冒険者ギルドの職員がやってきた
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「それじゃあ、ここに来たのは、冒険者ギルドの職員が80名と、冒険者が280名、小規模商会が2組と、民間人が600名と、そう言う事ですか?」
「そう言う事になりますね。……予想よりも多かったと言ったところでしょうか?」
「そうですね……。予想だと300名くらいで収まるものだと思っていたので……。1,000名程度となると、結構厳しいですね。いや、財政的には余裕なんですけど、食料も足りるんですけど、住宅が……。その、どうしても今の水準の住宅を用意しようと思うと、後2か月程度は、いえ、1か月は欲しいですね。予備も作ってありましたけど、最大でも700名程度だと思っていたので……」
「こっちの見積もりが甘かったのもあるけど、もっと他の場所に割り振れなかったのか? ここも既に1,000人くらい居るんだが……」
「そうですね。……この際だから隠し事は無しでいきましょう。その方がこちらも、そちらも、都合が良いでしょうからね」
「そうですね。隠し事は無しでお願いしたい所です。こちらも隠すことは特にありませんので」
「ありがとうございます。まず、大前提として、ガロールには2万人の住民が住んでいました。冒険者も含めての数になります。それが5つの方向に流れていったわけなんです。そうなると、南側は4,000の集団になります。それで、農村から平民を回収しつつ、再配置を行いました。そちらは問題ありません。既に農村で受け持ってもらいましたので。そこからここまで来るのに、都市が2つ、比較的大きな町が2つになります。そこに都市には1,000、町には500置いてきました。その残りがこの人数になります。なので、平等に配置をした結果、このような事になったと言う事ですね」
「町にも500置いてきたんですか……。他の町には置いてこなかったと?」
「他の町には無理ですからね。食料が足りなくなります。農民の再配置がありますので、比較的大きな町でも無ければ、農村からの食料が足りなくなります。それは不味いので、置いてこれなかったと言う事になります」
「ああ、そう言う事ですか」
「それで? 冒険者の280人は何処まで出来る? 具体的に言えば、メギルサーペントを相手に戦えた冒険者は何人いるんだ?」
「80名程度、ですね。その他は雑用をメインにやっていた冒険者になります。80名程度と言っても、半分以上が1日に2、3体程度しか討伐出来ないですが」
「……実質の冒険者は40人も居れば多い方か。まあ、ここの魔物の方が比較的やりやすいとは思うが、そうか。肉の確保はやりにくくなるのか。……その他の冒険者は採取は出来るのか?」
「100名ほどは採取を経験しておりますが、この近辺の植生が解らないので、使い物になるかどうかは正直解りません。ただ、習熟してくれば、ある程度はと言う事になります」
「なるほどなあ……。どうしたものか」
「それで、平民に関しては、加護はどうなのですか? 特に足りないと言いますか、欲しいのは、鍛冶師や建築系、後は錬金術師なんですけど……」
「その加護に該当する平民は入っています。その辺りは平等に配置したつもりですので」
「……どう思う? 僕は最低限なら何とかなるとは思うんだけど」
「マジックバッグの供給が止まらなければ、何とかなるか? 正直、一番足りないのがマジックバッグだ。材料は良いとして、作り手だよな。魔道具師がこっちは1人しかいなかった。そっちに何人いるのかだよな。少なくとも3人くらいは居て欲しい所ではあるんだけど」
「それなら問題ありませんね。マジックバッグを作れる職人は5人は居ますから」
「それなら、商売に出ても、マジックバッグが足りないなんてことにはならないか。マジックバッグは一種の生命線だからな。今までは何とかしてきたが、これからも何とかなるとは限らなかったし」
「そうだね。マジックバッグの安定供給が出来るのは有難いかなあ。それと、小規模商人ですけど、何処までの規模ですか? 馬車で何台くらいになりますかね?」
「合計で馬車が8台ですね」
「足りないことはないか。最悪はこっちから貸せば良いんだし。何とかなりそう、だよね?」
「だと思う。後はこっちのやり方を飲んでくれるのかどうかって話になりますか」
「やり方、ですか?」
「そうですね。こちらとしてはこの街が、全員が運命共同体としてやっています。収入は勿論ありませんし、労働も無償です。そして、やる気が無いものに関しては追放という処置を取っております。幸いにして、今まで追放者は居ませんが」
「……現状を鑑みるに、仕方がないのでは? 殺されないだけまだ甘いとは思いますけど」
「それなら受け入れても良いと僕は思う。ようこそ難民キャンプへ」
「歓迎しましょう」
「ありがとうございます」
「それでなんですけど、冒険者ギルドの人が仕切ってくれても良いですか? 正直、僕は商人でして。行商に出ないといけないことが多数あるんですよ。なので、向こうのお貴族様との折衝なんかをお願いしたいとは思うんですが……」
「そちらは引き受けましょう。今までありがとうございます。運営方法は引き継ぎますので、色々と教えていただければ。改善策についても話し合いましょう。こうなってしまった以上は、お財布という概念は失くしてしまっていいですよね?」
「それで大丈夫です。皆の共有財産と言う事で」
何とか話ができる冒険者ギルドの職員で良かったな。……ただ、冒険者の質が問題にはなりそうだけど。ここの魔物はメギルサーペントよりも、ドッカコッコもドッカエイプも弱いから、討伐には支障は無さそうなんだけど、問題は雑用の冒険者が多い事か。早い所雑用から脱出してもらわないといけないだろうな。雑用は平民でも良いんだから。
冒険者にしか出来ない事をやって貰わないといけない。討伐が向いているのかどうなのかだよな。そもそも武器を買えなかったからそう言う事をしていたのであれば良いんだよ。こっちの魔物の方が弱いんだから。討伐は出来ると思う。問題があるとすれば、雑用しか出来なかった人たちだよなあ。冒険者として活動してもらうよりも、平民として動いてもらった方が良いんじゃないかなとは思うんだよな。ここまで来たら、元冒険者だろうが元市民だろうが関係ないからな。加護の有効活用も出来るだろうし、得意な事をやって貰う方がいいだろうな。……偶に加護と性格があわない人も居るんだけどな。
最悪は追放で構わないだろうし、運命共同体で頑張ってくれるならそれで良いか。目下必要なのは建築要員だな。皆で家を作らなければならない。詰め込んでも700人程度だと思っていたからな。もっと詰め込んでの生活になる。それは許容してもらわないといけない。最悪は野宿になるが、それも仕方がないだろう。こちらの準備が足りなかっただけの話だ。
何とか生きていかなければならない。少しでも前に進まなければならない。人口は倍になった。約2,000人だ。それだけの人数を生活させないといけないのだ。かなり大変だと思うぞ。足りないものはかなり多いからな。それを足すだけでも大変だ。何とかしないといけないよな。具体的には何がとは言いにくいけど、何とかしないといけない。エレンさんは引継ぎが大変だろうとは思うけどな。けど、冒険者ギルドの職員の方が慣れているとは思うし、適任だとは思うぞ。……もしかしたら、リーダーは下ろしてもらえないかもしれないけどな。お飾りでもリーダーは必要だろうとは思うしなあ。冒険者ギルドの人が前面に立っていいのかって話もあるだろうし。これからも大変なんじゃないかな?




