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即決の男

「続きまして、第五チェックポイントになります。」


何だあるじゃん!、びっくりさせないでよねホントに


「第五チェックポイントは今までの課題をクリアしたことで、此方(こちら)からは詳しい説明は致しません、まず、魔法水晶を私の右手だと思ってください、私から先ほど預かった、金貨一枚をお返しします、以上です」


え~と、受け取った時は左手を魔法水晶に()れて、だったなぁ、とすると右手は冒険者ギルドカードの印に親指を乗せて、左手は魔法水晶に、そして想像する、金貨一枚を返してください。金貨一枚を返してと想像した時「ピ・」とギルドカードから音がした。


「はい、確認しました、第五チェックポイントのクリアとなります。」


終わった、第五チェックポイント、終わった


「続きまして、第六チェックポイントになります。」


続くのさ、チェックポイントの旅はまだ終わらないのさ


「第六チェックポイントは、私に感謝してもらいます、今までの課題でギルドカードの使い方を覚えたはずです、右手は与えるなどの出入力の形で云う所の出力にあたります、左手は奪うなどの出入力の形で云う所の入力にあたります、気を付けなければならない事は、ギルドカードを持つ手は与えるときは左手、奪うときは右手になります、私からは以上です、お疲れ様でした。」


え~と、私に感謝しろとか言ってたなぁ、与えるでいいんだよなぁ、右手で魔法水晶に()れて、左手でギルドカードの印に親指をのせて、想像だな、おつかれさまでしたぁ~、ありがとうございましたぁ~、そう想像したとき「ピ・」とギルドカードから音がした。


「はい、確認しました、第六チェックポイントのクリアとなります。」


終わった、第六チェックポイント、終わった


「この場所での確認はこれで終わりです、第七チェックポイントはこの先を左に曲がったところにございます、それではごきげんよう」


はぁ~、やっとこの場所から動くのか~、結構長かったがギルドカードの使い方を覚えるという意味では、やっぱり必要だな。そんな事を考えているうちに俺たちは第七チェックポイントに着いた。さっきの場所と同じ様な場所だが、それぞれの魔法水晶の隣に魔法陣が描かれていた。レオン君がまた赤いボタンを押した。


「第七チェックポイントへようこそ、ここではステータスのチェックと回復薬の使い方をマスターしてもらいます、喉が渇いていると思われます、とりあえずお水をお飲みください」


次はステータスと回復薬か、そういやレベルとかあるのかこの世界?、考えてなかったが、もしかして俺、計測不能とか出ちゃうかも、まずいな~。てか水をお飲みくださいって何処にあるの?と思っていたら、魔法陣からガラス容器の様なものに入れられた水が浮き上がってきた。


「うぉっ、水か、随分(ずいぶん)と変わった容器に入れられた水だなぁ」


その容器は理科の実験で使う試験管にそっくりだ、あの細長くて底の丸い奴、底が丸いから普通は立てて置けないが、魔法陣に底が埋まっている形で立っていて、ほんのりと縦に揺れている。

俺は水を飲むが、めっちゃ飲みにくい、水を飲んだが反応がなく、とりあえず試験管の様な容器を魔法陣に戻したら、その容器は魔法陣の中に沈んで消えていった。その時ギルドカードから「ピ・」と音がした。


「はい、確認しました、第七チェックポイントのクリアとなります。」


終わった、第七チェックポイント、水飲んで終わった


「次は第八、第九、第十、チェックポイントをまとめてやってください」


おいおい、良いのかい、そんなにまとめて終わってしまうぞ


「こちらの容器に入った薬?を、一つずつもしくはまとめて飲んでください、飲んだらギルドカードのメニューの印を押してください」


ん、なんか怪しかったぞ、なんか嫌な予感がするが、とにかく飲んでみるか?。魔法陣から(あらわ)れたのは、明らかに毒だろうと思えるもの、体が(しび)れそうなもの、眠りそうなものが入っている薬?だった。とりあえず全部飲んで、ギルドカードのメニューの印を押すといままで見た事がない絵柄があった。


「おっなんかリンゴの絵柄があるぞ、だがそれだけだな」

「私もです、父上」

「うごぅ、どおきくいまんひ、かだゆ、きない、たしかで」


明らかにレオン君の様子がおかしい、俺とカゲマルが一気に全部の毒薬を飲んだため、見栄を張って全部一気に飲んだのだろう。俺はレオン君のギルドカードを見てみる。


「おい、カゲマル!、レオン君のギルドカードのリンゴの絵柄が俺達と違うぞ」

「えっ、本当ですか父上」

「ち、ちょっとレオン君、真ん中に来て」

「たうけて、ぐさぁぁい」

「ほら、カゲマル違うだろ」


レオン君のギルドカードにあるリンゴの絵柄は俺達のリンゴの絵柄とは明らかに違っていて、まずドクロのマークがリンゴに付いていて、紫に変色している、更にリンゴに電流が走り、ビクビクしていた、そしてこっくりこっくりうなだれたりもしていた。そして俺の横にまた新しい薬が魔法陣から飛び出してきた。


「また、薬が出て来た、毒薬だったらレオン君、あぶなくねぇ」

「父上、ちょっと飲んでみてください」

「んぐ、う~む、良く分からん?、カゲマル飲んでみてくれ」

「はい、んぐぐ、ヴォオエエェェェ、父上、毒薬ですよ、コレ」

「マァジか、んじゃ、魔法陣に戻しとこ、・・ホイっと」

「ピ・」

「はい、確認しました、第八、第九、第十、チェックポイントのクリアとなります」


終わった、第八、第九、第十チェックポイント、終わった


「この場所での、確認のチェックは以上で終了となります、また真っ直ぐに歩いて左に曲がってください、第十一チェックポイントがございます、それではごきげんよう」


第十一チェックポイントに向かおうとするがレオン君が倒れてしまった。その時、久しぶりにジョシュが喋る。


「ご主人様のバカァァァァ、どうしてこんなに酷い事をするのぉ」

「ジョシュ、喋らないなぁと思ってたらいきなりどうした」

「レオン君にどうして酷い事するのぉ」

「いやいや、レオン君は自業自得だろう、見栄張って毒薬を全部飲んだから、こうなったんだよ」

「じゃぁ、質問に答えてご主人様、カゲマル兄様に毒薬は効くの?カゲマル兄様に効く毒薬ってな~に?」


ん~と、カゲマルは闇の精霊だから基本的に毒は効かないなぁ、麻痺も効かないし、眠くならない体質だし、カゲマルに効く薬?、それこそ聖水とか回復薬とか、ん・・回復薬・・あれ


「ご主人様達は、レオン君が飲むはずだった回復薬をのんでぇええ!」

「待て、お、落ち着けジョシュ」

「その回復薬をレオン君に飲ませず魔法陣へ返したんだぁぁぁぁ!」

「と、とにかくレオン君を回復させてやってくれ、ジョシュ」


レオン君に出会った頃から、喋らずに隠れていたスライムのジョシュがペシペシと俺を叩く、ものすごく痛い、とにかくジョシュをレオン君に預ける、ジョシュはまだ叩き足りない様子だったが、レオン君の回復を始める、といっても、ただレオン君の顔に抱き付いてるだけだが・・・レオン君の顔色がどんどん良くなっていく。


「回復してくださってありがとうございます」


レオン君が俺にお礼をしてくる、正直、気まずい、回復したのはジョシュなのだが、ジョシュは俺の顔の後ろに隠れてしまった。俺は強引にスライムのジョシュを掴んでレオン君に紹介した。


「いや、回復したのはこのスライムのジョシュだよ、こいつレオン君が好きなんだよ、レオン君こいつと結婚してくれないか?、ワッハッハ、じょう・・」

「分かりました、ジョシュさんと結婚します!」


えっ、いや、いやいや、え、決断早すぎないレオン君


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