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8. 令嬢、冒険者になる ①

本日一回目の投稿です^^


 翌朝早く、宿の一階にある従僕用の洗面所に入った執事イーサンは、自分同様(ろく)に寝られ無かったであろう騎士デビットを見つけ声を掛けた。


「おはようデビット、とは言っても眠った様子は見られんが」


「それはお互い様ですよね」


 苦笑いと共に答えたデビットに肩を竦め(すくめ)て返すイーサン。

 顔を洗い、櫛を通しながら白粉油(おしろいあぶら)で髪をオールバックに整え始めたイーサンが言う。


「私は決めたよ、お嬢様について行く」


 剃刀(かみそり)で髭を剃りながらデビットが聞き返す。


「良いんですか? 爵位を失う事になりますよ」


「それはお互い様だろう? それに男爵と言っても私の場合は兄トマスの寄り子だからな、実質失う物は無いよ、それに……」


「それに、なんです?」


「ソフィアと約束したんだ、彼女の分もお嬢様をお守りするってね」


 イーサンの妻、元のアメリア付きメイド長だったソフィアは、二年前に病によって若い命を散らしていた。

 デビットは剃刀を置きながらイーサンに言った。


「そうでしたか…… では、これからもご一緒になりますね、改めてお願いしますよ」


 イーサンはクロスタイのピンブローチを付ける手を止めてデビットに聞いた。


「ではデビットもお嬢様のお供を? いいのですか? せっかく準男爵までなったのでしょう? 私の代わりの男爵になれるかも知れませんよ?」


 デビットは剃り上げたばかりの顎に拳を当てて、わざとらしく悩む振りをしながら答えた。


「ふむ、それは惜しいですね、では、王都に戻って皆さんの居場所を密告する事としましょうか? その手柄で男爵になれるかも知れません…… ははは、そんな馬鹿な! 第一私は騎士しか出来ないですからね、準男爵で打ち止めですよ、それに……」


「それに、なんです?」


 先程と彼我(ひが)が入れ替わっていたが同じセリフで聞き返すイーサンに答えるデビットの頬はやや赤みが増していた。


「イーサンの旦那と同じ理由ですよ、マリアはアメリアお嬢様から離れないでしょうからね、アイツと離れ離れになるのは、ちょっと……」


「そうだったのか…… 君とマリアが、素晴らしい! お祝いを言おう、おめでとうデビット!」


「まあ、お嬢様の婚約発表が無事済んだら侯爵様に言って結婚を、と決めていたんですが、こんな感じになってますからね、いつ一緒になれるのかは分かりませんが…… どんな形であろうと一緒に居れれば良いなと、ははは…… それに俺はお嬢様の護衛騎士ですからね、護る人から離れるなんて騎士失格ですよ」


「そうか、皆お嬢様について行くのか…… そうなると今日は四人全員で行くことになるんだな」


「ですね、それでみんな揃って転職ですか、今日中に新人冒険者って事になりますね」


「ああ、そうなるね、ふふふ」


「ははは」


 身支度を整えてアメリアの部屋に向かう、執事と騎士は愉快そうに笑い合ったのである。



 部屋を訪れた二人とマリアの答えはついて行くの一点張りであった。

 特にマリアに至っては、


「お供が叶わぬならば、物陰や窓越しに観察を続けたり、留守中に部屋に忍び込んで勝手に整頓をしたり、今日はどこどこに行っていましたね、全部知っています的な文書を送り続ける事になります」


となかなかの執念を見せて来たので、アメリアは三人の同行を受け入れるしかなかったのであった。


「分かりましたわ、それでは私と一緒に魔王の復活のせいで増えてしまったモンスターを退治する冒険者となりましょう! みんな、覚悟は宜しくて?」


「「「はいっ!」」」


 三人の嬉しそうな顔を見たアメリアも又、満面の笑顔で美しい顔を染めた。

 実の所、一人で冒険者になるのはほんの少しだけ不安だったのである。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)


まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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