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ラーメンを食べながら家族紹介

「おっ、帰ってきたな、妖怪チチノマセロ!」

「ななっ、何を言っているんですか父上!」


妖怪チチノマセロはカゲマルへのちょっとした悪口で俺がカゲマルにつけたあだ名だ。最初は意味を知らずに名前を貰ったことを喜んでいたが、意味を知ってからは難しい顔をするようになった。


「それよりもカゲマル、ヤバいことになった。」

「な、何でしょう、父上?」

「この世界にラーメン屋がないことだ」

「それは、ヤバい事なのでしょうか?、それにラーメン屋が無くとも、ラーメンに似たような物があったり、ラーメンと同じくらい美味しい物もあると思いますが?」

「ラーメン屋のラーメンじゃないとダメなんだ」

「別に、ラーメン屋でなくとも美味しいラーメンは作れると思いますが」


まだ分かってないなぁ、カゲマルに分かりやすく説明するか。


「なぁ、カゲマル、この世界にオッパイが無かったら、どう思う?」

「なぬにぃぃぃ、オッパイが無い世界など滅んでしまえばいいんです。ハァハァ」

「じゃぁ、オッパイはあるけど、女性、つまり女の子の居ない世界だったら、どうする?」

「女性とオッパイは絶対に切り離してはいけないもの、女性の居ない世界など必要ありません!」

「そういう事だ、つまり、女性のオッパイはラーメン屋のラーメンなんだ、解かってくれ、カゲマル!」

「なるほどぉぅ、分かりました、父上、つまりラーメン屋のラーメンを探すなり、作るなりしなければならないという事ですか?」

「そういう事だ!」


とにかくカゲマルは納得した様だし、クリエイトルームにラーメン屋台セットが届いてるはずなので、行く途中にスライムのジョシュの存在をカゲマルに明かした。


「それじゃ、ラーメン屋台セットがクリエイトルームに届いてるはずだから見に行こう、あぁ、そういえばちゃんと挨拶してなかったな、この子はスライムのジョシュ、カゲマル、お前の妹みたいな存在だ!、仲良くしてよね。」

(わたくし)の妹!、、い、いい、もうとぉ~、ほ、」

「カゲマル様、私の名前はジョシュと言います。よろしくお願いいたします。」

「何という、可愛らしさ、ああ、」

「は、恥ずかしいです、カゲマル様」


ジョシュはカゲマルに抱き付かれて恥ずかしそうにプルプルしている。どこでおぼえたのか顔がピンク色に頬は真っ赤になった。そしてカゲマルの腕から抜け出してカゲマルの肩に乗り、顔に抱き付いている。


「ジョシュ、(わたくし)の事は兄様(にいさま)と呼んで下さい。」

兄様(にいさま)

「あぁ、もう一度お願いします。」

兄様(にいさま)、カゲマル兄様(にいさま)

「もういいだろう、カゲマル、まったくぅ、ジョシュも嫌な事ならハッキリ言わないとダメ!」


嬉しいのは判らんでも無いが、調子に乗りすぎだ!、俺はクリエイトルームの扉を開く。


「これがラーメン屋台セットか!」

「ムッ、これは人力車では?」

「ラーメン屋台には、見えませんね」


確かに人力車にしか見えないがラーメン屋台セットだ。調べて見ると人力車の側面のレバーに付いてるボタンを押しながら引っ張るとラーメン屋台が出来ていた。アコーディオンを拡げた時や、閉じたカーテンを開いた時と言えば分かりやすいかもしれない。


「とにかくラーメンを作ろう一人ずつ、俺、カゲマル、ジョシュの順番で作るぞ!」

「はーい」

「はい」


まず俺が味噌ラーメンを作った。みんなが作り終えるまで我慢だ。カゲマルは豚骨ラーメンを作る。そしてジョシュは醤油チャーシュー麵を作った。ジョシュは肉食系女子だな。そして、みんなで一緒にラーメンを食べる。


「今日は特別にみんなで一緒にいただきますって、言おうか?普段は言わなくていいぞ、それじゃ、みんなで、ハイッ!いただきま~す」

「いただきま~す」

「いただきます」


久しぶりの食事だ。神々の体は食事をとらなくても生きていける、神々の体はそういう性質になる。勝手に体が回復するので食事は必要ないが、喉が渇いたりはする。


「美味しいか?」

「うまいです、父上、(わたくし)、カッパ母様(かあさま)にラーメンを作らされた時は、大変だった思い出しかありませんから。」

「私は初めての食事です。もっと色々な美味しい物を食べてみたいですぅ、ご主人様」


初めて食事!?、あぁそうだ、またやっちまったな。そう自分にとってはありふれた食事でもカゲマルや特にスライムのジョシュにとっては珍しい事で新鮮なものなんだって事を、はぁ~親失格だな、ダメな親を知らないうちに演じてた訳だ。


「みんなぁ、ごめんねぇ、うう」

「ど、どうしました、父上、泣かないで下さい。」

「ご主人様、泣いちゃダメですよぅ~」


やめてぇええ~!、泣くなって言わないでぇ~、泣くなって言われると泣いちゃうタイプだからぁ~、その言葉クリティカルヒットだからぁ~、はぁ~、それにしても(うち)の子は優しいなぁ~。


「そもそも、どうしてラーメンを作る事なったんですか?」


ジョシュが話を切り替えようと話かけてきた。自分のせいで泣いてしまったのかと、気にかけているのだろう。


「それには、カッパの話をしなきゃならないんだけど、それよりもジョシュにはいろいろ知って欲しい事がある。家族・・・だからな」

「はい、ご主人様」

「まずは、いつかジョシュも会うことになるだろう。俺の家族を知って欲しい。まずは俺の父親、エルダードワーフのゴドウィン」


俺はジョシュに父親の話をした。スライムマスターで伝説のヒーロー、銃を持った侵略者を完全無双でぶちのめした。銃があれば何でも出来ると思っていた奴らに、銃の効かない者がいるなど思って無かったのだろう。百億人以上殺した男、それが俺の父親だ。

なお本人に、どうすればそんなに殺せるのか?と聞いたら、向こうからやって来るんだから仕方が無い。自分は守って居ただけだ。という事で、どうにか殺せないか頑張ったら死んでった。馬鹿な侵略者だ。


「そして俺の母親、ヴァンパイアのイーモリ」


俺は次に母親の話をした。自分が住んでいる本拠地でこことは違う世界にある。その世界の征服者だ。でも他にも何かやってるらしいが俺には教えてくれない。父親のゴドウィンと戦い、お互いボロボロになって、夫婦になった。毎日、ネットゲームばかりしているダメな母親だ。


「そして俺の親友、カゲマルの母親、妖怪のカッパ」


俺は次に親友のカッパの話をした。自分を此処とは違う異世界に連れてきたのがカッパだ。特に魔法化学に詳しく、驚くほど速く物を造る事ができる。そして、ラーメンが大好き。


「ジョシュ、カッパのラーメン好きは異常なんだ!」

「どのように、変わっているのですか?」

「ラーメンがその世界を滅ぼしてしまうくらいのラーメン好きなんだ!」

「えぇ、そんな人いるのですか?」

「いるんだ、自分を貶されても問題ないが、ラーメンを貶されたら圧倒的な力で制裁を下す。一応言っておくがカッパという種族と俺の友達のカッパは別物だからな。名前がカッパで種族もカッパだけど」

「カゲマル兄様(にいさま)のお(かあ)さまという事ですが、よく解らないのですが?」


あぁ、その事か、確かに複雑だが話さなければならないな。


「ジョシュ、俺は此処とは違う世界で殺されたことがあるんだ!」

「は、はい、えっ」

「その時、俺を再生させる為、カゲマルの血を使ったんだ。カゲマルは俺の血を使った召喚魔法で生まれているからね。そして父親と母親の血も使って、何とか俺は体を再生させることが出来た。」


俺の血はカゲマルと父親と母親の血で出来ている。


「だけど、今度はカゲマルが体を維持できず消えてしまう可能性が出て来た。そこで名乗りを上げたのがカッパだった。今のカゲマルはカッパと俺の父親のゴドウィン、そして俺の母親のイーモリの血を使って体を再生したんだ。だから、カッパはカゲマルの母親ということだ。」


とにかく良く解らなくとも別に良いが、血の繋がりはちゃんとあるんだって事を知って貰えれば良いかな。


「今まではカッパは俺の親友であり女友達だったが、この世界では俺は男になっている。俺とカッパはこの世界では夫婦になる。とにかくラーメンを食わせておけば何も文句を言わない良い嫁になるんだから、ラーメンは必要なんだ。」



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