変な噂が流れている
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「はあ? 嫌がらせ? なんでまた?」
「さあ? でも、そういう苦情が来ているらしいよ? 僕も詳しい事は知らないけど、嫌がらせなんてしてないよね?」
「してないな。そもそもそんな暇がない。毎日のように労働をしていなければならないんだから、嫌がらせなんてしている暇もないし、そもそも難民は冒険者や商人以外は都市に入れてくれないだろう? どうやって嫌がらせをするって言うんだよ?」
「良く解らないから突っぱねておいたけど、そんな暇ないもんね?」
そんな暇はない。推定300人規模の冒険者ギルド職員とその他の家族や平民が来ると仮定して、急速に建築をしている最中なんだ。嫌がらせなんてそんな暇なんて無いんだよ。そもそも都市に入れない様にしているのに、誰が嫌がらせをするんだよって話である。良く解らないなあ。冒険者が嫌がらせをする訳ないし。そもそも誰が難民なのかは解らないとは思うんだよな。冒険者も割とまともな服を着ているんだし、エニュール商会からも購入できるんだから、まともな服装はしているんだよ。
存在自体が嫌がらせだと言われたら、それはそう。それはどうしようもないな。難民にこの土地を使えと指示したお貴族様が悪い。あばら家で済むと思ったんだろうが、スラム街ってよりは本格的に街って感じだしな。建物も立派だし。その分の資材はある程度は買っているんだから、文句は出ないはずなんだけど。……盗んでいるならともかく、買っているんだから問題ないだろう? そもそも最近は自給できているので、買っている訳ではないんだが。錬金術師の薬剤のお陰で色々と時短が出来ているんだよな。メルベルメさんには感謝しかないな。子供に教えながら錬金術をしているらしいし。未だに結婚出来ていて、子供がいるって言う事実に向き合えない訳なんだけど。なんであれで結婚できたんだろうな?
「それでなんだけど、噂で流れてきたんだけど、もうガロールには住めないんじゃないかって言われているんだよね。なんか本格的に噴火しているらしくてさ。農村が火山灰塗れで作物を育てるどころじゃないらしいんだよ。都市の一部にはマグマが流れ込んでいるらしいし、復興までにはかなりの時間と費用がかかるんじゃないかって言われているらしいんだよね。これも何処まで正しいのかが解らないんだけどさ。噂でも、ここまで早く噂が流れるかなって事なんだよ。流れてもまだまだ先の話じゃない? そう思うんだけど」
「……確かに。妙だよな? そういう噂ってのは、そもそも冒険者ギルドの職員なんかが逃げてきて、その後に流れてくるものなんじゃないのか? 流れるにしても早過ぎるだろう」
そういう噂ってのは、ある程度真実味が無いといけない訳なんだけど、余りにも早過ぎる。既に冒険者ギルドの職員が逃げてここに来ているならまだしも、そんなのもまだなんだぞ? 誰がそんな噂を流しているんだ? 利益にならないはずなんだけど……。
バウンティが拠点にしたのかって思ったのもあるんだけど、それにしてはリスクが高すぎる。賞金稼ぎがその噂を聞いたら、間違いなく確認しに行く。俺だったらそうする。でも、それを使うにしても、まだ早いんだよなあ。あくまでも囮に使うだけだろうし、そういう情報が流れるにしても早過ぎるんだよなあ。何が目的なんだろうか?
そもそも見てきたような噂ではあるものの、大体の人がそのくらいは想像できるんだから、見てきたのかって言われても怪しい。だけど、その噂を流して何になるのかが今一つ解らない。
「嫌がらせと言い、噂と言い、何が何でも早過ぎないか? まだ起きてから1年も経っていないんだぞ? それなのにあれやこれやとイベントが起きるんだ?」
「何をしたいのかが今一つ解らないのが面倒ですね。何かしらの影響力がある人が言っているのであれば、非常に面倒なことになりそうで」
「面倒ごとは嫌だな。比較的この難民キャンプはマシな方だと思うけど、他の所はこうは上手くいっていないだろうしな……。噂が流れて自棄にならないと良いんだけど。……そもそもこの場所だけ噂が流れたって可能性もあるんだけどな。本格的に何をしたいのかが見えてこないが。シュツメルツ辺境伯とジェロニモ子爵の仲が悪いとか、そんな噂はあるか? それならまだ、解らないでもないんだけど……」
「そんな噂は聞いた事がないですね。まあ、当人同士の話ですので、解らない所ではありますが」
「本当になんで流れた噂なんだろうか? 噂が冒険者ギルドの職員たちを追い越してくる事なんてあり得ないのにな……」
良く解らないが、貴族の仲が悪いのであれば、そういう噂を流して、多少の混乱を誘うなんてことも出来ないことはないんだけど、そもそもそんな事がないのであれば、意味がないんだよな。何が目的でそんな噂を流したのかが不明なんだよなあ。何故なんだろうか? 意味があるのかどうかが解らない。俺は意味無いとは思うんだけど。そんな噂を流したところで、ここの居心地が変わる訳ではないしな。
居心地は、はっきり言って悪い。建物は悪くないんだけど、空気がな。どうしても難民キャンプだから。正規の住民ではない訳だし、空気自体は悪いんだよ。生活している身としては、別段不便はしていないんだけどな? まあ、トイレが面倒になったくらいなものか。汲み取る冒険者が居なくなったから、自分たちで処理しないといけないし。それは確かに面倒だとは思うけど、それ以外は別に、なあ? そもそも難民キャンプに居心地を求めるなとは言いたい。
「でもまあ、何とかなりそうで良かったけどな。後はもう1組だけでも商人が来てくれれば有難いんだが……。冒険者ギルドに小規模商人がついてきていないものなのかね?」
「運次第じゃない? 僕も無いとは言い切れないしね。小規模だから、護衛を雇えなかったとか、色々と理由があるんだろうけど、ここまで来る商人が居ないとは思わないよ。もう1組だけでも来てくれると、僕も色々と動きやすくなるんだけどね」
「まあ、な? それでもギルドのお偉いさんが来てくれたら交代でも良いしな。来てくれるのかどうかは微妙な所だろうとは思うけど。お偉いさんは普通に難民じゃないって認定されそうなんだよな。商業ギルドの職員はそうなっているだろうし。文官としても使えるからなあ。冒険者ギルドよりは立場が上にあるんだろうしさ」
「まあねえ。でも、言っていても始まらないからさ。多少は何とか自分たちでしないといけないんだろうね。冒険者ギルドの職員がくれば、色んな事の解消が出来るとは思うけど。特にお金周りの事はお任せしたいかな。商会だけのお金ってものは、もう無くなってしまったけどね。皆の共有財産って感じだし。冒険者の収入も大きいから、結構いい感じにはなっているんだけどね。一応財政的には黒字になっているんだよ。外から石炭は買わないといけないけど、それ以上に冒険者の収入が大きいからね。健全と言えば健全なんだよ」
「健全であってくれないと困るんだけどな? 冒険者が稼ぐよりも多くのお金を外に出していたら問題しかないからなあ。後はどれだけの冒険者を連れて冒険者ギルドの職員がやって来てくれるのかだよなあ。そこは少しは期待したい所ではあるんだけど」
冒険者ギルドが抱えている護衛の数だけ冒険者が増えることになるからな。そういう冒険者にも働いてもらわないといけない。難民キャンプで1つの共同体なんだよ。皆で生き残らなければならない。そういう認識で居てくれるのかどうかなんだよな。




