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111. 令嬢、ばれる ①

本日一回目の投稿です^^

「あ、あの声は! お父様?」


 霧の外から聞こえてきた大声に、驚いた表情を浮かべたエマはデニーの胸から顔を離して呟いたのであった。


 デニーはエマの顔を見つめたつもりであったが、深い霧のせいでどこに視線を向けているのかは定かでは無かった。

 取り敢えずそこら辺を見ている気持ちでデニーは言う。


「エマのお父さん? 父君がいらっしゃっているのかい? ご、ご挨拶をしなければっ!」


「そ、そうですわね、ん? そうかしら? 取り敢えず行ってみましてよ」


 デニーの手を引いて霧の外に出たエマに父パトリックの声が掛かる。


「エマっ! お前も無事であったか…… あ、やはり、事実なのだな…… どういう事か説明して頂けますね、デンカ」


「あれ、なんで(けい)がここに? マーキス・バーミリオン? えっ! エマのお父さん? って、ま、まさかっ!」


 驚きの声を上げるデニーの横でエマは考えていた。


――――やはりデニーは王都の貴族の子息でしたのね、お父様の事を良く知っているようですわ、それにお父様の方もデニーに詳しそうでは無くって? デニーでは無くクリス同様デンカと呼んでいる事からデニクライネであると承知なのでしょうとも! ()しかしてかなり親しい家なのでは無くって? うひひひ、逐電した事で多少のお説教は覚悟するとして、結婚の方は思ったより簡単に受け入れてくれたりしちゃったりするのでは? うひひひ、ラッキーなのでしてよ!


 ガガッガガッ! ヒヒヒーン!


 エマが都合良い想像をしていると、二人乗りの騎馬が父や叔父、トマスから遅れてこの場に到着したのである。


「エマ! アメリアぁ!」


 そう叫んで馬から飛び降り、猛スピードで走って来た人物はエマに向かってそのまま飛びついて来た。


「し、シンシア? なぜ貴女までここにいらっしゃったの? い、一体?」


 飛びつかれたアメリアが足をよろめかせつつ聞いた質問にも答えずにシンシアはワンワン泣いているばかりである。

 シンシアと一緒に馬に乗って来た人物、ストラスが二人に向けて歩み寄りながら声を掛けた。


「あー、エマ思い留まってくれたんだな、良かったよ…… おい、シンシア、エマがよろけてるじゃないか! いったん離れてやれよ、なあ」


「ステハム? お兄様まで? 一体どうなってるんですの?」


 ストラスに肩を抱き寄せられたシンシアは漸く(ようやく)エマを離して口を開く。


「グスッ、エマ、貴女が恐ろしい魔王の所へ向かったと聞いて急いで止めに来たんですのよ、グスッ、間に合って良かったのですわ、それに慌ててストラスを処刑しなくて良かったのですわ…… 勘違いで未来の夫を嬲り(なぶり)殺しにするところでしたの、グスッ」


「な、な、ななな、嬲り殺し…… で、ですの?」


「ええ、危なかったのですわ!」


 物騒な言葉を放った後、栗色の瞳を大きく開いて笑顔を向ける学友は、瞬きもせずにエマを見つめてニタリと貴族らしい笑顔を向けるのであった。

 ゴクリ、エマの喉が大きな音を響かせるのと、学友の肩を抱いていたステハム、いいやストラスが声を発するのは同時であった。


「いやー、エマ、前に、ルンザを離れる時に言っただろう? 俺の許嫁(いいなずけ)の話、あの相手がこのシンシア、レディー・タギルセ、お前の友達、えっと、親友だったか? 彼女なんだよ」


「ま、まあ、なんですって! お兄様の婚約者が、よ、選りに選って、し、シンシアだったのですってぇっ!」


「でしてよ、エマ! 私達結婚いたしますのよ! ほら、ご覧になって下さいませ! 覚えているでしょう? この髪飾りぃ?」


 言いながらエマがストラスに贈ったバーミリオンの髪飾り、まだ幼くて仲が良かった頃にシンシアが自分の誕生日のプレゼントとして誂え(あつらえ)てくれた逸品を自慢気に見せつけて来るシンシアである。


 イラッ!


 何故だろうか、いつも冷静に関わる人たちやパーティーメンバーに接してきたはずのアメリア、エマが酷い対抗意識を感じてしまったのであった。

 たぶん、シンシアの幸せそうな笑顔が(かん)に障ったのではないだろうか……


 エマは周囲の大人たちが、なにやらぼそぼそ話している現状をガン無視してデニーの元へ向かうと、その腕を力強く抱いて、ストラスとイチャイチャしていたシンシアの前まで連れて行って大きな声と笑顔で言ったのであった。


「まあ、おめでとうですわ! シンシアと、えっと、スト? ステ? 何でしたっけか? お兄様でしたわよね? お祝い申し上げましてよ! シルビアとス、スチュアートでしったけ? 良かったですわね~! ところで私も結婚する事になりましたのよ? 共に最悪で災厄である恐怖の大魔王、かのザトゥヴィロを倒した、『いまや、伝説となった勇者』たる、デニー! このデニー様と『聖女』たる私、エマは愛の誓いを交わしたのでしてよぉ! どうですの? シンシア! 羨ましいのではなくってっ!」


 エマのムキになっている言葉に柔らかな笑顔を浮かべ、あまつさえ目尻に涙まで湛えて、嬉しそうに微笑んで返すシンシアである。


「まあ、エマ! 貴女も伴侶を見つけられたのですね! 素晴らしいわ! 見れば美しく逞しい偉丈夫(いじょうふ)では無いですか? 私も嬉しく思いましてよ! ええ、ええ、そうでしょうとも! ねえ、ストラス! 素晴らしい出来事では無くって? 私、親友と同時に幸せになってしまうんですのよ? ああ、最高ですわ! ところで、魔王討伐って何の事でしての?」


「あ? ああ、そうか? まあ、そうかな…… ところでエマ、スチュアートじゃなくてストラスな」

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

ブクマ、評価を頂けましたら狂喜乱舞で作者が喜びます^^

感想、レビューもお待ちしております。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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