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1話
…ありえない。
周りは暗く、唯一見えるのは白い文字のステータス画面だけだ。
もう一度言う。
ありえない。
「ちょ、まって…これRPGによくあるやつじゃん。冒険の書をはじめるってやつじゃん…」
どうしてこんな場所に来てるのか、何故ステータス画面が目の前に表示されているのかは分からない。
ちょっとコンビニ行って来ようと家を出た瞬間にこれだ。
「……ははっ」
思わず乾いた笑いが口から出てくる。
とりあえず、ステータス画面に出ている設定をしてみよう。
空中に出てきた青白い光を放つキーボードをカタカタさせて入力した。
「こんなもんかな」
名前:ソウマ
性別:男
職業:魔法使い
職業は勇者や僧侶といろいろあったが、あえて魔法使いを選んだ。中には住人Aという選択肢もあった。
俺はワクワクしながら決定ボタンを押した。
一度魔法を使ってみたかったのだ。
…これで30代ドーテーになったら泣く。
ウィィィン…と音がして、視界が真っ暗になる。
<起動完了 それでは、壮大なる冒険をお楽しみ下さい>
機械的な女性の声がして、俺の意識は無くなった。