22. 令嬢、散策する ④
本日一回目の投稿です^^
レッドとホワイトは最初に言った宣言通り、モンスターの肉を売却するべく、肉の買取所の扉を潜り、エマ達四人も素直にその後に従ったのである。
出迎えたのは肉付きの良い中年女性の明るい声であった。
「あらあら、今日も来てくれたのかい? レッドちゃんとホワイトちゃん! アンタ等のお陰で街の皆が喜んでいるんだよ、安いお肉が食べられるってねぇ!」
レッドがはにかんで答える。
「いやぁ、女将さん、申し訳ないんだけど今日は蛇ばっかりなんですよ! すみませんね、変な肉しか持ってこれなくてぇ」
レッドが袋の中から油紙に包んだ一抱えもある大きな肉を渡すと、女将さんと呼ばれた女性は素早く中を確認して言う。
「ヴァイパーの尾だね、うん、魔石の取り出し方も巧いもんだよ、この大きさなら銅貨三枚で買い取るよ、いいかい?」
頷くレッドの隣から、ホワイトが拳ほどの大きさの油紙を取り出して言った。
「へへ、実は今日はもう一つあるんだ、なんとウサギの肉だよ、アルミラージやジャッカロープじゃなく正真正銘のウサギの肉だよ」
ホワイトから渡された小さな包みを開いた女将は感心した声で返した。
「本当にウサギの肉じゃないかい! こんなのに遭遇したなんてアンタ等ついてたね! この大きさなら銀貨二枚で買い取るよ」
「「やったぜ」」
やり取りを見ていたエマが不思議そうな顔をして聞いた。
「何故ですの? 今の小さなお肉が銀貨二枚で先程の大きなお肉が銅貨三枚? ウサギのお肉とはそれ程貴重で高価なのかしら?」
「あら、この可愛らしいお嬢さんは?」
「申し遅れましたわ、私はお二人の徒弟でエマと申します、こちらは順にマリア、イーサン、デビット、同じくレッド様とホワイト様の弟子ですの、どうぞお見知りおきを」
「あらあらこの子たちのお弟子に、そうかね~アタシはグロリアだよ、よろしくね♪ もし狩りで肉を手に入れたら持っておいで、喜んで買い取るよ! それに解体方法なんか分からなかったら教えてあげるからね、いつでも言いな」
「まあ、ありがたいですわ! よろしくお願いいたします」
「そうかい、いつでもおいで! それで、肉の値段だったね、ウサギが高いんじゃなくてね、モンスターの肉が安いってのが正確な表現なんだよ」
エマは首を傾げて尋ねる。
「同じ意味ではありませんの?」
グロリアは笑顔で答える。
「まあね、でもこの町ではそんな言い方をするのさ! 言い伝えがあってね、昔どこからともなく現れた夫婦の旅人がいてね、今のギルドの辺りで食堂を開いたんだとさ、奥さんの方が皆にお腹一杯食べて貰いたいって言いだして、夫婦で狩り捲ったモンスターの肉をタダ同然で振舞ったんだってさ、
当時の貧しい人々は喜んで、他の街から移動してくる人々も増えたそうでね、元は村だったこのルンザが町になる切欠だったそうだよ、それで今でもこの辺りではモンスターの肉が安い、そう言われているね」
「まあ、素晴らしいお話だわ! 貧しい人々の為に採算度外視で…… 感動致しました! 私達もモンスターを狩って貢献いたしますわ!」
エマのやる気に満ちた言葉を聞いてグロリアも嬉しそうである。
マリアがグロリアに向けてオズオズと口を開いた。
「グロリアさん、解体の事ですけど私、お料理とか全然出来ないのですけど教えて頂きたいです……
お嬢様宜しいですか?」
「グロリア様が宜しいのでしたら、私は大歓迎ですけれど?」
「良いよ! じゃあ日中の暇なときにでも見学においで♪ マリアちゃんだったね、改めてアタシはグロリア、グロリア・レオニーだよ、よろしくね!」
「えっ! レオニー、ですか?」
「ああ、見た所アンタもレオニーなんじゃないかい? 力自慢だろう?」
「っ! ま、まあそうですけど…… 見て分かるのですか?」
「ははは、まあね♪」
凄い偶然がある物だ、エマは二度続いた偶然に心中で唸っていたのであった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU









