表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/144

36. 令嬢、破産する ③

本日一回目の投稿です^^

 ストラスがエマに声を掛けた。


「負けちゃったな…… んまあ、博打(ばくち)の出る目は運しだいって言うからな、エマいちいち気にする事じゃあないだろう?」


「違いますわ!」


「え? 違うのか、エマ」


「ええ、ええ、ええ、そうでしょうとも! 今この瞬間、半の出る確率は二百五十パーセントに爆上がりしたのでございますわ!」


「に、二百五十パーセント……」


 ゴクリ


 ストラスだけでなく近くに座って博打を楽しんでいた男たちが一斉に喉を鳴らすのであった。

 一人の男、商人風の男性がエマに聞いた。


「な、なあお嬢さん、次に半に張れば確実に近い確率で勝てる、アンタはそう言い切るんだよな? それは、えっと本当に?」


 エマは答えた。


「ええ、確率的には間違いないのですわ!信じるか信じないかはあなた次第でしてよ!」


 近くに座っていた面々が一斉にざわっとなり、続けて声が響き始めるのである。


「半だっ!」


「俺も半! オッドに張るぞ!」


「半に全額! 悔いはない!」


「半!」 「半」 「半だ」 「半っ! 南無さん」


「半に全部!」 「半」 「半でっ!」


 皆がエマの賢さを理解してくれている様だった、エマは残ったチップ全ての横に虎の子の金貨二枚を並べて言うのであった。


「オッド! 私の全てを掛けましてよ!」


 ディーラーの兄ちゃんが言う。


「丁半出揃いました、勝負! …………ピンゾロの丁、イーブンです!」


…………


 エマの周囲から音が消えた。


 すってしまったのであろう、睨み付けながら賭場を後にする人々の攻撃するような悪意の視線を受けながら、一文無しになった筈のエマが呟いたのである。


「……うん、これで半のエナジーは三百パーセント…… 今度こそ!」




 ギルド併設の宿ではマリアがエントランスのソファーに座ったり立ち上がったりを繰り返し、落ち着かない様子で不安な表情を浮かべていた。 

 落ち着くからとマチルダが淹れてくれたお茶も、手が付けられないままですっかり冷めきってしまっている。


 ギルドから続く階段を駆け上がって来たデビットが彼女に声を掛ける。


「どうだ、マリア! お嬢様はお帰りになったか!」


 マリアが首を振って答えた。


「いいえ、まだ…… デビット…… そう聞くという事は、手掛かりは無いのですね」


 デビットが頷く姿を見てソファーに座り込み顔を手で覆うマリア。

 泣いているのだろうか、小刻みに震えるマリアの肩に手を置くデビット自身の籠手もカチャカチャと音を立てて震えていた。


 二人に向けてイーサンの嬉しそうな声が響いた。


「デビット、マリア! お嬢様がお帰りになったぞ!」


「「え!」」


 慌てて振り向いた二人が目にした光景は、満面の笑顔を浮かべたイーサンの後ろで肩を落として縮こまるエマと、気まずそうな顔で隣に立っている大男『剛腕(スティファーム)』のストラスの姿であった。


 すぐさま立ち上がってエマの元へ駆け寄り、強引に両手を掴んでマリアは言った。


「お嬢様、ご無事で良かったです! マリアはお嬢様が悪いヤツに攫われてしまったのでは無いかと…… グスッ! 万が一お嬢様の身に何かあったら、私、このルンザを血の海に変えていたかもしれませんわ! 良かったです、グスッ!」


 マリアの勢いと握力の強さに気圧されつつ、エマは返事をする。


「マリアの言う通り攫われましたの、でも、もう大丈夫ですわ」


 エマの言葉を聞いたマリアは、鋭い目つきで隣に立っていたストラスを睨み付けた。


「攫われた…… ストラス、貴方……」 ボキボキボキッ


 マリアが両拳の関節を激しく鳴らしながら詰め寄る。

 睨まれ凄まれたストラスは慌てて答える。


「ち、違う違う! 俺じゃねえぞ! 俺が会った時にはエマは一人で街の中を歩いていたんだ! そういやその時にも攫われたとか何とか言っていたな? エマ、どういう事なんだ?」


 エマが肩を落としたままボソボソと話し始める。


「馬たちを厩舎(きゅうしゃ)に預けた後攫われたのですわ、その後話を聞いて、仲間になって、魔石を売って、冒険者になる予定なのだけれど取り敢えず下働きをする事にして、あ、ああ、イーサンとマリアにその事でお願いしたい事があるのですけれど…… それでステハム様と会ったのです」


 イーサンが真顔で言った。


「ふむ、分かりませんね、エマ様、取り敢えずそこのテーブルに掛けてゆっくりと聞かせてくださいませんか?」


「え、ええ……」

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

ブクマ、評価を頂けましたら狂喜乱舞で作者が喜びます^^

感想、レビューもお待ちしております。


Copyright(C)2019-KEY-STU

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=145542530&s
小説家になろう 勝手にランキング




i98masbhane6fwhga2qik6bi8osg_git_xc_ir_assm.jpg
堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~ は↑からどうぞ



fw2razgu4upfkla8gpm8kotvd1hy_1365_xc_ir_92ne.jpg
にくい、あんちきしょう…… ~食パンダッシュから始まる運命の恋~ は↑からどうぞ



eitdl1qu6rl9dw0pdminguyym7no_l63_h3_7h_23ex.jpg
3人共同制作の現場 小説創作の日常を描いた四コマ漫画 は↑からどうぞ



jvan90b61gbv4l7x89nz3akjuj8_op1_1hc_u0_dhig.jpg
見つからない場所 初挑戦したホラー短編 は↑からどうぞ



異世界転生モノ 短編です
8agz2quq44jc8ccv720aga36ljo7_c1g_xc_ir_97jo.jpg
【挿絵あり】脇役だって主役です ~転生を繰り返したサブキャストは結末を知りたい~ は↑からどうぞ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ