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4. 令嬢、逐電する ②

本日一回目の投稿です!

複数話投稿予定ですのでお付き合いいただければ嬉しく思います。

 アメリアとマリアの抱えたバケツの内容物が増え続ける中、無事に王都の南門、貴族用検閲所を通り抜けた普段より質素な馬車は無事街道の土の柔らかさによって落ち着きを取り戻したのであった。


 キャリッジの窓からバケツの中にたっぷり溜まった内容物を街道脇に捨てながらマリアが御者席にいるイーサンに聞く。


「そ、それで執事長様、これからどこに向かうのですか?」


 イーサンは答えて言う。


「そうですな? 真っ直ぐバーミリオンを目指して行くつもりで居りましたが、周辺の田舎町による必要など無いでしょう?」


「だな!」


 聞かれてもいないのに騎士デビットが軽い感じで答える。


 マリアはこちらも自分用と同じく内容物がたっぷりと入ったアメリア用のバケツを受け取りながら聞くのであった。


「お嬢様、直接向かうという事ですが…… それで宜しかったでしょうか?」


 大分楽になった感じのアメリアは少し思案してから返した。


「そうなると、次の目的地はナセラの街、ナセラ男爵領都ですわね、ええ、良いのでは無いかしら? でも、まっすぐ帰るとなると…… ナセラの後は…… タギルセ伯爵領都、シンシアのご実家ですわね…… 出来れば彼女に関わる場所には行きたいとは思わないのだけれど…… 仕方ありませんわね……」


 アメリアが難色を示すのも無理は無い。


 タギルセ伯爵令嬢のシンシアは王立学園の同級生で、事ある毎にアメリアに絡んでくる、非常に面倒臭い存在であったのだから。

 勿論、アメリア付きで少なからず、いいや馬鹿みたいに彼女に傾倒している同行者の三人が知らない訳が無いのであった。


 一番年長のイーサンの大人気無い発言が切欠であった。


「ああ、あのいつもお嬢様に対抗心剝き出しで敵対してくるバカ女の実家ですね! そりゃ通りたくないですね!」


 執事が言って良い台詞ではない。

 だというのに、マリアまで続けて言葉を放つのであった。


「私も、あのヒキガエルは大嫌いでございます! どうでしょうか、お嬢様! その汚らしい町に寄らずにバーミリオンに帰っても宜しいのでは無いでしょうか?」


「そうよね? でも、あまり遅くなる訳にもいかないでしょう? 大丈夫なのかしら?」


 アメリアもまんざらでは無いようである。 

 デビットが自信満々で答えた。


「お嬢様、だったらタギルセの隣町、ルンザを経由すれば良いですよ! あそこはダンジョンが発見されて出来たばかりの街ですが、一応貴族街も有るようだし、各種ギルドも揃い始めているようですぜ! 今夜はそこに泊まって先に進みましょうや! なあ? イーサンの旦那! 貴族街が有れば侯爵家の紋章で飲み食い宿泊は問題ないんだろう? そうしようぜ!」


 イーサンも馬の手綱を引いたままで頷きつつ答えた。


「なるほどな…… ルンザか、確かにあそこなら紋章提示で掛け買いも出来そうではあるが…… しかし、アメリア様! ()の町は未だ秩序形成(ちつじょけいせい)の途中段階と聞いております、下々の(やから)と接点も多いでしょう、それゆえの不愉快を感じる事もあるかも知れませぬぞ! そんな場所ですが…… 宜しいのですか?」


 アメリアはイーサンとつながる小窓から顔を突き出して答えるのであった。


「どこであろうとシンシアに関わる街よりは断然良いですわ、そのルンバに向かいましょう! と言うかこんな時でなければ庶民の生活や苦労を知る事も出来ないでしょう? 良い機会ですわ、ルンバに数日滞在しても良いかも知れませんわね! そうでなくって?」


「流石お嬢様です」


「仰せの通りです」


「そう来なくっちゃな!」


 イエスマンしかいない状況では、何事もアメリアの気分次第であった。


 ルンバでは無くルンザに向けて、分かれ道で手綱(たづな)手繰る(たぐる)イーサンであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)


まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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