ちょっと誘拐されたっぽいんですけど
「ふーん、この子が巫女なんだ」
「僕はこの子好きだよー髪がサラサラってしてる!愁哉は?」
「・・・俺は、知らね」
「え、なにその返事」
「は?だまれ!」
「おい、顔が赤いぞ愁哉」
「あーホントだ顔赤ーい」
「な、うるさい!」
意識が朦朧としている。
私はどうなってしまってるのだろう。
「騒がしいね、優人」
「ああ」
「優人はどう思う?」
「あいつは俺の・・・なんでもない」
「照れた?」
「知らんな、そんなこと」
いろんな会話を聞きながら私は目を開けた。
「あ!起きた!」
「目が覚めたみたいだね」
「・・・・体は平気か?」
目を開けると4人の男の子がいた。
私はどこかのお城にいるのか、と思ってしまうくらい広い部屋にいた。
あれ、ここどこ?
「・・・」
「状況の把握ができてないようだな」
「そーだね、急には難しいよね」
「だれから説明しようかー」
「僕、難しいの無理だからだめー」
ど、どうなってるのー。
私、私誘拐されたんじゃ・・・うん、誘拐されたよね。
されたよ、誘拐。
「先輩、目が覚めましたか?」
その声が耳に入ってきて私ははっとした。
「先輩?」
部屋の奥から私がアシスタントを勤めているバスケ部の後輩がそこには立っていた。
「お、いたのか」
「僕は気づいてたよぉ?」
「ごめんねー気づかなかった」
「違いますよ、俺わざと気配消してたんですから」
「なんだってそんなことを・・・?」
「・・・先輩、それは秘密です」
「えーこの僕にもだめ?」
「後輩でもダメです」
・・・・・どういう状態?
これ、どうなってんの?
「先輩?無理しちゃだめですよ、寝ててくださいね」
私はぜんぜん今の状況が理解できなくて、再び意識を手放した。
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