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74. 令嬢、独断 ③ (挿絵あり)

本日三回目の投稿です^^

 暫く(しばらく)して気を取り直した感じで金色の魔人はエマを見つめて言ったのである、


「掛かって来るが良い! 聖女とその仲間達よ! この魔王ザトゥヴィロの副官たる、オーロ・ラン・ダハブが、貴様らに引導を渡してくれん! わーははははっ! 亡ぼしてくれよう! なあ、ここ副官で良かったんだよな? マーヴィ、四天王最弱の所だったっけ? 大丈夫?」


 青い魔人が呆れた表情で答える。


「四天王最弱は再来週の分でしてよ、全く、もう!」


「ああ、そうか、ゴメン、クーハハハハハ!」


 ハッキリ聞き取れた訳では無かったが、金色の魔人が何かを間違えて赤と青の魔人がそれを注意している様だ。


 エマは思った。


――――人に似ているとはいえモンスターが言葉を話すとは驚きましたわ! それにはっきりとザトゥヴィロの名前を口にしてるではないですの! 副官、オーロ・ラン・ダハブでしたわね…… 余りにも分かり易いキンキラキンでは無くって? まあ、所詮はモンスター、捻り(ひねり)を入れる程の知性は持ち合わせていないという事かしら…… 哀れですわね


 考えながら近づいていったエマであったが、周りに張り巡らせた『浄化クリンリネス』の外輪(がいりん)が三体の魔人に触れた瞬間、バーミリオンの魔力バリアが消失した事を受け、少なくない驚きを浮かべながら一歩後退するのであった。


 入れ替わる様に飛び出して行くデビットは、左右の魔人には目もくれず、まっすぐにオーロ・ラン・ダハブ目掛けて盾を叩きつけた。


「ぐっ!」


 金色の魔人が苦しそうな声を漏らす。

 デビットのシールドバッシュが思いの(ほか)強烈だったからであろう。


 デビットが魔人を壁際まで押し込んだタイミングで赤い魔人にはマリアが、青い魔人にはイーサンがそれぞれ襲い掛かったのである。

 

 マリアは素早く赤い魔人の(ふところ)に入り込み、自分の倍は有ろうかという魔人の腹部に、両手による掌打(しょうだ)を叩き込んでいる。

 その後も全身のひねりを使った怒涛(どとう)のラッシュを魔人に打ち続け、(たま)らず距離を取ろうとした魔人を追い込み、追撃の飛び膝蹴りを顔面に減り込ませたのである。


「ぐっは!」


 赤い魔人は片膝をついて苦しそうな声を上げていた。

 顔面を血まみれにしながらも、一旦距離を取って構えるマリアを憎々しげに見つめる瞳は、まだ強い光を湛えたままである。


 一方、青い悪魔はイーサンのティザースローインに()ってビリビリと感電中であった。

 一撃一撃は僅か(わずか)な電撃であるが、数が揃えばたまった物では無い。


 今イーサンは少し前に覚えた新技、『分身スキア』を使用して六体に増えていたのである。

 両手から投げ込まれたティザースローインは十二本、青い悪魔の全身をカバーしてその動きを止める事に成功していた。


 金色の魔人もデビットの盾に押さえつけられて身動きできないまま大きな声で言うのであった。


「グハー! う、動けん、指一つ動かせないぞ! このままではあの聖剣ダグル・バリザに切られてしまうでは無いかぁ!」


 腹と顔を抑えて蹲って(うずくまって)いた赤魔人が慌てて言った。


「ば、馬鹿! 聖剣の名前を知ってちゃダメだろう!」


 痺れ(しびれ)続けている青魔人が狼狽え(うろたえ)た感じで続けた。


「あー、に、人間達の噂で聞いていたダグル・バリザですわね! あれで切られたらヤバいのですわぁ!」


 金魔人も続けた、何故か表情にホッとしたものを感じた。


「そうそう、人間達の噂で知っていただけなのだー! 本当に偶然知っていたのだー!」


 魔人たちのセリフにハテナ? となりながらもチャンスはチャンスである。

 エマはリーダーとしてこの好機を見逃さない様に隣にいたデニーに素早く指示を出した。


「デニー今ですわ! 持ち得る力の全てを使うのです! やっておしまいになって!」


 デニーは愛剣レジルを自分の横の地面に突き刺し、両腕を左右に広げて呟く。


「『破壊光線ルーインレイ』」


 デニーの全身から溢れ出した光がダンジョン最下層中を包み込む。

 暫くして光が収束した後、残っていたのはポカンと口を開けた多数の冒険者たちと、敵の首魁(しゅかい)の三体の魔人だけであった。


 まさかデニーが破壊光線を使用するとは思いもしなかったエマは、いち早くキックスの居た場所に目を向けたが、敵認定されていなかったらしいキックスは、他の冒険者同様ポカンと口を開けて呆けていた、良かった。


 不思議だったのは、デニー自身の話では魔石まで消滅するという事だったが、魔人の部下たちの魔石は消え去る事無く、ダンジョンの床に散らばっていた事である。


 金色の魔人の大声がダンジョンに響いた。


挿絵(By みてみん)


「あっぶねー! 何だよ今の光線? ムスペル軍団全滅じゃないか! おい、クルムズ、マーヴィ! ここは我に任せてお前たちは魔石を奪われない様に集めて来いよ! 魔石の状態でもう一発今のを喰らったら消滅しちまうぞ、そうなったらお前等叱られるぞ!」


「お、おう」


「そうですわね」


 謎の会話を交わした後、赤と青の魔人は今までの苦しみ方が嘘だったかのように平然と魔石集めを始めたのであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

ブクマ、評価を頂けましたら狂喜乱舞で作者が喜びます^^

感想、レビューもお待ちしております。


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