表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/127

プロローグ

「母上~、は・は・う・え~」

「ふぅぁ~ぁ。」


幼子の声で目覚めると、じっと自分を見つめる顔がそこにはあった。真っ白い髪で瞳の色は赤紫色の少年、髪型が前髪で片目を隠している。幼稚園児のような背丈に、その前髪は似合わないはずなのによく似合っている。ヘアピンなど付けていないので、少女かと迷ったが少年だな・・・


「母上ー! 体が男に変わっておりますぞ!。とにかく、この世界では母上ではなく、父上と呼んだほうが良いかもしれません]

「なぬぅうう」


どういう事か、なんとなく思い出してきた。この少年の名前は【カゲマル】で私の子供である事を、ただお腹を痛めて生んだ訳ではなく、召喚魔法の失敗で生まれてしまった。ちなみに私の母は「大成功じゃぁぁぁー」と大喜びだった。そんな事より、今は自分の体が男に変わっている事が問題である。私は本来、女なのだが・・・


「カゲマルぅー お願いがあります。」

「はい、どんなお願いですか?」


女の体から男の体になり、眠りから目覚めたばかりということもあり、トイレに行きたいが、男のやり方を知らないからなぁ~。


「お、おしっこの仕方を見せてもらえませんか?」

「なるほどぉ~、男の体に変わってしまいましたからね。分かりました!このカゲマル!、全身全霊をもって一肌脱ぎ、いや一皮剥きたいと思います。」


いやいや変な言い回しはやめてよねホントに・・・


「しかし、なんだな~この場所ってあれ、なんてゆうかキャンピングカーの中みたいな感じだなぁ」

「キャンピングカー!なんなのです、それは!。(わたくし)見たことがないです!!!」


キャンピングカーを知らないのか・・・。じっとカゲマルを見ると手の指を組み、おねだりポーズで瞳をキラキラさせている。

そういえば、カゲマルと二人きりで過ごす事があまりなかったな。そういう話を、自分が生きてきた世界の話をする機会がなかった。思えばカゲマルたっての希望だったからなぁ~、今回の地獄行きは…

「だったら、後からカッパも合流するから、その時作ってもらおう」

「カッパ母様(かあさま)も地獄へ来るんですね!楽しみです」


そんなこんなでトイレに行き、カゲマルの実技が始まったが・・・


「まじまじと、見られると出ないものなんですね・・・勉強になります。」


カゲマルは恥ずかしそうにモジモジしている。


「無理しなくていいからね!」

「いえ大丈夫です。それより、父上のを調べないと」

「いや気にしなくていいから!!!」

「ダメですよ、父上!お風呂の時、ここをしっかり洗ってください。腐って切り落とす事になる前に」


マジでぇ~怖っ・・・まぁとりあえずトイレは大丈夫かなぁ・・・。それより地獄ってのが、どんな所か見てみたい。赤鬼とか青鬼とかいるのかなぁ~、亡霊とか人魂とかいるんだろうか?


「それよりカゲマル!外の様子を見てみないか?」

「父上、子供ならば問題ないですが、今の父上は大人の男性の体になっています。ですからちゃんと洗うんですよ!」


まだ言ってるぅ~、だめだこりゃ。とりあえず外へ出てみようと思うんだが出口がよく解らない。


「なぁカゲマル、この黒い壁が出口だよなぁ」

「恐らくそうだと思いますが・・・」


目の前にあるのは、真っ黒い壁で光を一切反射しないような素材で出来ている。手で触れようとしたら手首まで埋まってしまった。びっくりして手を引っこ抜いた。


「切れてナーイ!」

「プギヤギャガガプッギアァァ」

「こらっカゲマル!そんなに笑わなくてもいいでしょうにぃ」


こんなコマーシャルがあつてだなぁ・・・真似しただけなんだけどね。


(わたくし)、母上いや、父上がそんなにお茶目だと知りませんでした。薄幸のありふれた魔女の姿ばかり見ていたので想像を超えてしまって」


まったくもぉぅ~、色々あったんだって!。察して欲しいのさ、好きでありふれた魔女やってたわけじゃないっての!。まぁ、とにかく体が真っ二つになる心配はなくなった訳だし、真っ黒い壁に飛び込んでみた。


「おっ、すり抜けたぞ!」

「むっ、夜なのかな?」


すり抜けた先は、中世ヨーロッパ風の建物が遠くに見える。しかし地獄とは呼べないような場所だった。カゲマルはこの世界が、昼と夜があるのだろうか?とか、きにしてるようだ。


「なんだ地獄と聞いて、怖がってたけど問題なさそうだな。」

「心配なさそうですね、父上。遠くで火が燃えてるぐらいで!」

「うんうん、心配ないな!。ん!火が燃えてる?」


その場所から眺めると、城壁の中に街があるんだが、その街に100を超える炎の竜巻が吹き荒れていた。地獄はやっぱり恐ろしい所だと思いつつ、その火炎竜巻の近くまで歩いて調べて見る事にした。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ