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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
スパイス修行編!

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第156話 うおお修行編だぞ

『えー、つつがなく年末年始も終わり、主様もマシロさんとしっぽりとなさったことで、二世は確実にお生まれになると思います、年内に』


 なんか、フロータが司会を始めている。

 周りには三冊の魔導書と、フロッピー、そしてシノがいた。

 本日は年明けの平日。

 マシロは出勤しているのだ。


『ですが、課題も明らかになってまいりました。それはなんでしょう!』


『ぶらぁ!』


『はい、イグナイト!』


『ん主はぁ、基礎的な実力があんまり伸びてないなぁ! お手軽なファイアボールに頼るのはいいがぁ、こいつも使い込めば強化されるぅ。そこまで達してないのは問題だぁ』


『あっしとしては、精神魔法は基礎的なものに真髄があるんで、今のスタイルで全然いいでやんすねー』


『はぁい』


『はい、マリンナ! それとメンタリス、挙手してないのに勝手にぶちぶち言わない!』


『えーとですねー。私としてはー、主様を修行させて強化する必要があると思うんですよねー。あの魔女たちほどじゃなくても、中級魔法を自在に使えるくらいにはしておきたいなーって。せっかく才能があるんだから、配信ばっかりするのはもったいないですよー』


『そう、それです!! 主様聞きましたか!! 実力不足です! っていうことで徹底的に鍛えますよ一月中は! あ、それは昼間で、夜は配信やマシロさんと過ごすのは自由ですので』


「プライベートが保証されててありがたいなー」


 思わず棒読みで応えてしまうのだった。

 ちなみにシノはけらけら笑っていた。


 ということで……。

 異世界に来ました!


「主をスパルタ式で鍛えようという魔導書たち。いかがなものかと思うが!」


『なぁーにを仰ってるんです! 主様がパワーアップしないと、いつまでも魔法が解放されないでしょうが! 私達のサービスでちょっと上位の魔法が使えてますけど、本来は実力で追いつかないといけないんですからね! ほら、魔法の力を高めるためにランニングですよー!』


「ひえーっ!! 修行とランニングにどういう関係がー!」


 スパイスの姿のまま、異世界でパタパタ走ることになるのだった。

 そうしたら、気がつくと隣をコーラル社長が走っている。


「なんだなんだ、面白そうな事をしているのか? 我も最近は部屋に閉じこもりっぱなしで体が鈍っていたのだ。ちょっと運動させてもらおう」


「ひい、ふう、社長も走ると運動になるの?」


「うむ、この肉体だとエネルギー効率が良すぎてな……ちょっと待て」


 走りながら変身する社長なのだった。

 あーっ、ドラゴンに戻った!!


『やはりもとの肉体の方がエネルギー効率が悪いな! いいぞいいぞ!!』


「社長が走る度にスパイスの足元がどっしんどっしん揺れるんだけどー!!」


『いいですよー主様! なんかパワーが溜まっていっている気がします!! 魔力は体力に通じますからね! 主様が基礎体力をつけることはとても大事なのです! スパイスとしての肉体は強靭ですけど、ここに鍛錬をプラスすることで、より魔法を使うことに適した肉体にですね』


 フロータがつらつらと説明している。

 魔法っていうのはフィジカルなんだなあ!


『そうでやんすねえ。先代はフィジカルが弱かったから、精神魔法に自らを蝕まれ、それでさらに、強力な魔法ばかり横着して使って自家中毒になったでやんすよ』


「ひえーっ! 魔女は本当に、健全な肉体がないと健全な精神が宿らないのか!」


 どうやら、魔女というのは運動嫌いが多いらしく。

 そういう不健全な魔女はみんな、堕ちたる魔女みたいになってしまうんだとか。


『んちなみにぃ! 俺の先代はぁ、肉体的にはエリートだったぁ! だがぁ、人格が腐っていたぁ』


「ひどい言い様だ!! まあ同意だけど!」


 そう言えば、宇宙にぶっ飛ばしてやった炎の魔女フレイヤ、まだ空を漂ってるのかなあ。

 ま、真空だから死んでるでしょ。


『おおそうだ、スパイスよ。この世界の外側はエーテルで満たされていてな』


「えっ!?」


『あちらの世界も、宇宙は徐々にエーテルに置換されつつある。この世界に侵食されつつあるようだな。お陰で住みやすくなっているぞ』


「ひえーっ、それって、エーテルの中に魔女を漬けたらどんな感じに?」


『魔の者に近づいているほど、エーテルとの親和性が高まるだろう。言うなれば……薬液で保存された状態になる』


「な、なるほどー! これはフレイヤ、多分生きてるなー……! 死んだとこ確認してないからなあ」


『ん先代のリベンジが来るのかぁ!?』


「そんな予感がするー!!」


『ん俺はあいつのところに戻るのはぁ、嫌だぞぉ! 世界の裏側でコソコソしか魔法が使われないなんてぇ、ド派手な炎の魔法の名折れだぁ』


 今は大っぴらに魔法が使われていて、大満足なイグナイトらしい。


『風と氷の魔女もそろそろ来るんじゃないですかー? じゃあ、魔女二人を相手取ることになるとマリンナ的には予測しますー!』


「嫌な予想してくるなー! 初の2対1じゃん!! フォーガイズも最近は忙しいから、何か対策しないとなー」


 あくまで予測レベルの話で、わいわい騒いでるスパイスたちなのだ。

 でも、これってちゃんと理由がある。


『魔法っていうのは、予感とか予測とか、そういうのが大事ですからねえ。虫の知らせみたいなのは魔力の共鳴によるものだったりしますし! なので、主様がふと予感したということは本当に発生すると思いますよー!』


「ひえーっ!!」


『わはははは! スパイスよ、一難去ってまた一難だな! こうやって肉体と魔力を鍛えながら、備えるだけでは足りぬだろう。策を弄するしかあるまいよ、力なき者としては』


「うんうん、スパイスはどっちかというと非力勢だからねー。策を考えるか」


『いつものやつですね!』


 ということで、修行編がスタートしてしまうのだ!

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 スパイスちゃんvs○○vsダークラ○みたく三つ巴の戦いになるか、はたまたスパイスちゃんを倒すという利害の一致で三体一の戦いに持ち込まれてしまうのか…? どちらの状況になっても勝て…
 炎の魔女の生存を確信した後に、それ以外の2人の魔女が同時に来るかもと言ったなら、それはもう2対1をやってる途中に炎の魔女がダイナミックエントリーしてくるフラグなんよ。
お〜、次の魔女&リベンジ炎の魔女が来ますか。 属性的に共同戦線張らなそうな気もしますが、作戦立案時に楽観論は禁物、手札の増えたスパイスちゃんの悪巧み(言い方)に期待です♪
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