105. 令嬢、魔王討伐 ②
本日二回目の投稿です^^
勢い込んで丘を登って行ったエマ達は、辿り着いた廃墟を改めて見上げるのだった。
手前側の壁は半壊しながらも立ってはいるが、残る三面は崩落してしまっている様である。
建物と言うよりは壁と隣接した石の床と言った感じの場所に、不似合いな祭壇がとってつけたように設えられている。
壁の崩れた所から中をそっと覗き込んだエマの目に映ったのは上を向いて高鼾を掻いている赤と青の魔人の姿であった。
おかしい、エマは思った。
イーサンが言うには三人とも眠っていると言う話だった筈だが、金色の魔人、オーロ・ラン・ダハブの姿が見当たらないのだから当然の事だろう。
もっと奥にいるのだろうか、そう思ったエマが体を乗り出させた時、背後から声がしたのであった。
「お、なんだ、もう来たのか、早かったな、感心感心」
「っ!」
外に出て用でも足していたのか、キンキラキンの魔人オーロ・ラン・ダハブがエマの前を通り過ぎながら言葉を続けた。
「今、あいつらも起こすから、ちょっと待っててくれ」
固まっている五人、ノブレスオブリージュをそのままに、赤の魔人、クルムズと女性っぽい青の魔人、マーヴィに声を掛けて起こしているオーロ・ラン・ダハブ。
暫くするとエマに向けて声を掛けて来るのであった。
「おーい、聖女ぉ! 待たせたな、入って来て良いぞぉー!」
最終決戦と言うのはこんな感じのムードの中行われる物なのであろうか?
不思議に思うエマであったが、繰り返しになるがこれが初めての魔王討伐である、そう言う物だと思うしかなかった。
「行きますわよ、みんな!」
壁の影からバッと飛び出して祭壇を背に並んだ魔人達に向き合うノブレスオブリージュの五人。
中央に立つ金色の魔人、オーロ・ラン・ダハブの声が響いた。
「クハハハ、よくぞ来たな聖女とその仲間達よ、恐れて逃げ出すと思っていたが中々勇敢では無いか! それとも自殺願望でもあるのかな? くははは! どれ、ザトゥヴィロ様が復活されるまでの暇つぶしに殺してくれるとしようか? なあ、クルムズ?」
赤の魔人が続く。
「大方、彼我の実力差も判らぬ程度の知性しか持たぬのであろう、哀れなものだな、愚かなる人間共と言うヤツは…… そう思わぬか、マーヴィ」
青の魔人も笑顔を浮かべて言う。
「いいえ、これから起こる大虐殺を目にしたくないだけの臆病者たちでは無いかしら? ならば楽にして差し上げなくてはいけませんわ! 震えを止める為に、殺してあげましょう!」
――――あら、なんとなくそれっぽい感じになりましたわ! こういう物でしたのね…… ならばこちらも応えて見せましてよ!
覚悟を決めたエマはビッシィと人差し指をオーロ・ラン・ダハブに向けて胸を反り返して言ったのである。
「残念ながら大人しく死んで差し上げる気はこれっポッチもございませんことでしてよ! 確かにあなた達は格別の魔人、その事は重々承知していますわ…… だけれど、私達はただでは死には致しませんわ! 人類の為にその腕一本だけでも、いいえ指一本だとしても死出の旅路の道連れに奪って見せましてよ! そしてその身で覚えれば宜しくってよ、人間は侮れない、その事を思い知れば良いのでしてよ!」
金色の魔人であり、魔王ザトゥヴィロの副官であるオーロ・ラン・ダハブはニヤリと笑って言った。
「大した自信だな、この一月はさぞ充実していたと見える、くふふふ、良かろう、見せてみるが良い! 貴様らの成長した姿、戦い方を!」
「行きますわよ皆! いつもの訓練通り力の限りを尽くすのですわ!」
「「「「応!」」」」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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