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11. 令嬢、冒険者になる ④ (挿絵あり)

本日二回目の投稿です^^

 アメリアは胸を張って嬉しそうに答える。


「ええ、今日冒険者になって、明日から人々のために働きますの! 一日でも早くお師匠様達に近付くために――――」


 アメリアの言葉を遮ったのは、スキンヘッドの大男の声である。


「こいつらが師匠だと? こりゃ面白いなぁ? どうだみんなぁ! このお嬢ちゃんにとっては、このガキどもが先生に見えてるみたいじゃないかぁ?」


大男の声に周囲の冒険者達が笑い声で答えた。

恥ずかしそうに顔を俯かせる師匠たちの姿を見たアメリアは、大笑い中のスキンヘッドに向き直って堂々とした声で言う。


「貴方はどなたなのでしょうか? 私のお師匠様達を侮辱(ぶじょく)するのならば徒弟たる我々がお相手致しますが!」


 お師匠様であるレッドとホワイトが悲鳴のように言うのであった。


「ちょ、ちょっと、アメリアさん! この方はこの町で一番強い冒険者、『剛腕(スティフアーム)』のストラスさんですよぉぅ!」


「? あら、お師匠様のお知り合いですの、これは私としたことが、ご無礼いたしましたわ、ストラースのステハム様」


「ストラスな、ところでお嬢ちゃんよぉ、冒険者になりたいとか何とか聞こえたんだが? 悪い事は言わねえ、止めて置くんだな、見た所裕福そうな格好してんじゃねーか! 冒険者は諦めてお家に帰んな、尤も(もっとも)このレッドとホワイトみてーに薬草採り専門ってんなら止やしねーけどな! がははは」

挿絵(By みてみん)


「「「「はははは」」」」


 更に深く恥ずかし気に顔を伏せるレッドとホワイトの二人に周囲のならず者、いや冒険者たちの嘲笑が響く。


 アメリアは豪快な笑いを続けていたストラスに向けて、家名通り朱色のジューブと同色のローブを軽く持ち上げて丁寧な礼をしながら言った。


「見ず知らずの私達に親身なご忠告を下さるとは、皆様の思いやり溢れるご指導、感動ですわ! 仰る通り薬草採りから始める事といたします、では登録とやらをして参りますので、ごめんあそばせ」


 キョトンとしているストラスと荒くれ冒険者たちに深々と礼をするイーサンとマリアを背に受付カウンターに向かうアメリア。


 因み(ちなみ)にこの間デビットは壁際に直立したまま微動だにしないで成り行きを見守っていた。


 カウンターの前に腰を降ろしたアメリアは、後ろに立っていたイーサンに隣に座る様促してから、パピルスの登録用紙を見せながら言った。


「これに記入するように言われました、まずは私とイーサンが書きましょう、職業と名前は必須だそうですわ」


「はい、お嬢様…… ところで名前は如何致します? 家名から足が付く恐れもありませんか?」


 アメリアは答えた。


「流石ですわイーサン! 確かに本名を書くのは危険です、では私はバーミリオンとは書かずにファーストネームだけ、それもアメリアではなく、エマと記入して置く事としましょう! イーサン貴方も家名は書かない方が良いでしょう」


「はい、ではスカウト家とは関係ない感じで書いておきます」


 書き終えた二人は残った二人と席を入れ替わったのだが、心配性なアメリアは大きな声で注意を繰り返すのであった。


「マリアはレオニーとは書かないでね、デビットもアイアンシールドの姓は書いたら駄目ですからね! 本名を書いてしまってバーミリオン侯爵家との係りが知られてしまっては困りますわ! 宜しいかしら、気を付けるように!」


「「はいアメリアお嬢様」」


「エマ! アメリアではなくてエマでしてよ! 只のエマですわ! 宜しくて?」


「「はいエマお嬢様」」


 目の前に座った受付嬢は思っていた。


 ――――バーミリオン侯爵家のアメリアお嬢様が冒険者に? 何か理由がありそうだわね、何にしろギルド職員として口外する事は出来ないし、エマで登録しておけばいいわよね。


 少し離れて聞いていたレッドとホワイトは小声でやり取りを交わす。


「アメリアさんは貴族の娘なんだな…… どうしようか?」


「うーん、まあ頼られたら協力するとかで良いんじゃないの? お付きの人らもいる事だし」


「そうだな」


 更に離れた所で聞いていたストラスは訳知り顔で他の冒険者に言う。


「おい! なにやら事情があるのは聞いてたテメーラにも分かったよな? お嬢ちゃんの名前はエマだぞエマ! 間違っても貴族様のアメリア・バーミリオン侯爵令嬢なんかじゃあねーぞ!

俺達で庇って(かばって)やろうじゃねえか、じゃなきゃルンザの街の冒険者の名折れだぜ! なあテメーラ!」


「おう、分かったぜ! バーミリオンのアメリア様じゃねぇ、エマ様? エマお嬢様? 何て呼べば良いんだ?」


「ばっかそこはバーミリオンのエマ様とか、エマ侯爵令嬢様とかだろう?」


「お前こそ馬鹿だろ、それじゃバレバレじゃないか! エマとかエマちゃんで良いだろう?」


「いやいやバーミリオン侯爵様のお嬢様相手にちゃん付けは失礼だろう、流石に……」


「テメーラ! 同じ冒険者同士、エマでいいんだよ! エマで! 二度とバーミリオンやアメリアなんて呼ぶんじゃねえぞ! 分かったか?」


 ストラスの提案に冒険者たちは頷いて納得したようだ。


 なんにせよ、アメリア改め冒険者のエマは、周囲に自分がバーミリオン侯爵令嬢である事を隠すことに大成功したのであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

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