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35. 令嬢、破産する ②

本日二回目の投稿です^^

 入念な打ち合わせをした後、取り敢えず金貨一枚分の大量のチップを持ったエマは、ストラスと並んで場に着くのであった。


「さあ、オッド無いか、銀貨三枚分、よし、オッド、残り銀貨一枚分だ」


 ストラスが小声で教えてくれる。


「ほらな、ああやって賭けが成立する様に客に声を掛けてるわけだ、どうするエマ、賭けるか? 」


「いいえ、もう少し様子を見させていただきましょう」


「? そうか、んじゃあ俺が賭けるぞ」


「よし、丁半出揃いました、勝負! ニロクの丁、イーブンです」


 オッドに張ったストラスは小さく舌打ちをしてからエマを見て言った。


「チッ、負けちまったか~、なあ、こんな感じだ、やってみろよエマ」


 エマは首を振って答えた。


「いいえ、今少し、もう少し見てみますわ」


「? そうか? まあ、いいけどよ」


 その後、(さい)が振られる事三回、その間エマは一切賭けようとしないまま、ストラスが都合四回賭けて二勝二敗、賭け額を上手に操作した結果僅か(わずか)ながら勝っている様であった。


「よしっ! これで今日の負けは無くなったな! にしてもエマ? お前は賭けないのか? 見ているだけじゃないか?」


 エマが答える前に、ディーラー、いいやツボ振り師のイレズミ塗れ(まみれ)の兄ちゃんが言うのであった。


「初心のお嬢さんがいるようだね、そんなに緊張してないで気楽に張って御覧なさいな、丁の出目は十二、半の出目は九個ですから、まずは気楽に丁へと張れば宜しいんでは無いですかい?」


 エマはストラスのアドバイス通り、刺青を見ない様に、そっぽを向きながらもちゃんと答える。


「いいえ、それは違いましてよ、貴方の仰っているのは二つのサイコロの出目に関するお話ですわよね? 今貴方が仰った理屈はこうですのよね、偶数足す偶数は偶数、奇数足す奇数も同様に偶数……

そして奇数足す偶数のみが奇数だと…… 巧い言い回しでしてよ、然し(しかし)ながらこの私、エマに対してその詭弁(きべん)は通用しないのですわ! 偶数足す奇数も考えれば確率は五十パーセントのまま、所謂(いわゆる)半々ですわよ! アナタの理論は間違っているのですわ!」


「っ!」


 ストラスがハテナを浮かべながら聞くのであった。


「ん? どう言う事だエマ?」


 エマは胸を張って言う、王立学園主席の言葉である。


「ステハム様、出る目の呼び方で誤魔化しているのでございますわ! 言葉を無視してしまえば三十六手の出目の内、オッドは十八、イーブンは十八で同じ確率でございますのよ♪ あの人は嘘を仰ったのでございますわ!」


「どういうことだ?」


 未だハテナを浮かべたままで、馬鹿の子みたいに同じ質問を繰り返すストラスにエマが答える。


「つまり、このギャンブルに()いて丁半の確率は一切変わらず半々という事でございますわ! つまり賭けている皆様の運次第という事ですのよ、あちらのディーラーの方が確率云々のお話をされましたでしょう? そう言うという事は丁方に掛けさせたい、そう言った思惑が透けて見えるのですわ! 私を新参者、いわゆるノービスと判断して言われたのですから()める気満々!

つまり次の出目は半、オッド一択ですわぁ!」


「き、奇数って事かエマ? それは確実なのか?」


 エマは胸を張り捲って言った、割かし大き目なプルンとした胸の揺れる様に意外に純情なストラスは目を逸らす。


「ええ、ええ、そうでしょうとも! ここまで四回続けて(イーブン)でしてよ! 出る目の確率的には五分五分、つまり四回分の半エナジーが溜まっている状態なのです! つまり次に半が来る確率的には二百パーセント、百パーセントで完璧な確率を有している状態の中で倍、二百パーセントのエナジーを持っているのですわ! 今こそ賭けるのです! 私が持つ全てを! 金貨一枚分、全てのチップを半に賭けるのですわぁ!」


 ストラスが言う、自分の手元にあったチップ、銀貨六枚分を半に張りながらである。


「半っ!」


「当然私も、オッド()ですわ!」


「丁半出揃いました、勝負! サンゾロの丁! イーブンです!」


 エマが素っ頓狂な声を出した。


「あ、あれれ、そんな馬鹿な……」

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

ブクマ、評価を頂けましたら狂喜乱舞で作者が喜びます^^

感想、レビューもお待ちしております。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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