114. 令嬢、凱旋する ① (挿絵あり)
本日一回目の投稿です^^
ルンザに戻った一行は冒険者ギルドの通信網を使用して王都へ連絡を取ると、少なからず事情を把握している冒険者たちに対して念入りな緘口を言い含めて、隣領にあたるタギルセの街の領主邸へと居場所を移したのである。
シンシアの実家であるこの邸宅で王宮と連絡を取る方が容易だと判断したからである。
エマ達、ノブレスオブリージュの五人はここで王都から送られてきた記録官や内務省の役人たちへと事の顛末を説明した。
因みにエマ達以外にもルンザのギルドマスターガンズや、ダキア伯爵子息のストラス、ゴールド冒険者の『ビアンコ・エ・ロッソ』であるレッドとホワイト、それにクリス商会のクリス・ポンダーも事情を聴き取られたのだが、こちらはやや尋問に近い形となった様である。
エマとイーサン、デビットとマリアは兎も角、王太子であるデニーは先に王都に帰るのだろうと思われていたが、意外にもタギルセ伯爵家の迎賓館に留め置かれていたのであった。
勿論、到着直後に派遣された王太子付きのメイドや執事、フットマンや護衛騎士達に囲まれながらであったが、エマ達関係者とは自由に会う事も出来たので、何不自由ない時間をゆったりと過ごすことが出来ていた。
毎日のように面会に訪れるストラスやシンシア、クリス、レッドとホワイト達は、薄味を嫌った五人に濃い市井の味覚を届け続けてくれていた。
パトリックやトマス、スコットのバーミリオン家のメンバーも王都へと慌ただしく向かって行ったきり、今の所音沙汰は無い、入れ替わる様にタギルセの街にはデニーの時と同じく、エマの身の回りの世話をする顔馴染みのメンバーが到着したのであった。
基本的に紋章の色と同じく、黒と栗色、そして緑色が使用されているタギルセ伯爵邸の中には、鮮やかな朱色のアメリア付きのコーチマンやフットマンが立ち働くようになり、秋の野山のような華やぎが彩られていた。
タギルセの街に留まって一か月が過ぎた。
エマはルンザの人々やアプリコット村の皆の事が気に掛かっていたが、街を出る事は勿論、町中を散策する時にも王宮から派遣された騎士が数人付けられていて自由に歩き回る事も出来ずにいた。
代りと言っては何だが、ストラスとシンシア、クリスやレッドホワイトに加えて、ジャックとチャーリー、ハンスもこの町に呼ばれて、最近ではみんな揃ってデニーの暮らしている迎賓館を訪れて、日中の殆どを全員で過ごす事が日課となっていたのである。
「貴女がレディーバーミリオン、陽光の令嬢ですね! 噂通りお美しい…… デニーが貴女をお慕いするのも当然ですね!」
「ええっ! ど、どちら様でして?」
「おいっ! ロア! エマが驚いているじゃないか! 礼を失するなよ、まずは名乗るのが礼儀だろう! 全く!」
「ははは、確かに! デニーの言う通りだ! レディー・アメリア、レディー・シンシア、私はバイカウント・ファイアワークスです、ファイアワークス子爵家の当主にして、ダニエル王子の所謂ご学友と言うヤツです、どうぞお見知りおきを! 他の皆さんもどうぞよろしく、正式な名はクロード・コロル・ファイアワークスと言いますが、何ともつまらない名前でしょう? これから長いお付き合いになると思いますので、どうぞ、気楽にロア、そうお呼びくださいませ」
そう言いながら型通りの丁寧な礼をする男性はデニーより少し年上、二十歳そこそこだろうか?
大体ストラスと同じ位に見えた。
反して筋肉塗れのストラスとは違って、全身がほっそりとしている。
細身の体に度の強そうなモノクル、片眼鏡を付けて、クリスの物よりも薄い、白髪と見紛う銀の髪を背まで長く伸ばした姿は、分かり易い文官、法衣貴族のそれである。
面長の顔には、切れ長で長い伏せがちな睫毛で覆われた銀色の瞳が輝き、控えめだが大人っぽい印象を与える高い鼻と薄い唇が薄らと浮かべた笑みを引き立てていた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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