113. 令嬢、ばれる ③
本日三回目の投稿です^^
パトリックが大きな体を折り曲げて蹲り、頭を抱えながら言う。
「なんと、二か月も一緒に居て気が付いていなかったのか…… まあ、エマらしいと言えばそうなのだが…… こ、これは困った事になった、ぞ……」
父の漏らした苦悩の声に首を傾げて聞くエマである。
「困る? 何故ですの、お父様? デニーが王太子様だった事には心臓が口から出てしまう位驚きましたけれど、結果だけを見れば万事解決、とんとん拍子に収まったのではなくって? 素敵なダニエル王太子と美しいアメリア嬢は当初の約束通り、無事結ばれたとさ、めでたしめでたし、おしまい、では無くって? その上私達ラヴラヴでしてよ! もう最高! この世の春、なのですわ」
「そんなに簡単な事では無いんだが…… 良いか? お前と殿下の婚約は正式に解消されているんだぞ? 今この時も慰謝料について王宮と我が家の間で色々面倒な交渉が行われている最中でもあるのだ……」
難しい顔をする自身の兄に対して、慰めるようにエマの叔父、スコット・バーミリオン伯爵が言って聞かせる。
「まあまあ兄上、そこら辺の話は追々詰めて行けば宜しいでしょう、なにより今はエマとダニエル王子殿下の無事を喜ぶ事としませんか? 二人とイーサン、デビット、マリア、この五人の分別を褒め称えるべきですよ! 魔王との闘いなどと言う無謀に走らず、冷静に思い留まったんですよ? まだ若いと言うのに大した決断力です、なあ、君もそう思うだろう、トム」
トマスもイーサンの肩に手を乗せて誇らしげに言った。
「ああ、カティの言う通りだ、イーサン、お嬢様もダニエル殿下も、そしてデビットとマリアの二人も、良くはやる気持ちを抑えてくれたものだ、魔王の事は我らが王宮と軍務省に伝えて何とかするから安心して良い、なに、人類滅亡などさせはしない! 後は我々に任せて、今は早急に王子は王宮へ、皆はバーミリオンの屋敷へ戻ることです」
「まあ、叔父様もトマス様も勘違いしてらしてよ、魔王ザトゥヴィロでしたら私達『ノブレスオブリージュ』の手でやっつけてっしまったのですわ、副官の悪魔共と同じくシバキ倒してあげたのでしてよ♪ 少し物足りない位でしたわっ!!」
腰に手を当て胸を反り返して自慢げなエマと同じポーズをとるダニエル王子に、周囲の大人たちは口をパクパクと動かすだけで何も言えない様子だった。
ストラスがエマの顔を見つめながら唸るような声で聞く。
「おいエマ、本当かよ? ルンザで聞いたが、副官共ってキックスさんでも勝てなかった魔人だったんだろ? 加えてザトゥヴィロって…… 魔王まで倒しちまったってのかよ…… たった五人で…… それじゃ、まるで御伽噺の中の建国王、魔王退治の英雄王ルークみたいじゃないか……」
「えっへんっ! なのですわっ!」
「英雄王? てへへ、いやあぁ~、それほどでもぉ~?」
「「「えっへんっ!」」」
更にエビ反って自慢げなエマと、彼女を模倣するイーサン、デビット、マリアの三人、デニーは何やら照れているようだ。
この言葉を聞いて気を取り直したパトリックが、はっと何かに気が付いた表情を浮かべた後、ノブレスオブリージュのメンバー五人を確認する様に一人一人見つめてから聞いたのである。
「しょ、証拠は? 建国王の伝説では巨大な魔石を手に入れたと言う話だったが、そう言った証拠になる物は手に入ったのか?」
「はい、ご主人様!」
マリアは両手に巨大な魔石四個を抱き、パトリックに向けてニタアッと笑って見せた。
魔石を見たパトリックはすっくと立ちあがり、大きな声で宣言をするのであった。
「皆の者! 取り急ぎルンザに戻るぞ! そして王宮に連絡を入れて指示を仰がねばならん! 予言に有った魔王の復活、そしてその阻止が、建国王とそのパーティーの末裔の手によって成し遂げられたのだ! ブレイブニア、スカウト、レオニー、アイアンシールド、そしてバーミリオン…… 今、ここにいる我々は未来において長く語り継がれる事になるであろう伝説、物語の只中に置かれているのである! さあ、急いで出発しよう! 王太子殿下もご一緒に、エマも、行くぞ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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