化するやつだって思い出させてくれるボス! 最近変化球多かったからなあ」


「変化球ほど攻略難しいからなー」


「そうなんですー? うちはよく分かんないかもです」


「もみじちゃんは上澄みだからね!」


 そもそもここにいる三人は、全員が登録者五十万人超えというか、そろそろ百万人が見えそうな上澄み中の上澄み配信者なのだ!

 この登録者数、色々謎があるらしくって。


 せいぜい三千五百万人くらいしかいないはずの日本の人口で、この数はおかしいとか。

 海外の人を合わせても、やっぱりおかしいとか。

 明らかにこの世のものじゃない人がコメントしてる時があるとか。

 異世界とつながってて、そこの人が登録してるんじゃないかとか。


 色々言われてるねー。


『もがーっ!!』


「スパイスちゃん考察してるところ悪いんだけどさー。なかなか規模がデカい怨霊なんで一発ぶちかましてくれると助かっちゃうなー」


「おっけー! お肉ども、詠唱~!!」


※『巻き起こせ嵐!』『叩きつけるプレッシャー!』『汝の心神を消し飛ばす!』おさかな『水底よりの招き!』ランプ『第七階梯!』マルチョウ『夢より来たりて!』特上ロース『力よあれ!』


「これをペタペタ貼り付けて……。叩きつけるプレッシャー、夢より来たりて、力よあれ! おっ、新しい精神魔法来たー! ハードショック!」


 目に見えるくらい強烈な波動が、空気を震わせながら怨霊に叩きつけられた。


『ウグワーッ!!』


 怨霊が精神的ショックを受けて、全身をビリビリビリーっと痺れさせながらのけぞる。

 完全に動きが止まったぞ!

 これは強いなー。


「うりゃ! 鎌をぶっ刺して炎注入! 固定!」


 イラちゃんの大鎌が唸り、怨霊を切り裂いたところから黒い炎がブワーッと巻き起こる。

 それが巨大怨霊をぐるぐるに縛ってしまった。


『ウグワーッ!!』


「おっしゃ、もみじちゃん決めてくれー!」


 イラちゃんの言葉を受けて、もみじちゃんが「はーい!」と進み出た。


「これとこれとこれを合わせて……。ベーコンシチューのキッシュ、かんせーい!!」


 怨霊の頭上に、逆さになったキッシュが出現した。

 巨大な怨霊よりなおでかーい!!


 それがドシーンと降ってきて、シチューの中に怨霊を飲み込んでしまった。


『ウグワーッ!! デ、デリーシャース!!』


 なんか叫びながら、怨霊は消滅してしまったのだった。


「いやー、大技であると同時に新商品プロモーションだったねー」


『あっしも新魔法を披露できて何よりでやんすよ。というか今の、完全に新しい魔法でやんすよ。主様オリジナルでやんすねー』


「マジかー。新しい魔法が生まれる瞬間にも立ち会ってしまった!」


 わあーっと盛り上がるコメント欄。


※『スパイスちゃんおめスパ~!』『もみじスパイラルも必殺技だ!』『なるほど三人の魔法少女』『怨霊も百点満点の断末魔だったな!』


 期待されてる!

 ちなみに、ショックの魔法は初歩的なので、魔女はみんなこの辺スルーして先に進んじゃうだろうねえ。

 ショックとドランクをやたらこすりまくってるのはスパイスくらいのもんでしょ。


 そしたら、初歩魔法のショックが中級以上の魔法に進化したってわけなのだ。

 今回のコラボ、スパイスにとっても収穫!


「それじゃあ、ダンジョンも終わったみたいだし、これで締めかな?」


「おーう! お疲れ様~」


「お疲れ様でーす! それじゃあお二人とも、うちと合わせてコラボ終わりの挨拶します?」


「しようしよう」


「いいねー」


「本日は~」


「「「へいてーん!」」」


 コラボ終わり!

 もみじスパイラルは見事、ツブヤキックスのトレンドに乗ったのだった。


 またコラボしようねえ。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
後大魔王マロンに滅ぼされた連中の怨念とか、宇宙でバトったせいで宇宙人が認識したとか?約1名が道理をゴボウでぶち壊したせいでなんでも有りなんだよなー
更新お疲れ様です。 終始楽しいコラボで終わったのは良いとして、さらっと謎情報が出ましたね…。人口と登録数が合わない…もしかして我々読者も知らない内に、デッ○プールみたく次元の壁を越えてチャンネル登録…
いや~、可愛いが揃うとこんなにも強力になるんですねぇ。そしてもみちゃんもパンの魔法を使うちょっぴり変わり種の魔法少女とも言えるわけで、ウインディちゃんも含めて大魔法少女時代始まってしまいましたなw
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