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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
魔法少女の新婚旅行編

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第123話 バブル船スパイス号出発

 廃墟に到着し、フロータに魔法陣をいじってもらう。


『先日にいた港に出ればいいですよね?』


「そうそう。できそう? ちょっと細かい座標設定だけど」


『楽勝ですよー!!』


『何気にこの人、こういう魔法を分解して再構成するの得意な魔導書でもありますからね』


「そうだったの!?」


 今、マリンナの口から明かされる真実!


『認めたくはないですけど、力の魔導書と並んで浮遊の魔導書は私達七冊のまとめ役ですから。総合力だけはずば抜けてるんですよ』


「この戦闘狂が!?」


『ん不思議だろうがぁ、事実だぁ。俺以上のぉ、瞬間湯沸かし器だがぁ』


『本当に謎でやんすよねえー。血と戦の喧騒を何よりも愛す魔導書なのに』


『ゴラァーッ!! 聞いてますからねえーっ!!』


「人間はあたしと先輩しかいないのに、めっちゃくちゃ賑やかだあ」


 シロコが笑っていたのだった。

 その後、魔法陣は無事に再構成終了。

 見覚えのある港に降り立つスパイスたちなのだ。


「さーて、そんじゃあ変身! アクアスパイス!」


 スク水姿に大変身!

 何気にスパイスの姿は暑さ寒さに強いみたいだね……。

 こんな格好の真冬なのに寒くない。


「あたしは寒いッス~」


「シロコはアバターだけで、下は普通のコート姿だもんなあ。そんじゃあ行くぞー。マリンナ!」


『はい、主様、海はいいですよー。今回は海を航行するためのパーソナル巡航船魔法、バブルシップを伝授いたします~』


「バブルシップ~!?」


『百点満点の反応ありがとうございます。これはですね、あらゆる抵抗を跳ね除ける泡で体を包み、半水中状態で航行する魔法です。残念ながら船内設備は持ち込んだものだけになりますので、先代の主は船の方を好みましたが』


「珍しいー」


『船の上でずっと飲んで食ってしてましたから』


「自堕落~!」


 そんなやり取りをしている、スパイスと魔導書だけど……。

 港にいる船乗りの人達に発見された!


「うわーっ! 旧スク水の幼女が周りに本を浮かせて立ってる!」


「しまった! じゃあ作っちゃおう、バブルシップ!」


『かしこまりました~。スロットに魔法を差し込みます』


 スパイスのステータス画面の、魔法スロットがカシャンと入れ替わる。

 アクアスパイス状態の魔法がずらりと並んでいるねえ。


「泡よ、スパイスたちを包んで運ぶのだー! バブルシップ!」


 海に向けた指先から、無数の泡が飛び出した。

 それは海上で一つになると、巨大な一つの泡……バブルシップになる。


「おりゃー!」


 ぴょーんと飛び込むと、泡の中にスポッと入るのだった。

 割れたりしない。


「シロコもおいでー」


「は、はいッスー!」


 彼女も旅行カバンを持ったままジャンプ!

 バブルシップはカバンごと彼女を迎え入れた。

 スパイスぶんのカバンは、フロートで浮かせて中に入れようね。


「海の上にデカい泡が浮いてる! 泡の中に人が!? なんだこれー!!」


 船乗りの人が混乱している!

 話が大きくなる前に移動だ移動だ。


 バブルシップの周囲に、小さな泡が無数に出現した。

 それがバブルシップの周囲を、ぐるぐると回転し始める。

 すると……ゆっくりと、船が動き出した。


 徐々に加速していく。

 もちろん、泡の動きで速度を出しているので、全く音がしない。

 水と波の声だけが聞こえてくるのだ。


 風情がある~。


「なかなか早いねこれ」


『はいー。自動車が走るくらいの速度ですから。途中で水中航行に移行すれば速度をあげられますから、それでまる三日走らせれば目的地に到着すると思います』


「それなりに長い!」


『海の移動はそんなものです。これでも破格なんですよ。あ、適時トイレ休憩は挟んでくださいね』


「はーい」


 各地の港に立ち寄りながら、ちょこちょこと移動を繰り返すことになった。

 バブルシップ、とにかく周囲の風景が最高だ。

 半分水中で、半分水上。

 両方の景色を楽しめる。


 360度パノラマなので、どこを見ても絵になる。

 船を追い抜いていくと、乗っている人たちが目を丸くしているのが見えた。


 途中、下半身魚のマーメイドたちと並走したりした。


「こっちの世界にも、水の魔法があるのねえ!」「なつかしー!」


「異世界だと、割とこういうバブルシップとかあったりしたの?」


「マーメイドやマーマンじゃない異種族は、これに乗って海を移動したりしてたよ」「私達も掴まらせてもらって楽したもんだよねー」


「ほへー」


 面白い。

 思わぬ異世界事情も聞けてしまった。

 そして、この日は東京から三重まで移動したところで終了。


 港にて、ショウゴとマシロに戻って宿を取るのだった。


「先輩、このペースだと、石垣島まで本当に片道三日くらい掛かるんじゃ……」


「その可能性が高いな……。とても風情がある旅だけど、流石に目的地が遠い」


『ええ~! 全編海で行きましょうよー! 海はいいですよ、海……』


 マリンナが必死に抵抗するのだが、こちらも配信があるし、マシロも仕事がある。

 俺は沖縄までの飛行機チケットを確保しておくのだった。


 きら星はづきが風の大魔将を倒したことで、航空機での行き来がかなり楽になっている。

 お陰で今、飛行機での移動は空前のブーム。

 チケットは本来、なかなか取れないのだ。


 ファーストクラスを除けばだがな!

 大枚をはたいてしまった。

 ただ、ちょっと衛星を通じた通信なんかがしづらくなってきてる気がする。

 ネットが遅いんだよね。


 翌日、三重から大阪に移動し、そこから沖縄行きの飛行機に乗り込んだ。


「ひっ、広い……!! 生まれて初めて飛行機に乗ったッスけど、こんなに広いんだ……」


「ファーストクラスだから広いぞ。漫画喫茶の中くらいの部屋ほどのスペースが有る」


「高級感台無しな物言い~!」


 マシロから抗議されてしまった。

 エコノミーは電車の指定席よりちょっと狭いくらいのスペースだからな。

 沖縄までならそれでもいいかもだが、せっかくの新婚旅行だ。

 出費を惜しまずに快適さ優先で行こう。


 かくして、俺たちは機上の人となった。

 魔導書たちは飛行機の荷物置き場行きである。

 静かだなあ……。


 飛行機は舞い上がり、俺達を乗せて沖縄へ……。

 

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
そのうちハーピーとかも?
異世界からのお客様でエルフやら ケンタウロスとか本編では登場してたけど マーメイドさんとかはあまり出てきてませんね 言われてみればはづきっちは おかより上に生息してたから 水棲種族の方とはあまり交流な…
フロータ他の魔導書にもまとめ役として認識されてたんですね(てっきり自称かとw) そして並んでまとめ役扱いの力の魔導書ですか……まだ見ぬ魔導書のチラ見せとか、ワクワクしますねぇ♪
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