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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
奥様コラボと同じマンションのドラゴン

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第133話 思わぬとこから衣装の話

『そう言えばスパイスちゃんの絵師さんって誰なんですか?』


「スパイスー? 自前だよー」


『えっっっっ!?』


 犬飼さんとの作業通話をしてたら、そんな話になった。

 彼女、音楽を聞いたり、誰かと雑談をしながらのほうが仕事が進むんだそうで。


 スパイスも配信の切り抜き動画や、short動画を作りつつお付き合いしているのだ。

 この動画も大事な収入源だからね。


『スパイスちゃん、もしかして絵師……!』


「イラストは描いてたけど、そこまでじゃないよー! いろいろなソフトで補正を掛けてあんな感じに……」


 ソフトウェアが魔導書で、イラストの本体はスパイスの心象風景なんだけどそれは言わないでおこう……!

 とにかく、犬飼さんにはとても感心されてしまった。


「それじゃあ、犬飼さんに何かイラストを依頼しちゃってもいいのかなー?」


『えーっ、スパイスちゃんから仕事をもらえるなんて嬉しい! 何のデザインですか?』


「今度のお正月にね、バーチャル空間の神社に遊びに行こうと思っててー。それでお正月っぽい服装を……!」


『晴れ着了解です! スラッとしたお姉さんを描いた後は、ちっちゃい女の子を描かないとバランスが取れないんですよねえ……』


 おお、絵を描く息抜きに絵を描く!!

 強い。


 そんなお喋りをしながら、犬飼さんは真梨耶さんこと、マリーのラフ画第二案をパッとザッコにアップしてくれた。

 うおー!

 長い黒髪、白い肌、純白の高貴な衣装にレイピア!!


「うつくしー」


『でしょー。これはお姉様って感じのが出来たと思う! 親しみやすさは御本人で十分だと思うので、外見はかっこよさに全振りですね。女子のファンが付くことでしょう!!』


「これはつくね! 恋しちゃうかも!」


 犬飼さんときゃあきゃあ騒いでいると、マシロが仕事から帰ってきたのだった。

 そしてスパイスの姿でいるのを見て、


「おおお、旦那さんが日々幼女になっていくッス」


 なんてちょっとオーバーに嘆いてみせた。


「おかえりー」


『おかえりなさーい。スパイスちゃんのルームメイト?』


「奥さんだよー」


『おおーっ!! じゃあシロコさんだ!』


「あ、あたしが有名になってるッス……!!」


 割と、スパイスがシロコと結婚した話は広まってるっぽいね。

 別に知られても困ることは無いからいいと思う。


 マシロはスパイスの横に並んで、マリーのラフを見て感嘆の声を上げる。


「かっちょいー……!! あたしのアバター描いてくださった絵師さんに、また新しいのお願いしようかなあ……」


 そうか、マシロも配信者をやってたわけだから、アバターを描いてくれたイラストレーターがいるわけだもんな。

 実家暮らしだった彼女、貯金をどかっと使ってデザインを依頼したらしい。

 独り者にはできない冒険かもしれない……!


『新しいシロコさんと、マリーさんのコラボ! いいじゃないですかー。楽しみにしてまーす。あと、スパイスちゃんの晴れ着も裏で準備しておきまーす。いやー、忙しくなってきたー!』


 ハイテンションな犬飼さんなのだった。

 三時間程度の作業通話が終わり、ここからはメールなどのチェック作業。


「あっ、チャラちゃんがドワーフ関係の仕事をしてるから、今週いっぱいは東京に来れないって」


「あー、あの人、すっかり福岡に出てきたドワーフと仲良くなってたッスもんねえ」


 日本各地に異種族が出現したのだが、それぞれ特定の地域に居着く者たちも多い。

 八重山のマンマーとか、神奈川のマーメイドとか、福岡のドワーフとか。


 エルフは東京から東北に掛けて住み着いていて、ケンタウロスは割と本州全体に分布してるかなあ。最近北海道にも上陸したらしい。

 日本全土に広がっていく異種族を警戒する声もあるけど、そもそもダンジョン禍で一億人からその半分未満まで人口が減ってる今の日本。

 人手は幾らあっても足りないですからね。


 各地では住み着いていろいろな仕事に従事してくれる異種族を、歓迎する声も大きい。

 ってことで、福岡はドワーフがワーッとなだれ込んで賑やかになり……。

 いつの間にか、地下迷宮と呼ばれる超大型ダンジョンができたらしい。


 これはドワーフの住処も兼ねているんで、彼らが維持管理も担当している。

 そんなドワーフたちに人間文化を教えるのがチャラウェイの仕事と言うわけだ。


 うーん、大役!

 頑張れチャラウェイ!!


「お陰で最近チャラちゃんと会えてなくてさー」


「そうッスねー。もともと忙しい人だったけど、今はほんとすっごく忙しそうで」


「ねー」


「それはそうと先輩、夕食時までなんでスパイスちゃんなんスか」


「あっ、ごめんごめん。この姿で昼間ずっと配信したり作業通話してたりしたからさー」


 元の姿に戻るのだった。


 和室では、魔導書たちが集まってワイワイとお喋りをしている。


『主様の新衣装が作られるそうですよ! この世界の人間はやりますねー。魔女に衣装を提供できるとは!』


『ん強そうな衣装なのかぁ? そうでないならぁ、あまり興味はなぁい』


『戦闘用じゃないんでやんしょうねえ。あっしはまあまあ興味ありますが』


『海は関係しないんでしょう?』


『ネットの中にも海があるみたいですね! あの恐ろしい女が、ネットの海に巣食った大罪の悪魔を撃破してましたからね!』


『えっ!? 海あるんです!? 行きたい!! すぐ行きたいですぅ!!』


 マリンナがテンション上がってるなあ。

 一緒にネットの海に潜ってもいいかも知れない。


 バーチャル空間もダンジョンが発生しているそうだしね。

 それに、シロコとマリーのコラボ、別に現実世界じゃなければいけない理由はない。

 バーチャル空間でダンジョン配信してもいいわけだし……。


「この辺の計画は練っていかなきゃな」


 個人勢配信者は、毎日がお休みであり、仕事でもある!

 やることややりたいことは、幾らでもあるのだった。


お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
ネットも海とは呼ぶけど、マリンナが喜ぶ要素はあんまなさそうではあるなぁ……w まぁ、経験してみるのも良いのではないでしょうかね。
魔導書には、ネットの海に潜るヤツがいそうだなあ。
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