久しぶりの地震
OFUSE始めました。
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ドラゴンをなぎ倒し、無双する。それくらいの事は出来るからな。空中を駆け、頭上から弾丸を発射する。これなら外しても弾丸を無駄にする事はないし、そもそも外さないので問題は無いんだけどな。これで今日80体目。余裕の勝利だな。
「というか、圧倒的なんだよなあ。本当にこれで良いのかって気分になってくる。ドラゴンも空に居る時に追い回されるとは思っても居ないだろうしな。まあ、雑魚が何をしても無駄だくらいにしか思っていないんだろうな。それならそれで良いんだけど。まあ、余裕だよなあ。まだまだ時間はあるし、狩り続けるだけなんだけど」
1日に80体も倒しているのに、まだまだ時間はあるのだよ。それだけの成果を回収している訳なんだけど、まだ研究用には足りないらしいんだよね。まだまだ研究する事は山のようにあるらしく、素材はどれだけあっても足りないらしい。……肉が美味しく食べられたら良かったんだけどな。筋しかないからなあ。美味しければ、もっと積極的に狩って倒すんだけど。
「しかし、この勢いで狩っても、魔物は居なくならないんだよな。なんでなのかは知らないけど。ちょっと移動するだけで見つかるし。そもそも飛んでいるんだから、丸解りなんだよな。こっちからも視認で来ているんだから、向こうも見つけているとは思うんだけど」
ドラゴンは、グランドドラゴン以外は空を飛んでいる。なので、見つけること自体は簡単なのだ。遠くを見れば、10体も20体も空を飛んでいることが確認できるからな。……一向に減らないのが不思議なんだよなあ。これだけの勢いで狩っているんだから、絶滅してもおかしくないのに。
「まあ、こういうのは無限湧きってのが相場なんだろうし、何処かから供給されているとは思うんだよな。見たことはないけど。見れるのかね？ 見れるんだったら見てみたい所ではあるんだがなあ。まあ、だから何なんだという感じではあるけど。興味はあるよねって話でさ。固定なのか、それとも別々に生まれているのか。俺も研究職の素質があるのかね？ 机に齧りついての研究は無理だけど。出来るのはフィールドワークになるよなあ。とりあえず、片っ端から倒していきますか」
接近するまでの時間は10秒ほど。一気に駆けて、接近する。そして、追い抜いて、方向転換をする瞬間を狙い撃つ。真上からの一撃を頭部に食らわせる。それで終わりだ。これで81体目。そんな感じでどんどんと討伐を繰り返している。使った砲弾は直ぐにでも運動エネルギーをチャージ。2分くらいで十分な威力にはなるんだけど、最近は4分くらい放置している。ドラゴン相手だと、どうしても威力が欲しいからな。確定で倒せるような威力が欲しい。……今の砲弾だと、威力がそこそこなんだよなあ。改良の案はあるんだけど、そこまで必要なのかって感じなんだよね。出来ることはまだあると思う。これ以上の威力が必要なのかって話だ。ドラゴンを倒せるんだから、このままでいいんじゃないだろうか。そう思うんだよなあ。
結果、3日滞在して、200体以上のドラゴンを狩って戻ってきた。冒険者ギルドへの討伐報告は行わない。俺は素材を持って帰るのが第1なんだよ。他の冒険者がお金を稼いでくれているんだから、俺は素材を稼ぐのだ。そうやって役割分担した方が効率的だと思うからな。1人で何もかもをやらないといけない訳ではないんだよ。
「しかし、相変わらずの量ですね。マジックバッグにも大量に余っていますが、それでも解体が終わると、錬金術師の方たちが片っ端から使っていくので、在庫はあればあるだけ有難いんですよね」
「まあ、研究が本職みたいな人もいる訳ですし、仕方がないとは思いますけどね？ ドラゴンの素材は沢山用意しているんですから、有効に活用してくれると助かります。それだけ難民キャンプの技術力が向上する訳ですし、良い事しかないとは思うので。まあ、何百年も帰れないんでしょうし、都市を超えた難民キャンプを目指して頑張らないといけないなって感じですね。それもこれも何とかしようと思えば、1人では無理ですけど、皆でやれば、何とかなるとは思いますし――」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
地震か。久しぶりだけど、ちょっと待って欲しい。震度は3くらいあったと思う。この山脈が火山になって噴火したとかでは無いとは思う。……だとすると、これは。
「……結構大きな地震でしたね。久しぶりに揺れたとは思いますけど。まさかとは思いますが、メギル鉱山が本格的に噴火したんですかね？ ここまで揺れるのかって気もする訳ですが」
「今の揺れがメギル鉱山だとすると、本格的に駄目でしょうね。見てきたい所ではありますが、危険すぎますし、辺境伯家が監視しているでしょうからね。こちらが動く必要は無いとは思います。……リスクを取ってまで、確認する事ではないですし、いかなくても大丈夫ですよ？ 幾ら移動速度が早いからと言って、確認する必要はないでしょう。確認したところでと言う事でもありますが。どうせ帰れないのですから、諦めてこちらで住むことに決めた方が良いとは思いますね。辺境伯も捨ててしまえば良いとは思うんですが……」
「まあ、領地ですからねえ。管理したいのはその通りなんでしょうが。まあ、俺たちの世代では、収まることは無いとは思いますし、簡単に帰れたら苦労はしない訳ですよ。暫くはここで暮らさないといけないどころの話ではないとは思います。俺たちはずっとここで難民として暮らさないといけないって事なんですよね。そのくらいは解っているとは思うんですが」
「解っているかどうかは、解りませんね。普通であれば、難民として放置する事は無いとは思いますし。普通に市民として受け入れて貰った方が、後々も楽だとは思うのですが……。難民キャンプを支援しない辺境伯家に、必ずしも戻るとは限りませんしね」
「……支援ってされてないんですか？ 俺たちが来たばかりの頃は解りますけど、冒険者ギルドが逃げてきた時点で、支援はされていると思っていたんですが？」
「支援なんて何も無いですよ？ 金銭的な支援もありませんし、食料的な支援もありません。そもそも難民キャンプを視察したことも無いくらいですね。こちらとしては、既に縁が切れていると思っていいとは思います。後々にガロールに返したいのであれば、支援くらいはしても良いとは思いますが、それすらも思い付かないくらいには、辺境伯家もかなり困っているのではないでしょうか？」
「まあ、辺境伯家が困っているのは解りますけど、支援が何も無いってのは普通じゃないですね。それなら難民としてじゃなくて、移民として受け入れて貰った方が楽だと思うんですが。……余程何か事情があるのかもしれないですけど、普通は支援があっても当然じゃないですかね？」
支援が無いのは、幾らなんでも異常すぎると思うんだけど。何らかの支援は来ているとばかり思っていたんだけどな。……余程辺境伯家に余裕が無いんだろうな。何が原因なのかは知らないけど。敵国から何かされているのかね？
まあ、あの土地は何も出来ないとは思うけど、他の土地が干渉されているんだろうか？ そもそも火山灰の降る地域になるんだから、ある程度の範囲の土地は使えなくなっているとは思うんだけど、そこが盗賊とかの拠点になったか？ それでも支援くらいは出来るよな。侵略軍でも来たんだろうか。放置しておけば良いとは思うけどな。勝手に自滅するだけだろうから。食料も生産できないんだし、勝手に干上がるとは思うんだけどな。何があるんだろう。
