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聖者と聖獣と迷宮の関係

ラーメン屋の営業の許可を貰った後は、アレクサンドルとラーメン屋の営業について具体的な話をする。[石焼亭]がピザ屋だっただけに、小麦の種類に詳しく麺の製造に興味を持ってる社員が何名かいるらしいし、小麦の確保についても問題は無さそうだが、麺の食感に関しては、不安があるので、冒険者ギルドで依頼を出せば、錬金術師ギルドに所属している人とかが、依頼を受けてくれるのでは?という可能性に賭けて、依頼を出すことにした。


「なぁ、マルス、今更こんな事はあまり言いたくないが、動物はマズいだろ!」


そう言って、アレクサンドルはナラコを見つめる。


「いいだろ、ナラコは神獣だし、普通の人間なんかより、よっぽど大人だし、清潔だし、頭もいいし、何より喋れるもんな!」

「そうなのか?」

「こんにちは、アレクサンドルさん、お菓子ちょうだい!」

「ウワァゥオォォ、しゃべったぁぁぁぁ!素晴らしい、素晴らしすぎるぅぅぅ!」


アレクサンドルは、最初のイメージから、随分変わってしまったなぁ。ナラコに懐いて、ナラコ命になってしまいそうな雰囲気だ。とにかく次の計画を進めよう。


「なぁ、アレクサンドル、俺達は冒険者ギルド、バリスカ中央に行こうと思ってるんだが」

「あぁ、あれだな!、梯術師(ていじゅつし)のことだな、俺も冒険者ギルドに色々と用がある、その他にも色々な書類をまとめなくちゃならないから、ちょっと時間がかかると思う、馬車を用意するから、少し休憩していてくれ」


アレクサンドルがその場を離れようとした時、モクレンが、アレクサンドルに話しかける。


「ねぇ、アレクサンドルさん、ナラコの事、ちょっと頼んでいいかしら、アレクサンドルさんのお傍に居るだけなので、迷惑はかけませんから」

「えぇぇ、いいんですか、神様!」

「えぇ、いいんです、さぁ、ナラコ、行ってらっしゃい、たぶんお菓子をイッパイ貰えると思うわよ」

「わぁぁぁぁい、行ってきまぁぁす!」


ナラコは、アレクサンドルと一緒に一階へと降りて行った。しばらく時間がかかるだろう、何か話す事はないか?と考えていたら、そういや白金貨(はっきんか)を見た事ないなぁと思いモクレンに頼んでみた。


「なぁ、モクレン、実はこの世界に来て、白金貨(はっきんか)をまともに見た事が無いんだ、さっきパインガスさんから貰ってたろ、ちょっと見せて貰っていいかな?」

「いいですよ、はい、これです」

「これが、白金貨(はっきんか)かぁ、ふぅぅん・・あれ、手に・埋まって・あっ、消えた?あれ、無い!消えてるぅ?」


なんと、白金貨(はっきんか)が俺の手のひらに埋まり、そして、消えてしまった。みんなが唖然とする中、レオン君が話す。


「それは、マルスさんの体の中に、吸収されたのだと思いますよ、左手に持ってましたし」

「えっ、白金貨(はっきんか)は?、もう戻ってこないの?」

「マルスさん、右手の指に白金貨(はっきんか)を一枚、自分の体の中から取り出す想像をしてください」

「あぁ、あれか、んんぬ、でたあぁー、白金貨(はっきんか)でてきた、ああ、よかったぁあぁー!」


びっくりさせないでよねホントに・・・、で、なんで、こんな事になったのか、レオン君に聞いてみたら、俺の体が強制アイテムブックス化してたらしい、左手で持ってたから吸収してしまったとの事、なんでも、白金貨と半白金貨はそういう事が出来るらしい。


「俺の体の中に吸収って事だが、この体のどこに吸収されたんだ?」

「フム、父上、それはこの世界の人々にある、もう一つの心臓に吸収されているのです」

「なにぃ、もう一つの心臓、心臓が二つあるのか?」

「あるんです!、父上も心臓が二つ付いてますよ」


しらなかった、そんなの・・・、今の俺、心臓が二つあったのか・・。カゲマルの説明に啞然とする、聞けば、人の右脳と左脳が繋がっているのと似ていて、二つが一つに繋がる形で、その中心に魔石があるらしい。

体の臓器は地球人と比べコンパクトで、それを補う様に毛細血管が張り巡らされている。カゲマルが得意げに話す、「父上、人の頭を電球だと思ってください、地球人はトーマス・エジソン、この世界の人は二コラ・テスラなんですよ!」(キリッ)と言うが、よく解らないので、放っておいた。とりあえず、モクレンに返そう、この白金貨(はっきんか)


「あぁ~、びっくりした、どうしてこうなってるの?、怖いから返しとくわぁ、はい、モクレンありがと」

「うぅ、ん、マルス様、私には使えないのかしら・・、その不思議な力?」

「プギギャギャギャァ、モクレンには使えないんですか~、(わたくし)は使えますけどぉ~」(ニタァ)

「カゲマル!、樹液飲みなさいよぉ、アンタは出来るのよねぇ~、その不思議な力を、ちょっと体の仕組みを調べさせて貰うわぁ、じっとしてなさい」

「えぇ、樹液ぃ、イヤですよぅ」

「イイからこれ飲んで、ちょっとチクッとするわよ」


そう言ってモクレンは樹液の入った瓢箪(ひょうたん)を渡して、カゲマルに飲ませた後、カゲマルの首の後ろに手を当ててカゲマルの体を探っているようだ。カゲマルは少し苦しそうな顔をして我慢している。そしてモクレンは左手に白金貨(はっきんか)を掴んで手を開いた後叫んだ。


「私にも出来たわ!、ありがとう、カゲマル」

「別にいいですけど、その代わり、植物系の魔人の人達がいるんですが、この大地にガイアが居ない事で、本来の体を保つ事が出来なくなっているんです、モクレンの力で治してあげてください。」

「分かったわ、でも、私でも治せないかもしれないわよ」

「大丈夫です、モクレンなら、きっと治せますよ」


とにかく、どうしてこうなったのか、レオン君に聞いてみると、白金貨と半白金貨は自分の体に、吸収したり、出したいときに出せる様になってるらしい。貨幣ギルドというのがあるらしく、白金貨と半白金貨は貨幣価値が高いので、落としたり、無くしたりしない様に、貨幣ギルドで魔法道具化させているらしい、しかも白金貨と半白金貨は一つの街でしか作られないと云う。俺はその街の名を聞いた。


「その街の名前ですか?、たしか・・聖地・・聖地ベグドフォンです!」


聞けば、[ベグドフォン]という街は、この世界の中心にあるらしい。そして国家であり大陸の名前だという、街と云うには大き過ぎるが街の名と国家と大陸の名前が同じだから紛らわしい、その国家で作られた白金貨と半白金貨のみ、この世界の貨幣として認められるのだという。

この世界は中央部に大きな内海があり、その[ベグドフォン]という大陸は、大きな内海の中央にあるという事で、通行関税と両替商で国が保っていける程、豊かな国らしい。


「しかし、どうやって通行関税と両替商だけで、国がやっていけるのかなぁ?」

「[ベグドフォン]と両替商の取引をすることで、[ベグドフォン]大陸に四つの港と港周辺の土地が与えられるそうです、ほとんどの国が東西南北に一つずつ港を持ちます、その港と港を陸上で移動する際に通行関税を取るんです」


なるほど、船の移動より陸上で移動させることで、金も取れるし、両替商の取引させる事で、白金貨と半白金貨の生産を独占することが可能になる訳か。


「しかし、そんな豊かな国を支配しようと、[ベグドフォン]を侵略した国とか無かったのかい?」

「ありましたが、必ず侵略しようとした国は滅んでいます」

「なぜ、滅んだの?、レオン君は知ってるの?」

「えぇ、聖獣によって、必ず滅ぼされます」

「聖獣、聖獣ってどんな奴なの?」

「聖獣を説明するには、まず、聖者と聖獣と迷宮の関係を知って貰わなければならないんですが・・・」


なんか、話がややこしくなってないか、コレ・・・、聖者やら、聖獣やら、そして迷宮?、う~ん分からん、とりあえず聖者から聞いてみるか。


「それじゃ、まず、聖者って何?」

「聖者はアイテムブックスと同じ事が出来る人の事です、この世界での大量の貨幣の移動はアイテムブックスか聖者の体の中に入れて移動させるんです。」


へぇ~、アイテムブックス化した人か?、それが、聖獣やら迷宮と、どう繋がりがあるんだろう、次は聖獣について聞いてみよう。


「じゃあ、次は聖獣って何?」

「聖者が殺されるか、何らかの理由で亡くなった時、体の中に魔石が残るんです、その魔石は防衛機能を持っていて、無理やり魔石からアイテムや金貨などの財宝を取り出そうとすると、暴走して魔石から聖者が聖獣になって蘇ります。」


聖獣の元は聖者って事か、聖者と聖獣の関係は分かったが、ここにどう迷宮が繋がって来るのか?、最後に迷宮について聞いてみるか。


「最後に、迷宮って何?」

「聖獣は聖者が呪われた状態なんです、その呪いを脱ぎ捨てる様に、聖獣は脱皮します」

「脱皮?」

「そう脱皮です、呪いを脱ぎ捨てるんです、そしてその呪いの抜け殻が迷宮になります。」


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