逃避行
OFUSE始めました。
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さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
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「皆さま、集まって貰って感謝をしております。これから馬車20台、冒険者の護衛25人と共に南へと向かいます。冒険者の方々は本気の護衛をお願いします。民間人が結構な数いらっしゃるのと、マジックバッグが大量に積んであります。盗賊団も本気で襲って来るでしょうから、対応をお願いします。それと、民間人で馬車を運転できる人が居れば、盗賊団から馬車を徴収出来た場合、運転してもらう事がありますので、運転できるという方が居れば、その時に申し出てください。それでは、出発します。早急に避難をしましょう!」
そんな訳で朝。避難民が旅立つ。村に関しては、冒険者ギルドと商業ギルドが何とかするだろうし、そもそもが領主案件である。領民を放置するとは思えない……とは言えないんだけど、まあ、民間人の俺たちが何とかすることではない。出来る限りの事はやったつもりである。冒険者も本気で護衛をしてくれるので、問題ない筈なんだよな。俺も本気で相手をする。手加減なんてしないつもりだ。
「いやあ、まさか回復魔法使いの方が同乗してくれるとは思いませんでした。これで幾らか安心して旅が出来ますね。レイウード君の伝手には感謝です」
「いや、まさかでしたよ。普通にもう逃げていると思うじゃないですか。領主たちは真っ先に逃げ出していたんですし、重要人物は一緒になって逃げていると思っていたんですよ。そうしたら逃げていないって言うんで。一緒に逃げてくれるのは心強いですよ。負傷しても治してもらえるんですから。正直、冒険者の士気が上がったのを感じてますよ。多少の無茶をしてもいいんだってなりますからね。無茶が利くのは有難い事ですから」
まさかの事態に困惑しているのはこっちもなんだよ。まさか回復魔法使いが居るとは思わなかった。そんなのは当たり前で、領主が逃げたと同時に、一緒に連れて行っていると思ったからな。俺なら連れていくし。道中が安全になるんだったら連れていく以外の選択肢がないだろう? なんで残っているんだよ。おかしいだろう? しかも3人も。なんで置いて行かれたんだろうか? 性格に問題があるのかね? メルベルメ錬金術店の店主の推薦だからなあ。ちょっと不安が残るのは仕方がないとしてもだけど。
「それで、何処まで逃げるつもりで居ますか? 少なくとも、馬車で30日くらいは移動しないといけないと思うんですが。……近場の避難先には既に難民が押し寄せているんでしょうし、これからもっと押し寄せてくるんですから。最低でもそのくらいは離れないといけないかと思います。それで、場所に当てはあるのかって思ったんですが、あります?」
「一応はあるよ。僕も商人として成功したいからね。大規模商人には、ちょっと無理かもしれないけど、今の規模的には中規模商人の小さい方だから、商売が出来れば、良い所に食い込めると思うんだよね。それを考えると、大きい町の方が良いんだ。しかも、冒険者が多い方が食料品も大切になって来るし、そこを狙っていきたいと思っている。そうなってくると、ジェロニモ子爵領の山岳都市、デカレントが候補に上がってくると思うんだ。ここから42日の旅になるんだけど、そこまでいくと盗賊も少ないというか、殆ど居ないからね。安全に商売が出来ると思うんだよ。狙いはそこの1点に絞っていこうと思っているよ」
「山岳都市と言う事は、山の中腹あたりに都市があるんですか?」
「いや、麓にある都市だ。そこから順に山岳町があるんだよ。順番に昇っていくんだよ。そっちは魔物たちの住処だから、商売をするのは難しいとは思うけど、デカレントに品物を卸す商人は幾らでも必要だと思うからね。山岳町に食料を届けないといけない。そうなってくると、護衛依頼なんかもあるだろうし、魔物との戦闘もある。冒険者も多くいると思うから、それなりに冒険者たちも納得してくれると思うんだけど……。どうかな?」
「良いんじゃないですかね? ちょっと知らない土地の話になるので、どんな魔物がいるのかとかが解りませんけど、何とかなるでしょう。問題はそこまで避難民がいるかどうかですね。居ないとは限らないと思うので。村はそもそも避難するには向かないですし、町もそこまで大きくない。避難するとしたら都市になるかと思いますけど、遠さ的にはどんな感じなんですか? 42日って大きく移動をしているようには感じますけど、とりあえず、シュツメルツ辺境伯領は出るんですよね? ジェロニモ子爵領って事は、ですけど」
「一応出るけど、それでも辺境伯領からは隣の貴族家だし、そこまでに都市は2つ程度しか無いからね。南側に移動するとなると、順番的には都市で3つ目になる。そこまで離れている訳ではないんだ。だから、他にも難民はいるだろうね。特に冒険者の難民は多いと思うよ? そこなら思う存分稼げるとは思うし。山岳町にいけば、依頼なんて請け放題だろうからね。ある程度の強さの冒険者なら、最高の立地なんじゃないかな。僕はそう思っているよ。だから、そこで商売が出来れば、大きく儲けられると思うんだ。勿論だけど、そこに住み着くつもりで商売をしていこうとは思っているよ」
「まあ、定住することになりますよね。俺もどうするかな。とりあえず、魔物を見てから、になるかなあ。定住するにしても、資源の手に入り具合なんかも確認しないといけないだろうし。必ず必要なものが揃うとは限らないからなあ。でも、稼げそうなのは良いですよね。冒険者としては有難いです」
稼げる場所であるというのは良い事だな。……問題は難民が何処までこっちに来るかなんだけどな。なるべく遠くに行く予定では居たんだけど、流石に領地を跨げば、懸念していることは避けられるんじゃないかなとは思うんだよ。……最悪の場合は、色々とあると思うんだよなあ。下手をすると、定住できない可能性もあるんだよ。お貴族様が何をしでかすか解らない所があるからな。可能性の話として、定住できない可能性もあるんだよ。まことに遺憾ではあるんだけど。
「お? あそこに馬車があるね。……幸先が良いと考えていいのかな? 馬もいるし、ちょっと盗賊を追い払ってもらえるかな? 馬車は幾らあっても良いからね。……デカレントに着いたら、馬車も修理に出さないといけないかな。レイウード君にまだ壊れている馬車を3台持ってもらっているし」
「荷物持ちくらいはしますよ。加護がストレージですから。それじゃあ何人か連れてちょっと行ってきます」
まだ1日目だというのに、幸先のいいことだ。馬車が手に入るぞ。馬も居てくれるから、良い感じだ。壊れていないのは2つかな? 乗客が増えても大丈夫になるだろう。……増える可能性はあるんだよなあ。これがまた仕方がない事ではあるんだけど。出来る限り拾いたくはないんだが、拾わざるを得ない時もあるから問題なんだよな。
「それじゃあ一気に決めてしまうぞ! 突撃!」
「「「「「おお!!!!」」」」」
そんな感じで突撃したら、一瞬で終わったんだよなあ。それはそう。戦力的にはこっちの方が多いんだから。盗賊団も逃げれば良かっただろうに。逃げても馬車は持っていけない訳なんだけどな? それはこっちで貰うから。犠牲になった商人には申し訳ないが、これもやらなければならない事なんだよ。馬車が増えたことは喜ばしい事だ。これで積み荷の分散が出来る。22台の馬車が山岳都市デカレントを目指すと。俺も冒険者として活動できればそれで良いからな。後は鉄なんだけど、大丈夫かな?




