春休みの宿題なんて絶対にいらない
ジリリリリリリリィィィィィィン バシッッッ!
俺は朝の日差しが差し込む部屋で、目覚まし時計の音で目を覚ました。
中学を卒業してから一週間しか経っていないが、その日のことが曖昧で思い出せないくらいに、俺はニート生活に没頭している。目覚まし時計に目を向けると時刻は9時を少し過ぎたくらいだった。
いつもは昼まで寝て、夜遅くまでゲームをしたりYouTubeを見たりしているのだが、今日は11時50から高校の説明会があるため、早起きしなければいけなかった。
卒業式の記憶は曖昧なものの、入試の合格発表の日の事は今でも鮮明に覚えている。
内申点が全然足りなくて、俺はがむしゃらに勉強した結果、今までの制度とガラッと変わった入試問題にメンタルをボロボロにされ、絶対落ちたと思って合格発表に行ったらなんと合格していたのだ。
(みんな失敗していたらしい…)
そんな日の事を思い出しながら布団から出て、一週間ぶりに中学校の制服を着る。三年間ずっと一緒だった相棒とも今日でお別れである。
「もう、こいつを着ることも無いな。」
なんだか切なくなりそんな事を口にしていると、下から母さんの声がした。
「陽〜!ご飯だから降りて来て〜!」
「うぇ〜〜〜い」
挨拶を返して下におりるとまだ朝食が出来ていなかった。
(呼ぶのはご飯が出来てからにしてほしんだよなぁ…)
母さんは相変わらず忙しなく動いていて、こちらには目も向けない。
「おはよう。」
「おはよう‼︎」
俺が挨拶すると、大きい声の返事が俺の鼓膜を引き裂いた。全く、朝から元気なものだ。俺は、愛猫であるニャンベェが寝てるソファーに座って目覚ましニュースをつける。
(静かなニャンベェはいつでも俺の味方だ。)
妹の由梨は、まだ春休みが始まっておらずとっくのとうに登校したらしい。
朝早くから登校なんて、ご苦労ご苦労w
ニュースを見ながらそんな事を考えていたら、ようやくご飯が出来上がった。
(朝ごはんはトースト、 目玉焼き、ヨーグルトだった。)
「いただきます。」
俺はそうつぶやいてから、目玉焼きをトースト乗せて口いっぱいに頬張る。半熟の黄身が口の中でとろけて、パンと最高のハーモニーを奏でるそれは、美味しいのだが、俺は朝のパンは嫌いだ。流し込むようにしてそれらを胃に入れ、ヨーグルトで口直しをする。
時計を見ると9時40分。あと15分でバスが来てしまう。俺は急いで歯を磨き、身支度を済ませて家を出発した。
「行って来まーす!」
家を出た俺はとにかくバス停まで全力で走った。部活を引退してから、一切運動をしていなかったため汗びっしょりになってしまったが、バスの時刻にギリギリ間に合った。
「クソ!汗が乾いたら臭うじゃねぇか!もし可愛い子が隣だったらどうするんだよ…」
俺は本気で心配しながら、臭う危険性がある制服と共にバスに乗り込み旗野高校に向かった。
バスと電車を乗り継いで高校に着いた時は11時40分になっており、制服もすっかり臭ってしまっていた。
憂鬱な気持ちで会場に向かい席に座ると、両隣は女子だったものの、デbとブsだったため、俺は安心したような、失望したような複雑な気持ちになりながら、説明を聞くはめになった…。
説明会が終わり、エゲツない量の教科書を購入して家に帰った。重たい荷物を運んでさらに汗を書いた俺は、シャワーを浴びて私服に着替えてから春休みの課題を確認する。
さすがに高校の宿題は量は多かったが、入試を乗り越えた俺なら大丈夫のはずだ…
「よし、明日から頑張ろうw」
(欲しかったスマホも買ってもらったしね♪)
そうして、毎日遊んでニート生活をしていたら
春休み最終日になっていた。
「やばい、今日で全部終わらせねぇと明日までに間に合わねぇ!」
しばらくぶりに宿題を確認すると…
「うん♪無理だ終わらねぇw」
俺は泣きそうになりながら宿題に取りかかった。
「ちくしょう!明日は入学式なのにどうするんだよ!あぁ、ニャンベェの手も借りたい…」
もちろんその日のうちに終わるはずがなく、俺は一睡もせずに宿題に取り組むはめになった。
次の日の入学式は、寝不足による疲労で、式中に寝てしまったため、初日から職員室に呼び出され説教をくらった。
俺は青春の一ページ目から不幸な出来事を飾り、同級生から冷たい目で見られてしまった。これは俺が悪いのではなく、受験を終えたニート達に宿題なんて出すやつが悪い!
結論を言おう、春休みに宿題なんて必要ないし、絶対に要らない!




