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プロローグ
暖かい優しい光を受け
瞼の奥がうっすら明るくなり
朝だとわかる
「……やっと寝付けたと思ったら…」
憂鬱な気分で起き上がる
目の前に広がった景色は
豪華な天蓋付きのベット
私はいつもの夢をみた
ママが居て子供達が走り回って
皆んな笑っていて幸せな夢だ
「………、………、…ご、…ね………」
額に手をやり眉を寄せて上を向き
目をぱちぱちさせた
お父様、お母様、お兄様も
ごめんなさい
もう、……心配させない
いつも優しくしてくれてありがとう
コンコンと扉が叩かれ
笑顔を顔に貼り付け返事をすると
侍女のエリンがいつもの様に挨拶をする
ただ、その瞳は見開いて驚きを隠せていない
目がパンパンに腫れているからか…
笑顔だからなのか…
或いは両方か
それは彼女にしか分からないけれど
すぐに氷を用意してくれた。
それが…
私の6歳になる誕生日の朝だった