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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
コラボレーション・きら星はづき編

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第107話 テンパっててこっちに気付かないのだ

 古き魔女への挨拶も終えたところで、きら星はづきの教室を見に行こう。

 途中、スパイスの姿のままだといけないと思い、メタモルフォーゼを使ってちょっと髪型を変える。

 ふわふわサイドテールだ。

 よーし。


 スパイスはツインテールの印象が強いから、これならば分からなくなるだろう。

 それに、女子校だけあって招かれた友人の女子勢が多い。

 この姿なら紛れてしまえるから、そう目立つまい。


「あれ? あの娘、スパイスちゃんに似てる……。かーわいい」「気のせいじゃない? スパイスちゃんがここにいるはず……カワイイ」


 いきなり発見された!!

 目ざとい人がいるなあ。

 この学校にも、お肉どもは潜んでいるのだ。


 気をつけないとね。


「お化け屋敷~! お化け屋敷どうですか~!」


 ほほう!

 このダンジョン全盛の時代にお化け屋敷とは度胸がある!

 遊園地のお化け屋敷、その名とは裏腹にダンジョン化を防ぐ護符がたっぷりだもんね。


 そして、気楽にダンジョンを味わえるお化け屋敷はどこに行ってもヒットコンテンツ!


「どーれ」


「お一人様ご参加ー! 大丈夫? 怖いかもよー」


「大丈夫だよ~!」


 スパイスを子どもだと思って心配してくれているな。

 おじさん、心臓に毛が生えているからね。


 カーテンで仕切られた、真っ暗な教室の中。

 あちこちに豆電球みたいなもので、かすかな照明がある。


 あちこちに、お化けに扮した生徒が潜んでるなー。


『子供だましですねー。ですけど微笑ましいですねえ』


「うんうん、平和的でいいよね」


 フロータと喋っていると、横合いから「ぐばあー!!」とか言って血まみれの女が!

 手には包丁が!

 怖さの方向ちがくない?


「ひゃあー」


 だがここは悲鳴を上げておくべきだろう。

 脅かし役の生徒が、大いに満足した顔でまた待機場所に戻っていった。

 体力のいる仕事だ。


 その他、天井から冷感タオルがぶら下がっていたり、怪しい音が響くところがあったり、影絵みたいにしてお化けみたいなのが横を走っているゾーンがあったり。

 学生たちの予算範囲としてはかなり頑張っている!


 エンタメだなあ。

 スパイスは大満足だよ。


 ニコニコでお化け屋敷を出たのだった。

 それからオムライスしかない模擬店でオムライスとジュースをいただいたり、教師たちによる学校の歴史を展示した場所を眺めたりした。


 ははあ、明治からの伝統が……!!

 女子教育は大事だからねえ。


 やって来たのは目的地。

 はづきっちの教室だ。


 ちょうど、マシロと大京一家が出てくるところだった。

 大京さんは「俺が入ると色々気を使わせてしまうからね。外で待ってるよ」とのことで他所に行っているらしい。


「おーっす」


「あ、先輩! なんでスパイスちゃんのまんまなんスか」


「女子校の学園祭で、成人男性が一人で歩いてるよりこっちのが自然でしょ」


「そりゃそうですけどー」


 もとの先輩と一緒ならデートみたいなのにーと言われる。

 そう言われるとそうかもねえ。


 さてさて、はづきっちの教室の出し物は……。

 きら星はづきすごろく!?

 彼女のこれまでの軌跡をすごろくで追いかける形式だ。


「あっ!! おいおい、本人がきら星はづきのコスプレしてるよ……。めちゃくちゃテンパってる。あれはスパイスが参加しても気付かないなー」


「頭の上にいる、喋る甲冑ぬいぐるみが面白かったッスよ」


「ははあー」


『……あの頭の上にいるやつ、とんでもない魔力量を持った本物の化け物ですけど?』


『ん魔将というやつだろうなぁー。まさかそいつを手懐けているとはぁ!! 恐るべしぃ』


『敵意が全く無いでやんすね!? 何が起きてるでやんすか』


 さっぱり分からん!

 では、スパイスは初めて遊ぶよーっていう女の子のふりをして、ゲームに参加させてもらおうかな。


 その時、教室でキャーッと歓声が上がった。

 なにかと思ったら、配信機材を持ったスタッフと、ゴスロリ姿の少女がやってくるのだ。

 彼女は、はづきっちのアメリカ遠征で仲間になった、アメリカン陰キャ女子系配信者のビクトリア。

 チェンソーや釘打ち銃、バールのようなものを武器とした、スプラッタな戦闘を得意とするのだが……日本のゲームやマンガ、ラノベ、アニメへの愛と造詣が深く、ついに声優活動を始めたという変わり種。


 これは、いい感じで騒ぎに紛れられそうだな。

 おっと、ビクトリアの他に、有名声優の野中さとながいる。

 一期に必ず一役以上、ヒロイン級のキャラを演じる超売れっ子だ。


『ははあ、この収録の間は一般の客が参加できないようでやんすね。ですがあっしに任せてもらえばほれこの通り……』


「ごあんなーい」


 教室内の普通の人たちの認識がいじられたっぽい。

 安全な認識改変だから気にしないでねー。


 はづきっちの頭上のぬいぐるみがこれに気付いたみたいだったけど、危険性がないのを理解してくれたみたい。


『まあ良かろう! 協力者側ならば見逃してやろう!』


「ありがとー!」


 ってことで、はづきっちのクラスメイトにゲームを案内してもらうスパイスなのだ。

 25種類のミニゲームが用意されてて、すごろくだとこのうちの五つくらいを遊べるくらいのテンポなのね。


 ミニ玉入れ、ミニ射的、ミニボウリング……。

 うんうん、これはアイデアの勝利だねー。


「おもしろいねー! はづきっちの歴史まで学べちゃう! 誰が考えたの? シェフを呼んでくれたまえ!」


「私でございます」


 案内してくれた生徒がペコリと会釈してきた。

 なんと、言い出しっぺの人が案内を!


「そっかー! 凄いアイデアだねー!! ほめてつかわす!」


「ありがたきしあわせー」


 二人でキャッキャと盛り上がった。

 ちなみに教室内のメインは、野中さとなの収録だ。


 ついに彼女がゴールインし、はづきっちから特典のカードを受け取っていた。

 大喜びしている。

 これはきっと、明日の夜にでも編集された動画が見られるんじゃないかな。


 背景にスパイスが映り込んでたりして!

 さてさて、はづきっちもいっぱいいっぱいだし、ここは退散するとしよう!

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。


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― 新着の感想 ―
久々のビッキーに思わず涙。 超てんぱりのはづきっちに思わず笑顔。
お久し振りのバングラッド氏とビッキー♪ そうよね、バングラッド氏はそもそも魔将でしたよねw この頃には既にゲーム好きの愉快な異世界人くらいのノリでしたものねぇ…… 魔導書達のビビり方で再認識してしまっ…
まあ、配慮ってことで。
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