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123. 令嬢、別離に咽び泣く ①

本日二回目の投稿です^^

 冒険者デビュー、魔王討伐、凱旋パレード、何よりデニー王太子とお互いの気持ちを確認し合ってから、瞬く間に二年の月日が過ぎ、エマは十七歳になっていた。


 この間エマの周囲では様々な変化が猛スピードで起こり続けていた。

 

 まず最初はデビットとマリアの結婚であった。

 伯爵となって領地持ちになったデビットが、バーミリオン家の中から選抜した家臣と、自らの配下だった騎士達を寄り子に引き上げ、彼らと共に領地である南方の再開発へと赴く事になったからである。


 元々、先の戦争で接収(せっしゅう)した土地という事も有り、王国内の諸都市との街道整備、農地の開拓、難民となっている旧住民の就農、これが王国がデビットの手腕に期待している内容であった。

 勿論、デビットの整地能力を加味した上であり、デニーから理由を聞いたエマも、なるほどと手を打ったものである。


 バーミリオン家中(かちゅう)や友人たちに祝福された二人は、意気揚々と開拓を待つ領地へと旅立って行った。

 マリアは両腕の力こぶを見せてエマを安心させるように笑って見せていた。


「じゃあエマ俺達も行くよ」


「ああ、行くか、エマ元気でね」


「お師匠様方もお気を付けてでしてよ、無事の帰還をお待ちしていますわ」


 レッドとホワイトの二人がデビットから騎士爵を受けて二人に帯同(たいどう)してくれる事はエマには安心できる材料であった。

 名前通りの紅白の鎧に身を包んだ二人は、馬に跨ると軽く手を上げて出発して行った。



 次の大きな変化はイーサンの身に起こった。


 デビットと同じく伯爵となったイーサンであったが、加領地はバーミリオン領、それも実兄であるトマスの領地に隣接していた為に、今まで通り任せっきりにして未だに執事のように日々を送っていた。

 身なりは家令に相応しい物に変わっていたが、相変わらずエマの横に立って静かに微笑んでいたのだ。


 そんな何気ない日常を変えたのはルンザの町周辺を襲った集中豪雨の報せだった。

 大きな被害が出たと聞いたエマは知己(ちき)の安否も判らず不安の中で日々を送っていた。


 一週間後にバーミリオン邸を訪ねて来たハンスからの報告は無慈悲な物であった。

 水害による被害はルンザの街では無く、隣接するアプリコット村で出てしまって居たのである。


 ハンスはその被害の状況、復興への見込みや支援の相談をする為に王都に来たのだと語った。

 ルンザの街、及びアプリコットの村は、正式に隣接したタギルセ伯爵家の持ち領に組み込まれたばかりであった。

 未だ代官すら派遣されていない状況で有った為に、顔見知りでもあるストラスに直接陳情に来たのだそうだ。


 話を具体的に聞いたストラスは大いに悲しみ、そして怒ったそうである。

 タギルセの家臣が自分に報告した内容よりも、被害が甚大だったからである。

 すぐさま自らがルンザに向かい復興の指揮を執ると約束したと言う。

 結婚したばかりのシンシアも行動を共にすると申し出たらしい。


 エマ自身もすぐにでも駆けつけたい衝動に駆られたが、それが叶う物かどうか…… 悩んでいると横からイーサンが言ったのである。


「お嬢様、ストラス様と一緒に私をルンザに行かせては貰えないでしょうか?」


「えっ!」


 小さく驚きの声を上げたエマに向けてイーサンは言ったのである。

 自分が行った所で何が出来るのか、それは分からない、と。

 しかし、今動かなければいけない! それだけははっきりと分かっているという事を……


 熱く語った後でイーサンは伺いを立てるようにエマに聞いたのである。


「それに、私が向かうのであればお嬢様の心の(おり)もいくばくかは流して頂けるのでは無いのでしょうか、腹心中の腹心、この私、イーサンが出向くのですから……」


「い、イーサン……」


「今はお嬢様、エマ様と王太子であるデニー、ダニエル殿下にとって大切な折衝(せっしょう)の真っただ中でございます…… この件は私、イーサンめにお任せ下さいませっ!」


 そう言って珍しく胸を張って見せた、幼い頃から近くで笑い合い、悲しみあった兄の如き存在は、数日後、もう一人の兄と慕った存在、ストラスと、今やハッキリと親友だと心から認識した友達、シンシアと共に王都から旅立って行ってしまったのである。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

ブクマ、評価を頂けましたら狂喜乱舞で作者が喜びます^^

感想、レビューもお待ちしております。


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