第10話 掴み取れ勝利を!!
「ただいま帰りました!遅くなってすみません!」
ヒイトさんと長く話しすぎてすっかり遅くなってしまいました。急いで基地に戻ると皆さんが床に突っ伏しています。ボロボロなままでそんなところに寝ていたら体を悪くしてしまいます!
「皆さん大丈夫ですか!?すぐに手当てします!」
「美咲、さん…」
お父さんに手伝ってもらって皆さんをソファやベットに運びます。それにしても皆さん酷い怪我…。腕も顔も傷だらけ。早く手当てしないと。お父さんにも手当てをお願いします。
「熊沢さん大丈夫ですか?すぐに手当てします」
「あはは…ありがとう」
「あんまり無茶をしないでください。心配です…」
「今は無茶をしてでも力を手に入れないといけないから」
「ですが……」
「でも掴めた気がする。アニマルパワーを」
「本当ですか!?」
「うん。身体の中に今まで感じたことのない力を感じるの」
「あ、それ僕も〜。なんかエレファントと一緒な感じがするんだぁ」
お父さんが手当てを済ましてくれた象山さんが会話に入ってきます。どうやら象山さんも熊沢さんと同じような感覚を感じているみたいです。アニマルパワーは聖獣の力を一時的に借りる力。象山さんが聖獣エレファントと一緒にいる感覚があるのはもしかしたらその片鱗なのかもしれません。
「司令のおかげでなんとかアニマルパワーをものにできそうです。感謝します」
「いいんだよ鷹禽くん。本当ならもっと負担が少ない方法で習得する予定だったんだけど。でも役に立ってよかったよ」
「でもこれであのハカイダーにも勝てるってことだろ!」
「どうだろう。アニマルパワーがあっても今の僕たちに使いこなせるか分からない」
「随分弱気だな、獅子王」
「空さんなら分かってますよね」
「まぁそうだな」
「え〜なになに?」
「2人だけで納得してないで俺たちにも教えてくれよ!」
獅子王さんと鷹禽さんが何か察しがついているようですが、鮫原さんと象原さんはまだ分かっていないようです。私もなんとなくは察しがついています。隣にいる熊沢さんもあまり分かっていない様子です。
「あのハカイダーのパワーは強大。それに私たちの行動も研究し尽くされている。あのプラスが最高傑作とまで言っているんだ。そう簡単に倒せると思うか?」
「うぅん…確かにそうかもぉ?」
「で、でもよ!今の俺たちならきっと…」
「ううん。僕たちが特訓している間にきっとプラスもハカイダーをさらに強化してくるはず。前に戦ったときはハカイダーに僕たちの動きが完全に読まれてた。なら僕たちも力を更に合わせないと」
「作戦を立てるってこと?」
「うん、一華さんの言う通り。作戦を立ててあのハカイダーを今度こそ倒すんだ」
「でもよぉ…作戦ってどうするんだよ」
「あのハカイダーの弱点かなにか分かればいいんだけど…」
ハカイダーの弱点…。ヒイトさんから教えてもらったことがきっと作戦の役に立つはず。皆さんにもお伝えした方がいいですよね。
「あの…少しよろしいですか?」
「どうしたんですか?美咲さん」
「ハカイダーの弱点分かるかもしれません」
「ほんと!?美咲ちゃん!」
「え、えぇ。皆さんが特訓している間にハカイダーの弱点を解析していて」
本当は少し違うのですが、今からヒイトさんのことを説明するのは時間がかかりそうですし今度説明しましょう。いつハカイダーがまた現れるか分かりませんから。
「あのマワシハカイダーはパワーに特化していますが、スピードに欠点があります。そしてあの巨体なら体力もそこまでないはずです。マワシハカイダーを翻弄し体力を消耗させれば勝機があるはずです!」
「確かに…前の戦いでも素早さはそこまでじゃなかった」
「使えるかもしれませんね」
「すごいよ美咲ちゃん!!」
「い、いえ…これくらいお役に立たないと」
熊沢さんが思いっきり抱きついてきて身体を受け止める。あまりの勢いに押し倒されそうになりましたがなんとか堪えられました。
「スピードなら俺と鷹禽せんせーが得意だよ」
「それなら私と鮫原が囮になってハカイダーを撹乱する」
「そしたら僕と山門さんと一華さんで隙を突いて攻撃しましょう」
「うん、それがいいねぇ」
「任せて!!」
ピピピッ!
「ハカイダー反応です!」
「みんな行こう!!」
ハカイダーの反応を知らせるレーダーが鳴り皆さんが出撃します。作戦は立てられたものの具体的なことはまだ確認できておらず、ぶっつけ本番です。でもきっと皆さんならきっと勝てるはずです。今度こそハカイダーを倒してください皆さん!!
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「そこまでだハカイダー!!」
「来たか、アニマルジャー!!!」
現場に向かうとハカイダーが建物を壊し、ハカイダーの戦闘員クラッシャーが人々を襲っている。建物に突っ張りをして粉々に破壊している。やっぱり凄いパワーだ。
「みんな、チェンジだ!」
「おう!」
「はい!」
「うん!」
「もちろん!」
アニマルチェンジャーを取り出し、アニマルストーンを嵌めて回して変身する。
「闇を切り裂く虎の爪!タイガーレッド!!」
「海を渡るサメの波!シャークブルー!!」
「世界を羽ばたくタカの翼!ホークイエロー!!」
「大地を唸らす象の足音!エレファントグリーン!!」
「仇なす敵を薙ぎ払う熊の剛腕!ベアピンク!!」
「「「「「世界を守る5つの力!聖獣戦隊アニマルジャー!!」」」」」
「今日こそ決着をつけるぞアニマルジャー!行け!クラッシャー!」
いっせいに襲いかかってくるクラッシャーをアニマルソードで薙ぎ払っていく。特訓の時の傷が少し痛むけどこれくらいなら全然動ける!
「はぁ!!」
「ドスコーイ!!」
クラッシャーたちを倒してマワシハカイダーのもとまで辿り着いた。張り手を剣で受け止めたけどやっぱりもの凄いパワーだ!受け止めきれずに吹き飛ばされる…!
「俊野っち!!」
「鮫原くん…!それにみんな!!」
「クラッシャーはみんな倒したよぉ」
「あとはマワシハカイダーだけ!」
「それじゃあ作戦通りに」
「うん!」
吹っ飛ばされた僕の周りにみんなが集まってきてくれた。みんなもクラッシャーを倒したみたいだ。これでマワシハカイダーとの戦いに集中できる。
「ん?なにをする気だ??」
「みんないくよ!」
「「「「「アニマルパワー解放!!!」」」」」
身体を内側から溢れ出る力を解放する。聖獣たちと一緒になる感覚が高まっていき力が溢れていく!
「な、なんだぁ!?このオーラは!!」
力が極限まで高まって爪が鋭く尖る。襲ってくる野生の本能を抑え込みなんとか正気を保つ。習得してから分かったけどアニマルパワーは野生の力を解放する力。その野生の本能に飲み込まれそうになる。
「行くぞ!!」
先陣を切った空さんが空を飛びマワシハカイダーを撹乱し、海斗くんが地面を泳いで足元を切りつける。
「グオッ!ちょこまかと!!」
「えーい!!」
「こんなものおいどんの自慢の張り手で!」
ドゴォン!!
「油断大敵だよぉっと!」
建物の瓦礫を投げ飛ばした熊沢さんの攻撃に気を取られている間に象谷さんが足踏みをして衝撃波を起こす。衝撃波で怯んでいる隙に僕が懐に潜りこみ爪で攻撃を与える。鷹禽さんと鮫原くんが撹乱してくれたおかげで簡単に懐に潜りこめた!
「グアァァアアア!!!」
「手応えあり…!」
「おりゃぁあ!」
「ぐっ!」
「力勝負なら負けない!!」
僕の攻撃を受けてよろめいたマワシハカイダーの手をとって手押し相撲の様に力勝負に持ち込んだ。前はあの一華さんでも純粋な力で負けたけど今の一華さんは…!
「おりゃあぁぁあああ!!!!」
「お、おいどんが力で負けるなんてぇ!!」
一華さんが押し切ってマワシハカイダーに尻餅をつけさせた!
「ホークシューター!」
「シャークダガー!」
ドドォン!!
ズバッ!!
「グアァアア!!」
「マワシハカイダーが弱ってる…!みんな決めるよ!!」
「「「「「みんなの武器をひとつに!!アニマルバズーカー!!!」」」」」
「おいどんが、おいどんがこんなところで…!!」
「「「「「フィニッシュ!!」」」」」
「おいどんは横綱なんだ〜!!」
ドオオォォン……!!!
攻撃の余波で爆発し、マワシハカイダーが立ち上がってこない。つまり、僕たち…!!
「やったー!!」
「俺たちの勝ちだ!」
「やったねぇ!」
「よっしゃ〜!!」
「喜ぶのはまだ早いですよ」
みんなで抱き合って勝利の喜びに浸っていると倒れたマワシハカイダーの方を指差す鷹禽さん。マワシハカイダーの近くから現れた幹部の1人エア・ポリーシュ。花魁のような姿でいつも倒したハカイダーを能力で巨大化させる厄介な幹部だ。
「まったく、なぁにが最高傑作だい。まんまとやられてるじゃないか。ほんと私がいないと駄目なんだから。ほら、起きなさい。もう1番よ」
そう言ってふぅっと息を吹きかけるとみるみる身体が大きくなっていく。すぐにアニマルストーンで美咲さんに連絡し聖獣たちを発進させてもらう。
「美咲さん、お願いします!」
『了解です。皆さんもう少しだけ頑張ってください!』
美咲さんに通信するとすぐに聖獣のみんながやってきた。僕たちはそれぞれの聖獣に乗り込む。
アニマルチェンジャー:銃型の変身道具。アニマルストーンを嵌めてアニマルストーンを回すと変身できるぞ!
アニマルストーン:石板にそれぞれの聖獣が描かれている。通信もできるぞ!
アニマルソード:全員の共通武器(剣)




