20. 令嬢、散策する ②
本日二回目の投稿です^^
嬉しさ満面の師匠達、レッドとホワイトに向けてエマが言う。
「何やらお祝いっぽい感じでございますが、お師匠様方? 中級モンスター? でございますか? それは一体何なのでしょうか? 特別な事なのですか?」
レッドはまだ嬉しそうな笑い顔のままで答える。
「エマ達は冒険者になりたてのアイアンランクだろ? 俺達は数か月頑張って依頼をこなして来た結果、一つ上のカッパーランクなんだけどさ、冒険者の醍醐味ダンジョンに入場する為にはも一つ上のシルバーランクに上がらなければ許可されないんだよ、な? ホワイト」
「ああ、それでシルバーランクに上がるには中級モンスターを一定数討伐して実力を示さなきゃならないんだけど、今日の二つを合わせたここまでの討伐数は二十体、ここで買い取って貰った魔石の種類と数は集計されてギルドに提供されているからね、これで晴れてシルバー冒険者、ダンジョンに入れるって訳なんだよ!」
喜んでいる二人の師匠の姿が嬉しかったのだろうエマが祝福の声を上げる。
「まあ、それは素晴らしい事でございますわ、徒弟エマ心よりご祝福いたします、お師匠様」
「「「おめでとうございます」」」
パチパチパチパチ
拍手をしていた四人であったが、中からイーサンがレッドとホワイトに聞くのであった。
「ところで魔石って魔物の体から出て来る物ですよね、買い取って貰えるって事は何かに使えるのでしょうか?」
この言葉に答えたのはホワイトがおやっさんと呼んでいた不愛想な買取カウンターの老人であった。
祝福ムードの中、一人その輪に入れなかったようだし多分疎外感でも感じてしまったのかもしれない。
「なんじゃ! そんな事も知らない者が冒険者になっているとは嘆かわしい事この上ないのぉ! 魔石の利用方法なら決まり切っておろうが! 様々な魔道具に入れる事で人々、魔力が少ない庶民の役に立つ生活道具を起動する為に使われて数百年、そんな事も知らないのかぁ?」
イーサンがシレっと答えた。
「はい、知りません! お教えいただけませんか?」
爺が言った。
「はあぁ~! 仕方ないのうぅ! んじゃ掻い摘んで教えてやるぞい! よく聞けよぉ!」
その後、爺が語った話は大体こんな感じである。
剣や盾、鎧や杖に魔石を素材に使う事は一般的である事。
それ以外でも、魔石を素材に使った魔道具が世界では、一般的で安価な便利アイテムとして、銅貨一枚ショップ的な販売店が最近増えて来て、認知され始めて来ている事などなど、デフレ一辺倒になって来ている世界に懸念を感じて止まない事などの私心も含めて、高齢にも係わらず一気に説明を終えた爺にアメリア、いいやエマは言うのであった。
「でも。王都や貴族街、そう言った場所ではそんな魔道具が流行っていたなんて聞いた事もございませんわよぉ? お爺さん、貴方の妄想では無くって? お疲れなのですね! そろそろお休みになっては如何でしょうか?」
爺は小娘のエマを馬鹿にしたように言うのである。
「ふっ! 馬鹿な娘だな…… あのな、王族や貴族って奴はそもそも魔力量が異常に多い奴らなんだよ! そんな街や都で魔石の価値なんて浸透している訳が無いだろう? 魔石をありがたがって使うのはもっぱら庶民、言う所の弱い民、持たざる者なんじゃよ、お嬢さん!アンタも裕福な家で育った口じゃろうて…… 魔石は赤いじゃろう? 一日の終わりに人々はこう言うんじゃよ、
ああ、買い集めた魔石がまた白くなってしまった、眠る前に今日残った魔力の全てをこの白い石に注いで少しでも赤く戻しておかなければ~、ってな?
どうだい? そんな景色を見た事も無いだろう? 恐らく御貴族様のお嬢様? だよなぁ、アンタ?」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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