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グズな父親ともっとグズな息子

 2018年7月現在、うちの父は77歳。グズでだらしない。耳が遠く動作も緩慢取り立てて趣味もなく、最近は『新約聖書 詩編付き』を延々読み返し、相撲が始まると相撲を見る、の繰り返しの毎日を送っている。

 



ところがこれでも、うつ状態で薬を大量に服用しており、いつもだるい思いをしている私よりはましで、洗濯と風呂掃除、たまにやる掃除機かけは父がしている。なにしろ私と来たら抗うつ剤と精神安定剤、眠剤の服用で、「存在する、それ即ち、だるい」といったような有様で、じわーっと体が重いのである。




 だから冒頭父のことを「グズでだらしない」と言っておいたが、私の場合「病的にグズでだらしない」のである。




 もちろん「児島さんアンタこうやってちゃんと文章書いてるじゃないですか、本当はできるんでしょ?」という声も聞こえてきそうだが、それは朝の3時間程度だけである。それ以外はだるいし体を動かすのも苦痛なので、じっとしている。




 それでも家はそう汚れていない。私の部屋以外は。私の部屋はこんな感じ。机の上には、いつ積んだのかもわからん本が堆積しており、そのところどころにプリントされた論文の層が形成され、それが諸所、褶曲構造をなし、無理やり作ったスペースで、辛うじてものを読んだり書いたりする。さらに、その机の奥にはデスクトップ型パソコンが鎮座しているかなりカオスな空間を形成しやがって居るのに加えて、本人は、「こうして机の上に乗っけておけば無くすこともない」などと考え、合理的な机だと思っており、部屋の中央には布団が敷かれていて、床面を占領し、その周りを惑星のように洗濯ものやら掛布団やら、タオルやら、薬の瓶やらが全く一定しない周期で居たり居なかったりして、絶えず場所を変えているといった有様なのである。




 要するに父は生来の素質に加え、老化が原因でグズでだらしなく、私は生来の素質と病気で、大宇宙的にグズでだらしないのである。それでどちらかというと、私のほうがうつ状態が長期化し、逆流性食道炎ももう18か月ほど治っていないので、父が私をケアしているような状態になっている。老々介護などという言葉があるが、私は発達障害者であるからさしづめ、老障介護といったところである。




 こういうとさぞかし児島家はごみ屋敷と化し、悲惨なありさまとなり果てているに違いないと思う方もいると思う……、というよりそれで普通なのだろうが、父が割とまめにごみを出してくれているし、私とてたまに調子が良い時には片付けやら台所掃除などするので、そう悲惨でもない。うちよりもっと汚い家などざらにあるだろう。



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