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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
結婚式と海の魔女編

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第120話 四冊目の魔導書

「お仕事終了! おつかれさまー!」


「ウェーイ! おつかれー!!」


「いやあ、仲間とともに戦うのはいいもんだなあ! 楽しかった!」


「僕はずっと飛んでた気がするよ。スパイスちゃん軽いねー」


「だいずも外部の人と攻略する機会少ないから、楽しかったですー」


 あの激戦を楽しめるツワモノたちなのだった。

 あまりにも心強い。


「よーし、それじゃあ今日はスパイスの奢りでご飯食べに行こうー! あっ、Dizさん一人だけ女の子だから、スパイスの奥さんも連れて行っていい? そうすれば女の子二人だ!」


「スパイスちゃんにその姿で言われると感覚バグるよねー」


 けらけら笑うDizなのだった。

 ジオシーカーで我が家まで移動し、そこで配信を見終わっていたマシロを回収。


「あそこからここまで一瞬で戻ってきたんスか!? というかスパイスちゃんの姿のままー!!」


「あ、そうだった!」


 もとのショウゴに戻っておく。

 なお、そんな俺の手には深い青色の表紙をした魔導書があった。

 海の魔導書だ。

 水にプカプカ浮いているところを回収した。


 今は静かにしているな。


 マシロを連れて、またジオシーカーで移動。

 フォーガイズと合流し、都心のほどよくお高い焼肉屋に来た。

 やっぱ外食と言えば焼き肉だよな!

 個室だし。


 乾杯し、ガンガン酒を飲み、大いに盛り上がった。

 制限時間いっぱいまで飲み食いをし、二桁万円ほど支払った。


 なかなかの出費だが、これだけのメンバーが協力してくれたんだ。

 安い安い。


 それに、海の魔女撃退戦はフロッピーがアーカイブ化してくれたが、既に結構視聴されているらしい。

 スパチャも多く飛んできていたし、この出費は一瞬で取り戻せたと思う。


 一般リスナー代表として参加していたマシロは、Dizに「マシロちゃん、シロコちゃんに戻ってまた活動しないの? しなよー。一緒にコラボしよー」とかとんでもない誘いをされて、めちゃめちゃに揺れていた。


「いいんじゃない? 奥様配信者。俺は応援するよ」


「せ、先輩のサポートがー。で、でもあのDizさんからのお誘い、うおおお」


 揺れてる揺れてる。

 登録者百万人超えの、ライブダンジョンの歌姫のお誘いだぞ。

 断るという選択肢はあるまい。


 ということで、なし崩しにマシロはシロコに戻り、ちょこっと配信することになったらしい。


「俺の妻の一人が、配信に興味を持っているんだが」


 そこで大京さんが話に加わってくる。

 マシロは大京夫人たちと仲がいいので、誰だかピンと来たらしい。


「あっ、真梨耶さんッスか。あの人、体のキレが凄いですし、昔は肉弾戦一本でダンジョン攻略してたんですよね? やれると思います」


「だよなあ。なかなかの凄腕だったし、今もジムに通ってる。マシロさん、彼女を鍛えてやってくれないか?」


「ひえーっ、あ、あ、あたしがーっ!?」


 奥様配信者チームいいぞー。

 俺は無責任に応援しながらお酒をいただくのだった。


 さてさて、飲み会は終わり……。

 お酒でふわふわになったマシロを背負って、ジオシーカーで家まで送ってもらった。

 本当に便利だな!!


「それじゃあまた、何かあったら一緒に遊びましょ、スパイスちゃん。この一週間ちょっと、楽しかったですー」


「ええ、お世話になりましたDizさん! 機会があればぜひ!」


 ということで、お別れなのだ。

 家に入って、マシロをゆったりした服に着替えさせて、酔醒ましの水とスポドリなどを用意して座椅子に預けておく。

 うちの奥さんは、スピスピと気持ちよさそうに寝ているのだった。


「よし、では落ち着いたところで……」


『マリンナを叩き起こしますかあ! オラァ! 起きろぉ!』


 浮かび上がったフロータが、角のあたりでゴツーン!と海の魔導書を小突いた。


『ウグワーッ』


 海の魔導書がなんかカワイイ声で悲鳴をあげる。

 このカワイイ声が、使い手を化け物にする恐ろしい魔導書?


『あれっ? ここは誰? わたしはどこ? ああ、海の潮騒が聞こえない……。海……海に行きませんか』


 むくっと起き上がる、群青色の表紙の魔導書なのだった。


『ぃよーう! 久々だなぁ! 魔女を怪物に変えてぇ、好き放題だったなぁ!』


『いやー、マリンナえげつないでやんすねえ! あそこまで魔導書に侵食されてたら、生き残っても人としての意識を保てなかったでやんしょ!』


『そんなー』


 なんか他の魔導書たちから色々言われ、海の魔導書マリンナは被害者めいた発言をした。


『海は全てを受け止めて、優しく抱きしめてくれるんです。同化することはとってもいいことなんですよー。人聞きが悪いこと言わないで下さい! 異形化は救い!』


「あっ、こいつもいかんやつだ」


 そこでマリンナがハッとして俺を見る。

 なんか、表紙がパーっと輝いた。


『あーっ! いました、才能がある魔女が! 無理して己の身の丈を超えた力を振るうから、色々海と同化しないといけないんです。あなたのように才能のある方なら、別に何も捧げなくても海は迎え入れてくれるでしょう……。どうです? 海に行きませんか。海になりませんか』


『チョワーッ!! 主様を勧誘するのはゆるさないですよーっ!!』


『ウグワーッ! 暴力反対~!! フロータ嫌いー!!』


 フロータとマリンナがバチバチ争い始めた!

 賑やかだなあ。


『こちらが新しいお姉様なのですね』


 そこにフロッピーが降りてくる。

 ハッとするマリンナ。


『新しい魔導書の気配……!? そんな……。わたしたちの他に、この千年以上もの間、真の意味で意思を持つ魔導書なんて無かったはずなのに』


『へへーん、フロッピーちゃんですよ。私の妹です!』


『ん俺の妹だぁ!』


『あっしのかわいいかわいい妹でやんす!』


『さ、三冊ともデレデレになっています~! 恐ろしい子……! 魔導書たらし……!!』


『マリンナお姉様、どうか、ご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いします。とても優れた魔導書だと伺っています』


『えっ!? なんですかこの子、とってもいい子……!』


 フロッピーの魅力に、また一冊陥落したか……!?

 ともかく、仲良くやってくれそうで何よりだ。

 我が家も一層、賑やかになるなあ。



お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
女の子・・・・・・子?女の子はスパイスちゃん一め(ブッ
海の魔導書、思いの外ぶりっ子と言うか海に引きずり込みたい系の小悪魔ちゃんな感じかな?(あらあらうふふのお姉さん系と予想してたり) それにしてもフロッピーちゃん、いつの間にかアーカイブ編集して上げてた…
> フロッピーの魅力に、また一冊陥落したか……!? ホントに恐ろしい魔導書は、魔導書をメロメロにするフロッピーのよーな気がする…
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