表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
結婚式と海の魔女編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/373

第114話 ジオシーカーで結集!

「うおー! いくぞいくぞいくぞいくぞー」


 ばりばり突き進むスパイス!

 この快進撃をみよー!


※『スパイスちゃんのアクション、壁とか天井とか走り回るからめちゃくちゃ目が回るんだよなw』『酔い止め、酔い止め~!』『配信者の動きについていけないリスナーw』


「ごめんねー。スパイスの肉体がハイスペックすぎるんだね……!!」


 生身と比べても、異常に性能がいいからな。 

 しかもこのミニサイズで、筋力は生身の時と変わらない。

 当たり判定が減って、体重が軽くなった上に小回りも効き、十代の頃のショウゴの肉体のキレがある。


 最強!


 走ってくる異形ヘッド看護師が振り回す、点滴がついてる棒。

 これをジャンプで回避しながら、棒の上に着地!

 駆け上がって看護師の肩を蹴って飛び上がったら、頭の上からラーフとエアガンをダブル射撃!


『ウグワーッ!!』


 異形ヘッド消滅!


「ラーフはフロータ、エアガンはイグナイトに協力してもらうと強い感じだね。でもこの通路が狭いダンジョンだと、イグナイトは危なすぎてねー」


『ん俺もぉ活躍したいぃ!』


「広い所に行ったらねー」


 BB弾だと、フロータが込めれる魔法が弱くなる。

 これ、弾の大きさに関係してるかも。

 逆にBB弾を使い捨てと考えると、イグナイトの小規模爆発を連続させる魔法はとても相性がいい。


「スパイスの新しいスタイルは、シューターだなー」


『マスター、私から提案があります』


「フロッピーから提案めずらしいー。どうしたの?」


※『フロッピーちゃんがどんどん喋るようになってていいぞー』『声が可愛くなってる』『野中さとなっぽい』


 うちのAフォンにファンが付き始めてるね?


『FPS形式ですとリスナーの皆さまが大変そうなので、マスターがアクションをする時にはTPS方式、あるいは少し離れて撮影がいいのではないでしょうか』


「あー、なるほど!」


 FPSはファーストパーソンシューティング、つまり主観視点ね。

 スパイスを追っかけるから、一番臨場感がある!

 だけどスパイスの超機動についてこないといけないので、三半規管の強靭さを問われるわけだ。


 これはショート動画で後日発表だね。

 配信はTPS……サードパーソンシューティング、三人称視点での俯瞰した感じが一番いいかも。


「そんじゃあそれでよろしく!」


『かしこまりました』


 向こうから、キャスター付き懸架にドリルがついたやつと、それを押してくる異形ヘッド軍団が迫ってくる!

 ここからTPS視点で行ってみよう!


※『うおーっ!! スパイスちゃんが瓦礫を踏んで跳躍!』『異形ヘッドも飛んだけど……』『空中戦だ!』『振り回される棒を蹴って吹っ飛ばすのマジ!?』『反動で壁に着地しながら連射してる!』『あ、フロータ仕込んだ!? 懸架が浮かび上がった!』『懸架の上に立ってからのー』『イグナイト仕込んだBB弾で掃討!』


「イエアー!」


※『うおおおおおお』『うおおおおおお』『うおおおおおおお』『戦い方がガチガチのガチなのよw』


 魔法の実力で劣ってても、別のスキルでかさ増しして戦えるねこれは!

 だけど、次回の海の魔女との遭遇戦は、スパイスは結婚式で留守だからね。


 海魔女が逃げおおせたら、第二戦があると思う。

 そこでこれをやるかー。


 というところで、中枢の中枢みたいなところに到着!

 ダンジョン化した施設は形状が歪んでいるらしく、入口のエントランスホールみたいなものがど真ん中にあった。


 ここまでは、Dizも一気に転移できなかったんだなーと思ったけど、納得。


 モンスターがひしめいているわけだ。

 こりゃあ降りてきたらごちゃごちゃな集団戦開始でしょ。


 このダンジョン、一体どれくらいのモンスターがいるんだろう。


「流石にこれは弾数が足りない! ヘルプを要請しまーす!」


※『うわあ、モンスターがひしめいている!』『やばいやばいやばい』『常にスタンピード級のモンスターがこの中にいるってこと!?』


「みたいだねー。あ、返信きた!」


『そっちの様子は確認してますよー。じゃあ、ヤタさんと一緒に行きますね。ジオシーカー!』


 Dizの声が聞こえたと思ったら……。

 彼女が別の入口に、ストンと降り立った。

 そしてスパイスの対面には八咫烏。


「うわーっ、大きいモンスターと戦ってたらいきなり転移させられたよ。ジオシーカーは無体だなー」


 呑気にそんな事を言いながら、八咫烏は振り返った。


「でも、いつまでもダラダラ配信してもね。よし、ここを片付けて配信を終えちゃおうか」


「おー! いっぱいいるので、ここからスパイスは魔法かなー。フォームチェーンジ!」


 オレンジと白の光りに包まれて、変わる姿は……。


「イグナイト・スパイス! 広域殲滅形態だよ! うおおお全力で行くぞイグナイトぉー!」


『ん待ぁってたぜぇこの時をぉぉぉぉぉ! ぶらぁあぁあああ!!』


 輝く魔導書イグナイト。

 スパイスの両手に炎の輝きが灯った。


 モンスターたちは一斉にこっちに気付いて、ギャアギャア叫びながら襲いかかってくる。


「ほんじゃあ、行ってみよー!! 爆裂火球ーっ!!」


 ドカーンッ!!と大きな花火が上がる、ダンジョン中枢なのだった。

 なお、ずっと画面端で見切れてて分からなかったんだけど、Dizは歌タイプの現代魔法で戦いながら、と時々何かをシュッと投げていた。

 あれ、モンスターが踏むとそこで火柱が上がってたんだけど……爆雷でもばら撒いてた?


 最後に現れたのは、医療用機械と半分同化したドクターみたいなデーモン。

 これはスパイスが爆裂火球でひるませて、Dizがピコハンで足元を崩し、八咫烏がドクターの頭の上に立って、そこからラーフを連続で叩き込んだ。


『ウグワーッ!!』


 断末魔とともに、爆散するドクターデーモン。

 かなり大きなダンジョンコアが、コロンと転げ出た。

 そしてダンジョン化が解けていく。


 かなり広めの廃墟に戻っていくのだ。


「かつてはサナトリウムとか、そういうのに使われていたらしいんですけど、収容された人たちに対する謂れのない風評や、報道から広がった偏見がここをダンジョンに変えたんですよねー。本人たちだけでなく、誰もがダンジョン化を引き起こす加害者になりうるっていうのは、肝に命じておきたいですね」


 Dizが綺麗な感じの締めをして、コラボは終了となった。


「ということで、どうでした? だいずは信頼できるかなー?」


「全然活躍が見えなかった! だけど、あれだけたくさんいたモンスターなのに、何も出来てないみたいに見えたよ! 何をしてたの?」


「こうね、集団の中で、動き出そうとするキッカケっていうのがあるんですけど、それを見極めて出鼻をくじくの。これを連続してると、向こうは何もできないまま瓦解してくわけね」


「ひえー」


 リスナーにはその様子を見せないまま、あれだけのスタンピード級な集団をコントロールしていたとは。

 確かにDizは特級戦力と呼ばれるだけのことはあるのだった。


 あと、最後まで斬撃を使わないでエンジョイで戦っていた八咫烏とか。


「いやあ、配信したらお腹減っちゃったね。三人でご飯食べていかない?」


 呑気だなあ。

 だけど、確かにこっちもお腹が減った。


「じゃあ、この辺りで美味しいお店をDizさんに探してもらいますか!」


 元の姿に戻った俺がそう言うと、Dizはニコニコしながらジオシーカーを展開するのだった。


「これもまた、ジオシーカーの便利な使い方ですもんねー。美味しいお店に……ジオシーカー!」



お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
おお! どっかの魔法銃みたいだ!
銃を使ったスタイル、スパイスちゃんと相性良さそうですねぇ。 そうでなくても魔導書増えて使える魔法もレベルが上がってきて、戦闘力的に日本でも上澄み集団に足突っ込んでそうですねぇ……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ