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ステータスで大騒ぎ

「はぁ~、しかしアイテムブックスか、コレって金貨だったら何枚くらいで買えるの?」

「このアイテムブックスだと、二千枚くらいだと思います。」

「に、二千枚って、そんなにするのか!、コレ」


高ぁ~、日本円で二億円くらいの価値があるの?コレ、ぶっとい鎖に繋がれてる理由がそれか。


「しかし、レオン君は物知りだなぁ、」

「いえ、物を知ってる訳では無くて、似たような物を見た事があるんです。僕の父親は冒険者でしたが、アイテムブックスを作る職人でもあったので」

「えぇぇ!、知らなかったぁ、教えてくれればいいのにぃ、もう」

「いや、カゲマルから、既に聞いていると思っていたので」


くっそぉ、カゲマルぅ~、知ってやがったなぁ、こうなるとレオン君のお母さんや妹も何かあるかもしれない、一応聞いておくか・・・。


「そういや、レオン君のお母さんは今仕事はしているのかい?言いたくなかったら言わなくて良いから」

「今は、家の近くの医療院で働いています、と言っても今日からなんですけど働き始めたのは」

「今はって事は、ずっと働いたことが無かったのかい?」

「いえ、その前は此処で働いてましたよ、バリスカ西支部で」

「此処って、冒険者ギルドで働いてたの?」

「はい、此処で働いてました。」


あぶねぇ~、知らなかったら言っちゃマズイ事口走っていたかも、此処でお母さんが働いてたなら、ギルド職員もレオン君の事を知ってるはずだわな~。


「一応、聞いておくけど、レオン君には妹もいるんだよねぇ~、もう働いてたりするのかい。」

「はい、エリーという妹がいます。中央バリスカの錬金術師ギルドで働いています。」

「錬金術師ギルド?、冒険者ギルドとは違うギルドがあるんだぁ?」

「基本的に冒険者ギルドは連合ギルドや統合ギルドと同じ意味合いなので、冒険者ギルドの中に色々なギルドが入っています。その色々なギルドの一つですね、錬金術師ギルドは」


詳しく聞いてみると冒険者ギルドの登録は十二歳以上だが、他のギルドは特に年齢制限はないらしい。そして基本的にお金を冒険者ギルドに(おさ)めれば、誰でもギルドを立ち上げる事ができる。ただし、既に名前のあるギルドは立ち上げられないという事で、似たようなギルドが沢山あるようだ。そんな事を聞いてるうちに見覚えのある場所に帰ってきた。そこで、カゲマルが嬉しそうに俺に語り掛ける。


「いやぁ、目が癒されますねぇ、父上」

「いや、全然」


ギルドカウンターに帰ってきた、目の前にはエロい格好をした女冒険者達が沢山、ギルドカウンターの前の休憩所で休んでいる。飲み物や軽食の販売をする店もいくつかあるので()まり場になっているようだ。


「エロい格好の女が増えてないか?、それにしてもあの格好で戦えるのかねぇ?」

「身体強化の魔法と身体防壁の魔法を同時に使うからかもしれないですね」

「それと、エロい格好になにか関連性があるの?」

「身体強化と身体防壁の魔法は常に魔力を使い続ける魔法です、もしも重い鎧を着ている時に魔力切れを起こしたら、動けなくなってしまうし、鉄や鋼の鎧は使っていると、壊れたり、錆びたりして修理する必要がある事もあって、それより魔力で守る方が回復薬を飲んだり、誰かに回復して貰えば、その方が早いし、安上がりです、そして一番の理由はエロい格好の方が魔力が増えやすいと云う事でしょうね」


エロい格好の方が自身の魔力が増えやすいんだぁ、なんか脱ぎたくないのに脱がされるアイドルや自分の名前を売るため積極的に水着姿になるグラビアアイドルを思い出した。この世界の魔力って人気とか知名度みたいな物も関連性があるのかもしれないなぁ・・・。


「それにしても、レオン君は魔法とか鎧とかも(くわ)しいのかい?」

「そんなに(くわ)しくないですよ、ただ父親がドワーフだったのである程度知っているというか、無理やり教えられるんです」

「えっ、レオン君のお父さんってドワーフだったの?」

「はい、僕の父親はドワーフです」


まぁだ、隠してたよ~、レオン君、いや隠してた訳じゃないが、レオン君のお父さんドワーフだったのか、考えてみれば、好きな女の子のタイプはドワーフだったり、お父さんが魔法道具の職人だったり、レオン君の背の大きさとか子供っぽいところとか、この世界におけるドワーフの特徴はあったんだなぁ。


「みなさん、まだ冒険者登録申請中なのでギルドカウンターに行きましょう」


そういえば、まだ途中だったんだなぁ、まだ何かあるのかな?挨拶して終わりかも、もしかしたら意外に重要な話があるかもしれない。俺たちはギルドカウンターの案内の人の前に来た。


「お疲れ様です、此処が最終チェックポイントになります。それでは一人ずつ、左手を私の前に出してください、右手は、もうお分かりですよね。」


俺達は、言われた通り案内の人に左手を出して、もちろん右手はギルドカードを持つ。そして一人ずつ案内の人が右手で手を握る、「ピ・」「ピ・」「ピ・」とそれぞれのギルドカードから音が鳴る。


「はい、最終チェックポイントのクリアとなります。今お手持ちのギルドカードのメニューの印を押すと新しい自分だけのステータスの絵柄が出ているはずです、では確認してください」


俺は自分のギルドカードをメニューの印を押して、カードを見てみると手のひらに赤いキューブの絵柄が新しく追加されている、正直、微妙な絵柄だ。


「では、その中に自分の名前、HP、MP、職業レベル、種族、幸運度、が出ている事を確認してください、自分のステータスを確認し終わったらギルドカードを私に一旦お預けください、こちらで最終確認終了後、皆様へお返しした時点で、冒険者登録完了となります。」


一気にキター、ついに俺のヒットポイントが分かる時が来たのかと、期待しながら自分のステータスを見てみる。


マルス・チチノマ

HP 3

MP 1838

職業      

スライム使い LV 122

医療術師 LV 1

種族 人           

幸運度 100                   


俺のヒットポイント低すぎ、おかしいコレ、どうやって生きてるのコレ、何だこれ、人じゃないだろ、魔法の薬にちょっとだけ、命、入れてみましたって感じになってる。はぁ~、ため息と愚痴しかでない。


「ちょっとひどすぎるなぁ、俺のステータス、はぁ」

「ムッ、父上もですか、(わたくし)も物凄く酷くて、泣きたい気分です」

「みなさん、そんなに落ち込まないで下さい、ステータスは変化しますから、最初が低いのはしょうがないですよ」

「ちょっとレオン君のステータス見てもいい、俺のも見ていいから?」

「いいですよ、じゃ、僕もマルスさんのを見せて貰いますね」


俺はレオン君のステータスを見てみる。


レオン

HP 134

MP 87

職業

革細工師 LV 6

種族 ドワーフ

幸運度 34


「レオン君、種族がドワーフになってるけど、お母さんはドワーフなの?」

「いえ、一応ドワーフの血は入ってるんですが、母は種族の項目は人でした、血が濃い方が種族の項目に選ばれるらしいです」

「へ~、良かったねぇ」

「はい、ありがとうございます、それにしてもマルスさんのステータスは凄いですねぇ」

「凄いというより酷いでしょ、コレ」


そして俺は隣で真っ青な顔をしているカゲマルに声を掛ける。


「カゲマルのも見せてよ」

「父上、見て笑わないでくださいね・・・」

「笑わないよぉ~、俺の見てみろ酷いぞ!」


そして、酷いというカゲマルのステータスを見る。


セロ・チチノマ

HP 1457

MP 67

職業

物乞い師 LV 3

種族 吸乳鬼

幸運度 100


あ~あ、やんちゃ、するからだ、こんな種族、聞いたことがない、間違いなく新種族だろう。


「レオン君、カゲマルの新種族の件で、ちょっと時間掛かるかも、そん時はごめんね」

「あっ、僕は大丈夫です、お気になさらず」


俺達はギルドカードを案内の人に渡した。俺とレオン君の冒険者ギルドカードは直ぐに返され、その時点で冒険者登録完了だ。だが、ギルドの案内の人がカゲマルだけ待つように言い、カゲマルと一緒に待っているとギルド職員の人達がザワザワし始めて、ギルドの案内の人が間を取り繕う様に俺達に話しかけてきた。


「生命力を増やす方法は愛される事なんです、魔力を増やす方法は経験です。経験値=魔力です。これ教えてはいけない事なんですけど言っちゃいました。ここだけの秘密ですよ。」


しばらくして、カゲマルの冒険者ギルドカードが返される。希少種族保護という事で金貨三枚を渡される。毎月くれるらしい。


「やっと、カゲマルも冒険者登録が終わったなぁ、しかしなんだぁ、あの種族?」

「自分だけの絵柄のステータスカードを観た時に、嫌な予感がしたんですよぉ」 

「ほぉぅ、どんな絵柄だったんだい?」

「お乳の入った哺乳瓶の絵柄です」



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