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第一村人発見

「しかし、凄い匂いだなぁ~」

「これは糞尿の匂いですねぇ~」

「カゲマルは平気だろうが、私、いや今は俺か、俺は無理かもしれない。」


その場所は山に囲まれたところで、ところどころに谷間があり、その谷間から川が流れている。その川は巨大な水辺に繋がっていた。


「カゲマル、向こう側に見えるのは海かなぁ?」

「たぶん海だと思います。もしくは巨大な塩の湖か、川に潮気を感じますから」

「カゲマルはすごいなぁ!そんな事まで解かるのか?」

「それより父上、あの辺りに人かもしくは、何らかの生物がいるかもしれません。」

「えぅホントに?」


カゲマルが指差ししている方向を見ると、ほんのり明かりが見える。しかし幾つもの明かりの色が微妙に違って見える。その明かりは青や紫、黄色や緑まである。


「海岸で花火でもやってるような感じだなぁ?」

「花火?」

「あぁカゲマルは花火を見たことがなかったか、ごめんねぇ、親の責任だなぁ」

「むッ、見たことは無くても、知っていますよ!人間の体が内側から破裂するやつですよね?」

「いや違うから!それって汚いやつだろ。そう考えると違ってないな。いや違うから。」


とりあえず、その不思議な光のところまで行ってみることにした。だが、その不思議な光に近くなるにつれて匂いというか悪臭がきつくなってくる。


「うぐぅ、カゲマルぅぅ、もう無理かも!」

「耐えてください、父上。ほら!見えてきましたよ!人ですよ、人!。」

「うぅ~ム、人なのかアレ!、泥が人っぽくみえるだけなんじゃないのか?」


目の前には泥が人を、いや人が泥を被った様な人達が炊き出しをしていた。そこで違和感を感じ、立ち止まった。


「カゲマル!、おかしいぞ!、あの人達、火を使っているけど、この匂いの感じだとガス爆発するはずだ!おそらく魔法の火を使っている可能性が、というか間違いなく魔法の火だぞ、アレ!」

「あの人達は魔法使いかなぁ?、もしくは傀儡かも?、でも悪い感じはしないし、悪い人でもなさそうですけど・・・ともかく、父上はここで待っていて下さい。(わたくし)が行って確かめてきます。」


そう言ってカゲマルは泥人間のところへ走っていく。そして泥人間の人から声をかけられる。


「・・・・・・・・・」

「う~ん、何を言っているのか?解かりませんねぇ。」


カゲマルがそう言うと、泥人間の人々が驚いたように顔を見合わせ、そしてその顔の中に嬉しいというか、笑っているような感じの人達が見える。そしてまた泥人間の人から声をかけられる。


「ほぉう、こんなに小さいのに古代語が話せるのかい?坊や」

「古代語ですか?、いま喋っている言葉が?」

「そうじゃ、儂も久々に喋れて嬉しいぞい。」


おいおい、喋ってる~!ていうかカゲマルは凄いな匂いとか気にしないもんな~


「ともかく話が通じるようで良かった。みなさんはここで何をしているんですか?」

「ん、あんたらも逃げてきたんじゃないのかえ?あの炎の竜巻から」

「いや、違いますが、他に逃げてきた人がいるんですか?というかみなさんはあの街に住んでいたんですか?」

「いや、儂らはここのもんじゃ、ここにずっと住んでおる。じゃが街から汚水道を抜けて逃げてきた避難民が家の中におるぞ」


家ってあの泥の山か、大丈夫なのか避難民?この匂いで生きていられるのか?

「だがみんな意識を失ってしもうたがの」

そりゃそうだろう。泥人間の人の言葉の納得の一言

「少し避難民の方々がどんな状態か見せてもらってもよろしいでしょうか」

「うむ、ええぞい。ついて来なされ」


カゲマルは泥人間の人と避難民がどんな状態か見に行ってしまった。自分は今、一人ぼっちである。しかし、このままでは自分も意識を失ってしまう。とにかくカゲマルに任せて自分は基地に帰ろう。そんな風に考えている時、鍋をかき混ぜている泥人間の人から声をかけられる。


「さぁさぁ、そんな所に突っ立ってないで、アンタも食いねぇ!」

「これは何が入っているんですか?」

「糞だよ」

「ハァッ?」

いやおかしいでしよ!だってウンコですよウンコ。


「食いねぇ、食いねぇ、糞食いねぇ」

「カゲマルううぅぅぅぅ!!!。俺は先にベースに帰ってるからーーーーー」


俺は逃げ出した。だがカゲマルにまわりこまれてしまった。


「待って下さい父上!、この子を見て下さい。」


カゲマルが連れてきた子供は酷い火傷をしていて、見るも無残だが特に酷いのは顔の左側は真っ赤で目の玉が飛び出ていた。


「目ん玉、飛び出てんじゃねえか!」

「そうです!目ん玉が飛び出ちゃっているのです。ムフー」


カゲマルは俺の言った言葉で喜んでいるようだ?。


「父上、ドラグラの書の第四巻はもちろん読んでますよね?。」

「なるほど、そういう事か?」

「そういう事です!、では次に父上がするべき事は何でしょうか?。」

「その子供を助ければいいんだろ、まったくもぅ」

「そうです!さすが父上!子供の願いを叶えてくれる最高の父親です。」


ドラグラの書は誰が書いたか解からないこの世界の神々の歴史本でありとても重要なことが書かれているらしい書物だ!そしてドラグラの書第四巻に書かれている最初の言葉が「目ん玉、飛び出てんじゃねえか!」という言葉である。正直、歴史本としてそれでいいのか?と思うところもあるが・・・

まったくカゲマルはヒーローに憧れる子供か!って思ったが、カゲマルに文句を言えば、子供ですけど!とか、父上がしっかりしなきゃダメでしょ!と説教されるだろうなぁ。


「そんじゃ、カゲマル、俺は先にベースに帰ってるから~」

「父上、その子をお願いします。(わたくし)はもう少し情報を集めておきたいので、まだ泥人間の方々と友好を深めたいと思います」

「は~い、それじゃあ、後でねぇ~」

「は~い」


さて治療はどんなやり方にするかな~と考えながら、ケガをした子供を担いで基地に向かう・・・




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