魔1 勇者召喚
僕の名前は高田 連、普通の空気あつかいされている高校生だ。
そんな僕もついに光を浴びるときが来たらしい、その名も勇者召喚。
今さっき女神に見送られてこの光のトンネルを抜けているところだ。
ふふふふふ、ふはははははは。
笑いが止まらない、それにしても僕が勇者かー。まずはハーレムを作る、これは絶対だな、ははははははは。
勇者らしくないことを考えながら連は召喚魔法に身を委ね光のトンネルの先を見ながらゆっくりと下へと落ちて行く。
お、光のトンネルももうすぐで終わりそうだ。
勇者にしてくれたあの女神様に感謝しないとな。
連は光のトンネルの終わりを見ながらこれからの人生に思いをはせ不敵な笑みを浮かべた。
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エレインは今、勇者召喚の座標などの設定やメンテナンスをしている。
「んー設定はこんな感じにしてっと。これでよし。それじゃあ彼を起こしますかー」
エレインは汗が出ていないが腕で額の汗を拭く仕草をする。
僕が目を覚ますとそこは神殿内のような場所に立っていた。辺りを見渡していると声が玉座のある階段の上の方から聞こえてきた。
「グッモーニング、目覚めた? 気分はどうだい?」
エレインはいつも通りの話し方で連を見下ろしながら聞く。
エレインはこどもくらいの身長で帽子をかぶりジャージという服装で神々しい神殿の玉座に座り連に話しかけてくる。
話しかけられている連の姿は光の玉エレインがその光って浮いている玉に話している。
「さあ、いつまでもそんな所にいないでさ〜、ここまで上がって来なよ」
連は2階分はあるであろう階段の先にいるエレインを見る。
(僕に話しているのですか?)
連は一通り神殿を見渡したあとエレインに疑問をぶつけてみた。
「君以外に誰がいるんだい?」
エレインはその質問に答えて首を傾げる。
最もな質問の返し方をされて少し恥ずかしいと感じる。
(そう···ですか。それでここは? 僕は死んだのでしょうか?)
連は記憶を思い出そうとする。
確か僕の最後の記憶は。
「ん〜考え込んでるとこ悪いんだけどさー、あたしも時間ないわけ。だから悪いけど話、進めるねー」
エレインは連の問には答えず話を進めようとする。
(ちょっと待ってください僕の質問に答えてください。やっぱり僕は死んだのですか!?)
「うん、死んだよー。はい、質問終わりー」
エレインはそう言いながら手を叩く。
(なっ!、それじゃあ最後、最後の質問です。やっぱりあなたは女神様なのですか?)
「え~さっき終わりって言ったじゃーん。まあ、それくらいならいいけどねー。私はこの世界の女神をやってるエレイン、気軽にエレインって読んでねー。まあ神をやってるって言うよりなったが正しいかな。さて、それじゃあ今度こそ質問タイム終了っと。えっとー、貴方はこれから勇者召喚に送ります。かんたんには死なないと思うから頑張ってねー。それじゃっ、いってらしゃーい」
今まで黙って聞いていた連はエレインが言い終えると同時に光につつ見込まれていき意識が無くなっていった。
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「さあ新しい勇者人生の始まりだ!」
王座の間に連の声が響きわたる。
やべえ、召喚される直前に思っていたことが声に出ちまってた。
この僕としたことが。
これで姫様への第一印象がが最悪になってしまった。
ま··まあに焦ることはない、これから勇者の人生(ハーレムな人生)を送るのだから。
連はそう自分に言い聞かせて気を紛らわせようとしている。
そんなことを連が考えているうちに連を包んでいた光が消えていく。
すると連の目の前には禍々しいオーラをまとった魔王が魔王に相応しい椅子に座りこちらを見ていた。
「えっ」
おもわず僕の口から声が漏れる。
あっれー、おかしいなー、いきなりラスボスがいるんですケドー。
連が現れたため周りにいる魔族たち(人では無い姿をしている)がざわついている、そんな中、魔王が口を開く。
「よく来た勇者よ、今我々魔族は人族の攻撃によって苦しめられている。
ゆえに我々魔族は言い伝えによる魔術で勇者を召喚した。まずは礼を言わせてもらおう勇者よ、こたびは勇者召喚に応えてくれて誠に感謝する」
魔王は連に礼をのべて頭を下げる。
「勇者よお主に望むことは今行われている人魔戦争における魔族側の勝利だ。無論ただとは言わん。見事人族の王の首を持って帰ったあかつきには我が娘との結婚を約束しよう」
《うおおおおおおおお》
王座の間にいる魔族たちが魔王の言葉が終わると同時に雄叫びを上げだす。
連はそれにつられて周りを見渡す。
すると見るからに勇者が倒す側の奴らが連の登場に雄叫びを上げて喜んでいるすがたが見えた。
そしてそれから話は連をおいてどんどん進んでいく。
どうしよう、どうしよう、このまま行ったら俺、守るはずの人類と敵対しちまうよ。
連の額から一筋の汗が出る。
なんとしてでも断らねば。
「ところであなたのお名前を教えていただいてよろしいでしょうか」
魔族たちの話を切るために連は上ずった声で話を戦争の話からそらす。
「おい、貴様、魔王様に向かって直接話そうとするなど無礼であろうが!!」
魔王の横にいる牛の角がある男が殺気を放ってくる。
殺される、殺される、殺される、
頭が真っ白になってしまう。
連はそれでも意識だけでもと意識を手放さないように足や手に力をいれて耐える。
「やめぬか」
魔王の一言でようやく殺気が消える。
まじで殺されるかと思ったー。
連は安堵し息を吐き出す。
「ほう勇者とはいえ今の殺気で意識を手放さなかったか」
「えっ?」
まっまずいこのままだと戦場行き。
それだけは回避しないと。てゆうか魔王が王様を暗殺するってどうなんだよ。
「い···いえだいぶ危ないとこでしたよ」
「ふはははははは、そんな謙遜をしなくても良い」
くそ、そうなっちまったか。
連の思考とは裏腹に話が進んで行く。
「さてと、確かわしの名前だったな、わしの名はアペイロン、そなたは普通に魔王と呼べばよい。さてこちらは質問に答えた次は勇者殿が答えてもらおう。勇者殿はわしと同じ龍種とお見受けするが? 名はなんと申す」
そう聞かれ戸惑う。
体を見てみると自分の体には手と腕の部分には鱗の様な物が付いておりおまけに尻尾と角まである始末だ。
「おい、魔王様の問に答えぬか!!」
魔王の隣にいる牛の角を持つ男が連に向かい怒鳴りつけてくる。
俺の名前だと他の転生者とかいたら非常にまずい。
人類側の転生者に魔王側の勇者だと一瞬でバレて袋叩き。それは避けたい。
「僕は生まれ変わった身、なのでまだ名はありません、なので魔王様が名をつけてはくれませんか?」
そう言った瞬間、魔族たちがざわめきだす。
あれ?、俺なんかへんなこと言ったか?。
「静まれ」
魔王が手を上げて言うと魔族たちは先程の喧騒が嘘かのように静かになった。
「そうであったか、お主は勇者だ、それならば確かに名がないというのはまずいかもしれんからな」
魔王はしばらく考える仕草をしてから口を開いた。
「ならば名もなき勇者よ、これからは『ハイド』と名乗るがよい」
それを聞いた瞬間体に自分の知らない何かが体の中に流れ込んでくるのが感じられた。
そう思った瞬間、急に眠気に襲われ耐えられずに意識を手放した。
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ああ、なぜこうなってしまったんだ?、俺が何したってんだ?。
そう思いながら重たい体に鞭を入れ起き上がる。
「くそ、あの女神、やってくれたな」
そうつぶやくと扉の向こうから声えをかけながら入ってくる人物がいた。
「その女神様の話、私にしてくれませんか?」
「えっ」
扉の方を見てハイドは固まった。
僕の前に天使が舞い降りた初めての瞬間だった。
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どうもハイドです。
今僕は幸せの絶頂の中にいます。
それも彼女、魔王様の娘のシャーロットさんのおかげだ。
そして今僕はそんな彼女シャーロットさんと話をしている。
「へー、それでそれで女神様はなんて言ったの?」
シャーロットは目を輝かせながらハイドに聞いてくる。
「それで女神様は[私はあなたの無事を祈っています]って言われてこの世界に送られたってわけ」
ハイドはシャーロットにいいとこを見せようと話をもりにもっている。
もしエレインがこれを聞いていたら爆笑していたことだろう。
ハイドはシャーロットとの出会いをきっかけにこれから起こる争いの渦に飲み込まれていく。
どんどん書いてみよー