採取の効率がおかしい
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「おい! おいおいおい! レイウード! なんだあの葉巻はよお! あんなのがあるんだったら、採取なんて楽勝だぞ! なんで今まで隠してやがったてめえ!」
「……いや、最近開発された葉巻なんだが。なんだ? そんなに効果が良かったのか?」
「良いなんてものじゃねえ。あれは反則って言うんだよ! まあ、有難く使わせてもらうけどな? でもな、あれは素人にでも使わせてやりたいくらいの良いものなんだよ。あれがあるのと無いのとでは、採取の効率が雲泥の差が出てくるぞ。何せ、何を採取したいのかが目で見えるんだからな」
「俺は使ったことが無いから、どうやって見えるのかが解らないんだけど、そんなに凄いのか?」
「すげえなんてものじゃねえ。採取したいものに色が着くんだよ。なんというかだな、緑一色から、カラフルな見た目になるんだよ。なんというか、緑なんだが、その奥に靄が見えるって言うのか? なんかが見えるんだよ。それで1回採取したら、その靄を探せばいいだけなんだよ。葉の形とか、そんなのは判別しなくても良いんだよ。なんだあれ? なんであんなものが出来るんだ? なんか変な薬じゃねえよな? いや、出所がメルベルメ錬金術店だから、変な物の可能性もあるんだがよ。だがあれは異常だ。採取の効率が上がるとか、そういうちゃちなもんじゃねえ。もっとあれは恐ろしいものだぞ。今までの採取の常識が覆る。見つけたいものが一目で解るんだからな。なんであんなものが出来ているのかが解らねえ。でもな、あれがあれば、素人でも採取が可能だ。戦闘が苦手で、採取しか生きる道が無くなった冒険者でも、あれがあれば、採取量が馬鹿みたいに増えるんだよ。……正直、今までの常識が通用しなくてな。何を言いたいのかが解らないかもしれない。けどな、それだけのものだったんだよ。いいたい事が解ってくれたか?」
「……まあ、大体は。要するに、色が見えるんだよな? その色は採取物で固定な訳だ。例えば赤に見えるとした場合、同じ赤を探せば、採取物が見つかると、そう言う事な訳だな?」
「そう! そうなんだよ。だからあれはおかしいんだ。目の錯覚とかそんなのじゃねえ。見えるんだよ。その色がな。何を見ているのかは知らねえ。でも、やっぱり反則だろうがよ」
……魔眼の副産物なんて言えない訳で。マジで何をどうしたらそんな事が出来るのかは不明だ。視覚の何処かを強化する様な成分があったと言う事なんだろうな。……この分だと魔眼も期待できるような気がしないでも無いんだけど、採取でもそこまでの効果があるのか。それは凄いな。色々とおかしいとは思うが、出来るんだから仕方がない。何がどう作用しているのかなんて、俺には解らないが、何かしら、目に作用するものがあったんだろうな。……魔物の目の事も言ってしまったからなあ。もしかしたら、また進化するかもしれない。良く解らないことになるかもしれないが。
採取が捗るなら良いんじゃないかな? サンプルはエニュール商会に置いてあるから、それを使ってみれば良いんだろうが、俺が採取に行く訳ではないからな。討伐でも意味があるなら使ってもいいのかもしれないが、他の葉巻が使えないとなると、ちょっと面倒なことになるんだよ。やっぱり今まで通りの戦い方が出来る葉巻の方が有難いって事なんだよな。それでも1度は試してみた方がいいのかもしれないが。そこまで興奮して言われると、気になって来るよな。
まあ、そもそもである。メルベルメ錬金術店の製品はそもそもおかしいものが多いんだ。今更それが2つ3つ増えたところでの話である。まあ、言いたいことも解らないではないんだけどな? 色で採取物が解るなんて普通はあり得ない事なんだよ。魔眼の研究をしたからって、そんな事が出来るようになるとは思わないだろう? そもそも魔眼の研究は何処に行ったって言いたくもなる。副産物で作って良いものとそうじゃないものがあるだろう? まあ、今回のは作っても良いものの部類には当たるんだろうが、常識的な物で頼みたいところではあるんだよ。採取系の冒険者がこんなことを言って来るなんて余程の事なんだろうなとは思う訳だが、俺の知る所では無いからなあ。
それにだ。魔眼の研究なんて際物の研究をやっているって身内の錬金術師には言ってしまったみたいだし。そんな馬鹿気た研究をしていると聞いて、多分だけど、他の錬金術師はドン引きしていることだろうとは思う。なんで違う目を作っているんだろうと思ったに違いない。まあ、それは俺の発案でもある訳なんだけど、常識的に考えたら、色々とおかしな事があるってのも解るからなあ。色々とおかしい事をやっている自覚はあるんだよ。メルベルメ錬金術店の店主にはないかもしれないが。
研究職に、時間と素材を与えるとこうなるって典型例だとは思う。そこに俺の発想というエッセンスが加わった結果の悪魔合体なんだよな。どうしてそうなったのかは、知らん。この葉巻だってどういう経緯で出来たのかは知らない。でもまあ、色々とあるんだろうとは思うぞ? そう、色々とな。俺の知らない所で、色々と動いているに違いない。もう既に目玉は作れると言われても驚くことは無いだろうとは思う。培養できるようになっていると言われても、俺は驚かない。
「……なあ、本当に悪い物では無いんだよな? 色々と見えているけど、悪い事じゃあ無いんだよな? 俺は自信が無くなって来たぞ?」
「大丈夫だろう。駄目なら1回の使用で駄目になっているはずだ。それで何も無かったのであれば、何ともないんだろうとは思う。……メルベルメ錬金術店の店主は腕は良いし、ある程度は信用しても良いとは思うぞ? その、ちょっと、変わっている所があるとは思うが、それ以外は普通? 普通? ……普通とは言えないかもしれないが、ある程度の常識はあるとは、多分、思うし、その、なんだ。おかしな事にはならないとは思うぞ? おかしな事になっているのであれば、既になっていないとおかしいとは思うからさ」
「……微妙に信用できねえ返事だが、まあ、良いか。使えるものを使って何が悪いって言うんだって話だよな。新人にも使い方は教えておく。だが、それで楽をし過ぎてもあれだからな。色々と教えないといけないことはあるんだろうなとは思った。それだけだな。後はちゃんと採取が出来る冒険者に育ってくれれば良いとは思うんだよ。葉巻無しでもやっていけないと困るだろうしな」
それはそうだろうな。葉巻ありきで採取が出来ますって状況では駄目だろう。葉巻が無くても採取は出来ないといけない。それは解っているとはおもうが、新人にもしっかりと教えてやってくれ。こういう機会でも無ければ、そういう便利な道具の危険性は解らないだろうからな。便利な道具があるなら、それに越したことはないのは確かなんだけど、それに慣れすぎると、どうしても問題が出てくる。それについてもしっかりと教えてやって欲しいとは思うんだ。今後の事もあるんだし、色々と教えてやって欲しい。
というか、普通にやっていることだと思ったんだが、新人冒険者をベテラン冒険者が育てるって事をやれば良かっただけなのでは? 今は緊急事態だから、色々と試行錯誤をしている訳なんだけど、冒険者の指導をする冒険者も居ても良いんじゃないかとは思うけどな。色々とあるんだろうし、忙しいのかもしれないが、多少は使える冒険者に育つと思うんだよな。それを体系化しておくと、今後は楽になると思うんだがなあ。そんな余力はあるのかって所なんだけど。




