ちょっとした地震
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「今日も景気よく倒してやがるなあ。他の冒険者も見習ってほしいが、なんだかんだと討伐に参加している奴らは目的意識が低いんだよな。もっと倒しても良いんだが、それをすると数日動かなくなるしよ。お前らの酒代も、上がるかもしれねえってのにな。酒が一番に割を食うからな。必要な物はまず食料だ。それなのに酒を持ってくるような余裕は無いんだよなあ。酒がよく売れるのは解っているんだが」
「酒なあ。まあ、言いたいことは解るが、酒がないと本気で怒る奴らも居るからな。そういう奴らに護衛依頼をさせてやれば良いんじゃないのか? 自分たちで飲む酒を買いに行かせるんだよ。そうしたら護衛依頼も埋まって良い感じになるんじゃないのか?」
「いや、そういう奴らは護衛依頼中に酒を飲み始めるから駄目だな。仕事だって解っているとは思うが、それとは別問題だって言って飲むだろうからなあ。面倒だが、そういう奴らは護衛依頼には向いていない。夜番も必要になることもあるんだ。酔ってたら寝てしまうだろう? そんな奴らを護衛に付かせても、商人を殺すだけだからなあ」
それもあるのか。酒が飲めるくらいに稼げている冒険者を駆り出せれば、護衛としても結構良い感じになるとは思ったんだけどな。酒で負けましたって事になられても困るよなあ。流石に昼間っからは飲まないとは思うが、飲まないよな? 流石に夜だけにしてくれるよな? 自信は無いけど。盗賊団の相手くらいなら出来る様な気がしないでもないが、警戒は出来ないだろうな。そうか。酒を餌に釣れないかとは思ったんだけど、無理そうだな。
「それでも何とか、上位層の奴らにも護衛依頼を頼めるようになったのは良い事だ。しっかりと冒険者ギルドも商業ギルドも金を出すって事になっているからな。報酬が上がれば、護衛依頼を請けてもいいぞって奴らが増えてくれるとは思うんだよな。冒険者ギルドからもおススメ依頼として請けてくれるように頼むんだから、冒険者も請けてくれると思うんだがなあ。まあ、渋々って感じなんだろうが。お前さんも受けないのか?」
「俺はまた知り合いの商人が仕入れに行くから、それについていくことになっている。依頼もちゃんと請けたぞ? そっちの方が俺にはあっているからな。知り合いの商人を見殺しにするのは避けたいし、依頼はちゃんと受けているさ。まあ、それ以外の護衛依頼はちょっと願い下げって感じなんだけどな。連続で護衛依頼に行くと、どうしても武器の調達が出来ない。値段もかなりの金額になるからな。こっちで稼ぐ事も考えないといけない。もうちょっと値段が安ければ良いんだがなあ。鉄の代金だけでもかなりの額になるし、面倒だけど依頼を受けるのは、知り合いからだけになるかな」
「まあ、全然受けないよりは良いのか? その商人も良い縁があったものだよな。優秀な冒険者との縁は重要だからな。なんにしても縁が繋がらなければ、思ったようにいかないものなんだよ。冒険者ギルドも今回の事で懲りたとは思うけどな。商人が居なくなって困るのは冒険者ギルドも同じなんだよ。いなくなったらそれこそ仕入れに問題が出てくるからな。……それで? お前さんの武器の話なんだが、どの位集まったんだ? それこそ何十何百と用意しているんだろうが、どの位集まった? 後どのくらい必要なんだよ?」
「武器か? 今で300って所だなあ。後200は欲しいんだけど、それをするにしても金が無いのと、どうしても鉄が足りないんだよ。出世払いで何とかってしたいんだけど、それも出来ないからな。鉄が無ければ、そもそも武器も作って貰えない。だから鉄は大量に入手しないといけない訳だ。これからも結構な数のアイアンゴーレムを倒すことになるとは思うぞ? 鉄が入手できないと話にもならないからな」
「……300か。まあ、思ったよりも少ないな。鉄の入手から考えたら、数千は集まっていてもおかしくない量だとは思っていたんだが、そうか。300か。……秘密とは言え、ちょっとばかり大きすぎないか? ちょっとどころの話じゃないだろうよ。大分デカい武器を使っているんだな。まあ、詳しくは聞かねえけどよ。でも――」
……ゴゴゴゴゴゴゴ
「……地震か? 珍しいな。地震なんて数える程度しか起きていないと思うんだが?」
「いや、お前なあ! やけに冷静だが、地震だぞ!? なんでそんなに落ち着いていやがる!?」
「とはいっても、そこまで大きなものでもないし、慌てふためくほどでもないだろう?」
「慌てるだろう!? そこまで平然としている方がおかしいぞ!?」
「とはいってもなあ……」
そりゃあ、地震国日本で育ってきたからな。年に数回は大きな地震を経験するんだ。今回の地震は縦揺れの震度2って所だろうから、そこまで慌てるものでもないとは思うが。そもそも海が近くに無いんだから、津波の心配はないし、そこまで警戒しないといけないものなのかね? この程度の地震なら、この辺の建物でも十分壊れない程度の強度はあるはずなんだが。
「建物が壊れるだけの大きさでは無いだろう? 流石に大きな地震なら怖いかもしれないが、今の揺れ程度なら知れているはずだ。そこまでビビる程か?」
「いや、ビビるだろ。地震なんて滅多に起きないんだからな。そもそもなんで落ち着いていられるんだ? そっちの方が不思議だぞ?」
「いや、慣れもあるんだろうが、アイアンゴーレムのいる場所だと、地震とまではいかないが、足場が震えることはよくあることだしな。それに対していちいち驚いていたら仕事にならない。地震も珍しいが無い訳ではないんだろう? ならそこまで怯えなくても良いじゃないか」
「いや、いやいやいや。普通にビビるって。滅多に地震なんて起きないんだぞ? それが起きたらビビるだろう? 慣れたってどう言う事だよって言いたくもなるぞ? 普通揺れに慣れるなんてことがあるのか?」
慣れるんだよなあ。日本の地震を甘く見て貰っては困るんだよ。大体どの地方に住んでいても、月に1回くらいは揺れるんだよな。多い時もあれば、少ない時もあるが、1年間揺れないって事の方が珍しいからな。何時地震が起きても良い様に準備は出来ているとはいえ、心構えが出来ていると、そこまで怖い物でもないんだよな。まあ、大きな地震は例外だとしてもだ。小さい地震なんて起きて当然というか。そこまで警戒しないといけない事なのかと問いたくもなる。
「まあ、そこまで混乱するほどの地震でも無いだろう? 今回は適当に揺れただけなんだから。揺れただけで何かが起きる訳でもないんだろう? それなら良いじゃないか」
「いや、まあ、そうなんだけどな? それにしても慣れすぎだろう。なんでそんなに慣れているんだよ。そっちの方がおかしいからな? 地震なんて滅多にないし、気が付いたら建物の下敷きになっているなんてこともあるかもしれないんだ。警戒しても損はないぞ? 無関心なのはどうかとは思うがな?」
まあ、無関心よりはいいのかもしれないが、建物が倒壊しても対処は出来るようにしてあるからな。その時はストレージの加護をフル活用すればいいだけなんだから。対処できるだけの手札があるんだから、ビビる必要は無いんだよな。そんなに怖がっても意味がないし。地震だろう? って感じなんだよな。まあ、耐震基準なんて無い世界だ。ちょっとの地震でも建物が壊れる危険性はあるとは思う。その程度だよな。対処できない訳でもないんだし、それで良いとは思うんだがなあ。もうちょっと冷静に対処できないと、パニックを起こしたらもっと危険になるんだが?




