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ストレージで無双する  作者: ルケア


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全てが見える瞳

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「見えるかしら~? 見えているかしら~? 聞こえては居ると思うから~、説明はさせてもらうわねえ~。あらゆるものを見る目にしてみました~。色々と見えるとは思うけど~、全部が全部解っている訳ではないのよねえ~。だから~、解り次第~、教えてくれると助かるのよねえ~。それとそれと~、集中した時に~、処理を早くできる様に脳を弄りまわしたの~。体感してもらえれば解ると思うわよ~。ありとあらゆるものを見る目に仕上げてみました~。だから~、何が見えるのか~、解れば教えて欲しいのよ~。お願いね~」


「まあ、回復魔法はかけてあるからな。痛みは無いはずだ。……違和感は大きいとは思うがな。まずは立つことから練習する必要があるとだけ言っておこう。聞こえてはいるだろうが、何を言われているか解らないとは思う。だが、体感してみれば解る。目を変えると言う事は、そう言う事でもある」


 体が動かない。目も開かない。とにかく真っ暗なんだよ。瞼が閉じているのは解る。……見えたらいけないものまで見えている。というか、ちょっと待ってくれ。これは、思った以上にやばいのでは? 見えてはいけないものが見える様になっているんだが。瞼の隙間から、僅かに光が入ってきていることが認識できる。そして、瞼の細胞、原子、その先の素粒子までが見える。集中していくと、どんな小さい物でも視認できる。……これは、あれだな。やばいものを作ってくれたと思う。見えてはいけない世界だ。だが、見えるのであれば、悪用は可能だろうな。こんな目をつけて、平然としていたのか。いや、平然とはしていなかったのか。だから、最近は色々と静かだったのかもしれない。今見えている物が何かが解らないんだろうからな。そうかそうか。見ている世界が違い過ぎた訳だ。でもまあ、慣れるまでには時間がかかると言う事なんだろうな。……ちょっとも体が動かない。麻酔の影響なんだろうな。副作用も何もないのが怖すぎるが、まあ、いいだろうさ。とにかく、動き出せるようになるまでこのままだ。いったんは眠るか。見え過ぎる目も、大概だとは思うが。


 ひと眠りして、漸くと体が動かせるようになった。……が、思ったように体が動かない。腕を動かそうと思ったら、既に動いており、腕を布団にぶつけた。……? これはどう言う事だ? 動くまでに時間がかかるとは言われたが、ここまで酷いのか? 立とうとするが、体が言う事を利かない。思ったときには既に体が動いている。なんだこの感覚は? 私生活にも影響が出るってどう言う事だ? 目を取り替えただけ……いや、脳も弄りまわしたと言っていたか。それの影響か? まずは歩くことから習熟しないといけないってどう言う事だよ?


 その後、立ったはいいが、足が空回りして転倒と言う事を繰り返し、なんとなくなんだけど、何がどうなるのかまでは解ってきた。要するに、反射神経が異常なまでに良くなりすぎてしまっているのが今の状態だ。今までのように、思考してからの動作というプロセスが一気に加速しすぎて、体が追いつかない、いや、体は動いているのだ。それに思考が追いつかないという事になっていると思う。歩く事すら精密な動作を求められるとか、どう言う事だよって話だよな。……これは慣れるのに1日でどうにかなるとは思えない。少なくとも10日は欲しい。正直、歩くだけでもここまで影響が出るとは思っていなかった。まだまだ目の出力は上げていない。集中力を高めすぎると、見えてはいけないものまで見えてしまう。その状態になると、脳の処理が更に早くなり、体が言う事を利かなくなる。


「これは……っつ!? 口もか。声を出すだけで、舌を噛みそうだ」


「無茶は駄目だよ。ゆっくりとね。自分が思うよりも、ゆっくりと動作をしてみな」


「……!? 誰、ぐああ!?」


「無人にする訳がないだろう。全く。思ったよりも目の調子が良すぎるんだ。そのせいで、目に入る情報処理も、脳の方で出力を上げてある。というよりは、人間にある元々のリミッターを解除したと言った方が良いのかもしれない。だから、まずは自分が思うよりも、ゆっくりと身体を動かすことだ。そうしないと、碌に体が動かせないだろうよ。集中しないでゆっくりと。それが出来る様になるまで、この家に居て貰うよ。まあ、3日もあれば慣れるだろうさ」


 ……なるほどな。情報処理能力が一気に向上しているのは、脳のリミッターを外したからか。そのために脳を弄りまわす必要があったと言う事なのだろう。つまりは、外道も外道の手術をしたと言う事になる。そもそも脳のリミッターなんて何処をどうやったら外せるんだ? そんな事も良く解らないんだが。まあ、俺が語ったことの副産物というか、主要な物というか。目だけの筈だったんだがな。目以外にも変わっているようだ。


 その後、3日間かけて、漸くまともに歩けるようになった。……歩けるだけだ。これで戦闘なんてした日には、酷い目に合うだろう。ともかく、他の冒険者にも報告だな。宿屋に帰らなければならない。明日の朝にでも色々と報告をしないといけないだろうな。……それと同時に、冒険者の世話役を決めておかないといけないだろう。そうしないと碌に食事も排泄も出来なかったからな。ちょっと色々と体がおかしいという認識では居るんだけど、なんだかなあ。ちょっとどころの話じゃなくなっているんだよな。


「という訳でだ。手術は無事に成功した。……ただ、色々と見えてはいけないものまで見えていると思う。それは良いとしても、まともに歩くだけでも3日はかかった。その間、赤ん坊の様に世話をしてもらわないといけない。そのくらいの覚悟はしてくれ。それと、言っておくが、3日で歩けるようになったといっても、歩けるだけだ。戦闘なんて出来ないからな。体がまだ自由に動かない。いや、自由に動き過ぎて、戦闘が出来る状態じゃない。思考の方が追いつかないんだ。それも慣れれば良いらしいが、とにかく。まともに戦闘が出来るようになるまでは、30日くらいはかかると思う。だが、これだけは解る。この力を使いこなせれば、確実に強くなれる。体の限界を超えての動作が可能になるんだから、当然の話になるんだが、今までの自分があっという間に倒されるという認識だけは出来る。何も出来ずに、負けると思うぞ。それくらいには強くなれる。まあ、色々とデメリットもありそうだが、受け入れるなら受け入れた方がいいぞ。まあ、強くは勧められないが」


「……まあ、強くなれるんだったら、手段なんて選んでられないだろ? 俺も続くさ」


「ここまで来て、無しにしてくれってのは無いわな。何とか使いこなして見せるさ」


「そうか。俺も戦闘が出来るくらいには使いこなさないとな。出来ることからやっていくしかないか。ただ、レーベン山脈には暫くいけない。まだ体の使い方が解らないんだ」


 とんでもない事をしてくれたとは思う。マジで体が言う事を利かないからな。思ったときには既に動作が終わっている。と言う事は、思考を回転させないといけない訳だ。どんどんと先読みじみた事をしていかないといけない。それが出来て初めて使いこなしたと言えるんだろうな。だが、これだけは言える。前よりも確実に強くなっている。前の自分が負けるのは見える。たとえ砲弾を撃っても、今の俺なら回避が出来てしまう。それだけの身体的なスペックはあるんだよ。それを可能にする目を持ってしまった。これなら、確かになんでも出来そうな気がする。何処まで出来るのかは試さないといけないけどな。

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― 新着の感想 ―
普通自動車にレーシングマシンのエンジン積んだ感しか?それこそ年単位で調整必要そうだね。
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