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トンネルを掘る

カゲマルがレオン君を家族の元へと送り届けるのを、見送った後、これからどうするか?考えていた。そんな時、スライムのジョシュから声を掛けられる。


「ご主人様、コレを買ってくださいませ。」


スライムのジョシュが買って欲しいと言うのを見てみると


トンネルン

トンネル作成キット スライム専用 

坑道 歩道 水道 風道 など簡単に作れます。

いまならオマケも付いてお得です!


「凄いな、スライム専用なんてあるんだねぇ、よくこんな物作るなぁ、変わった会社だなぁ」

「オウルズという会社です。ご主人様」

「へぇ~、オウルズって・・・(うち)やん、パパ何してるの」


俺は直ぐに[トンネルン]を買って取り寄せた。この世界に来て最初にカゲマルに起こされた部屋の扉を開ける。そこにはベビーカーに扇風機が付いた物があった。いや、そうではないんだが、そう見えるものがそこにはあった。


「それじゃ、ジョシュ、早速乗って動かしてみてくれ。」

「はい、ご主人様、一緒にお外へ」

「あ、外じゃないとあぶないかぁ。ごめんごめん。」


外へ出ると[トンネルン]の取扱説明書を見てみる。ん~っと、まず球体ドローンのスィッチポチっと押した。ドローンは空高く舞い上がりそのまま帰って来なかった。


「あれれ、もしかして俺、やらかしたかも!」

「帰って来ないのは、正しい仕様のようです、ご主人様。」


なんだもぅ、びっくりしたでしょうがぁ~。まったくぅ。そして[トンネルン]に付いてるモニターを見てみると、この周辺の地図がでており、赤い逆三角形の目印が自分達の居る場所だと思う。

南に海があるが汚れや悪臭がする。汚水処理場は周りを山や城壁に囲まれているが、その山を越えた北東がバリスカの街の中心部にのようだ。西の山を越えた先に海があるようなので、海に向かってトンネルを掘ろう。


「ヨシッ、ジョシュ、此処から西へ海が見えるところまで、こんなかんじでっと、トンネルを掘ってくれ」


自分達の基地は汚水処理場の西の山にめり込む形でその中にクリエイトルームとそれに繋がる形でキャンピングカーの中の様な基地がある。カゲマルは西の山伝いに街に行ったのだろう。


「うおっ、凄いな、これは」

「ご主人様、危険ですので、あまり動かないでくださいませ。」


それは複雑な紋章の様な光が回転し動きが止まった瞬間、強烈な光と霧が出てよく見えなくなった。霧が晴れてよく見えるようになるとそこにはトンネルが出来ていた。中を見てみるとオレンジ色の光がぼんやりみえる。


「ご主人様、もう少し時間がかかります、此処は私に任せてくださいませ。」


どうやら、まだトンネルの中は熱があるようで、冷ますまで待つことにした。南の海は汚染されている。汚水処理場の西の山は縦に細長く、此処から西の海までは距離が近い、バリスカの街の中心部はおろか西バリスカよりも近い。糞食い村よりも西の山を越えた海のほうが近くなる。トンネルが出来ればの話だが。


「ご主人様、準備が整いました。海の方に行ってみましょう。」


[トンネルン]のベビーカーのような部分の後ろからスケートボードのような足場が出てきて、それに乗った。そして[トンネルン]につかまってトンネルの中を立ちながら移動する。運転はジョシュがしてくれるので、楽でいい。[トンネルン]から一定のリズムで光と音がしてトンネルの中に光が広がる。その光はトンネルの中の発光器に灯火して灯光、光はずっと維持されたままである。


「へぇ~、凄いなぁ、光はずっと点いたままなんだね。」

「はい、ご主人様、これで発電所ができました。!」

「えっ、発電所?」

「はい、ご主人様、このトンネルの壁は蓄電システムになっております。」


ジョシュに詳しく訊いてみたところ、灯光を維持する電力はごく僅かで、蓄電する電力は大量という事で、小規模な発電所の様な感じになっているらしい。というか、やばくない、コレ!、永久機関じゃないですか?コレ!こんな簡単に作れちゃっていいの?コレ


「もしかして、これがオマケなのか?」

「いいえ、違います。この機能はオマケではございません。それよりもご主人様、もうすぐトンネルを抜けます。」


トンネルを抜けると透き通った青い海が広がっていた。そして今、目の前にあるのは百メートル幅のこじんまりとした、プライベートビーチだ。ジョシュはこちら側の出口の辺りを念入りに開発している。トンネルの排水などはこのプライベートビーチの方に流れてくるのでその辺が気になるようだ。

そしてオマケというのは、トランプのカードみたいな物が十枚入っていた。片手に手を持ってちょっと親指に力を籠める。すると天使の輪っかみたいな光がカードの上に表れて、スイッチオンもしくはオフ。オフの場合天使の輪っかが消える。で、これが何か簡単に説明するならスマホである。


「あ~、もしもしジョシュ聞こえるぅ~」

「ハーイ、ちゃんと聞こえますよ~、ご主人様」


早速、天使のカードを試してみた。よしよし、ちゃんと通話できるな!この天使のカードは[トンネルン]に近ければ近いほど性能が良くなるらしい。要するに[トンネルン]が親機というわけだ、親機が壊れれば天使のカードも使えなくなる。ずる賢い商売するなぁ、考えたのはどんな奴だ!。いや、(うち)のパパなんだけどね・・・。


「ジョシュ、カゲマルに残りを全部渡してもいいのかい?」

「はい、全部渡してください。ご主人様」


今、話しているのは天使のカードの事だ、ちょっと意地悪をしてみる。


「ジョシュ、カゲマルはレオン君に渡さないかもしれないよ~」

「大丈夫です、カゲマルさんは必ずレオン君にカードを渡してくれます。それよりもご主人様、もうすぐ終わるので、通話を切りますね。」(プッ)


あ、切られちゃった。あっれぇ~、ずいぶんカゲマルを信頼しているんだなぁ。そうこうしているうちにジョシュが、プライベートビーチを見ている俺の隣に来て、海を見ている。


「どうだ、綺麗だろう。」

「はい、ご主人様」

「カゲマルは、今、何をやっているんだろうなぁ」

「カゲマル様ですか?、今はお乳を飲んでいます、ご主人様」

「ほぉ、お乳?・・・」

「カゲマル様はオッパイに無我夢中になっています、ご主人様」

「あ、そうか分体か、レオン君の瞳ごしに・・・いや分かった、分かったから皆まで言わなくていい」

「はい」


始まったかぁ~あのドスケベ!本当にオッパイが大好きなんだなぁ~もぉぅ~。一体、誰に似たんだ血の濃さでいえば、カッパだが・・・。

あああ間違いないカッパだ!何かに似てるなと考えたらカッパのラーメン好きだ!カッパのラーメン好きとカゲマルのオッパイ好き・・・間違いなく親子だ!そしてやばい事思い出した。


「ジョシュ、ラーメンは作れるか?」

「え、作ったことがないので、作れません」


ですよね~昨日生まれたばっかだもんな~


「今すぐ、ベースに帰ろう。ジョシュはラーメンを作れるようになりなさい」

「は、はい」


その後は、急いで基地に戻ってきた。ラーメン屋がこの世界にあるとは思えない。やはり、自分達で作るしかない。そう考えて、ジョシュにラーメンを作る調理器具を探してもらっている。


「ご主人様、コレがいいと思います。」


ジョシュが自分に合ったラーメンの調理器具を見つけた様だ。


ラーメン屋台セット

これ一台でラーメンが簡単に出来る

スライムでもラーメンが作れちゃう~

今ならミニファクトリーもオマケで付いてくる!


「スライムでも簡単にラーメンが作れるのか!凄いの見つけたなぁ、どんな会社なんだ?」

「はい、オウルズという会社です。ご主人様」

(うち)やん、パパ何してるの?もぉぅー、いやパパじゃないな、カッパだ!、カッパの仕業だ!。」


とりあえずラーメン屋台セットを注文した。そしてカゲマルが帰ってきた。



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