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ストレージで無双する  作者: ルケア


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襲い掛かってこんばんは

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「68,740ギレットだ。……相変わらずだな」


「でさぁね。これだけ稼げてまだ稼ぐってんだからすげぇよ」


「まあ、今回はそこまで魔物と出会わなかったんですけどね。ちょっと倒し方を工夫しまして。いつもとは状態が違ったかなとは思うんですけど……」


「まぁそうだなぁ。集中的に頭を狙ったんだろうなぁという事は解った。今までは全部がぺしゃんこって奴も多かったからなぁ。それに比べりゃぁ進歩してるぜぇ?」


「ですよね。今までとはちょっと考え方も変えてみたんですよ。それだけの余裕が出てきたって事なんですけど、その分、魔物との遭遇は少なくなったって感じですかね」


 そう、なんともまあ酷い話ではあったんだけど、今までは当たれば良いと考えてドカンとしていた訳だ。それだと値段がなあ。素材の価値が落ちるんだよ。だから買い取り価格が若干上下していたんだよな。それが漸く狙いを定めることに成功しているんだ。……外す割合も増えたんだけど、将来的にはピンポイントで攻撃しないといけない事もあるだろうし、今後に備えてって奴だよな。今後はどんな魔物を相手にしないといけないのか解らないし。万年ここで頑張るって訳にはいかないと思う。なんだかんだとこっちもストレージの加護を使って最強を目指したいわけだ。無双をしたいわけだ。それには環境を変えても戦えるだけの力が欲しいんだよな。ここだけで満足するつもりは毛頭ないんだよ。


「じゃあ、ありがとうございました。また来ます」


「またって言っても明日なんだろう? ちゃんと休めよ」


「まったくだぜぇ? 休むのも仕事だぁね」


「そんなに運動している訳では無いんですけどね」


 そもそも戦うのに動くことはほぼない。移動砲台をしているだけだからな。まあ、色々と工夫はしていますよって所なんだけど。工夫は大事だ。何よりも稼ぐための工夫は大事だ。毎日毎日同じことの繰り返しでは芸がない。ちょっとずついい方向に変化していかなければならないんだよ。これでペースを上げられれば、もっと稼げるようになると思っている。それで良いと思うんだよな。


「……夜道には気を付けいてるが、何の用なんだろうな? 雰囲気的には5人の感じなんだけど」


 後ろから接近するのが2人。前に回り込もうと走り込んでいるのが3人居る。盗賊紛いの事をやるつもりか? こんな往来でか? 馬鹿じゃないのかね? まあ、話くらいは聞いてやるつもりでは居るが。何をしたいんだろうなあ。こんなことをして、どうするっていうんだよ。


「止まれええ!」


「はいはい。気が付いてるし、そもそも大声を出してもいいのかね? 誰かに気付かれたら終わりなんじゃないのかい?」


「うるせえ! 最近ちょっと稼いでるからって調子に乗りやがって! 木札を置いていきな! こっちは5人も居るんだ! ちょっと傷めつけてやっても良いんだぜ?」


「5人しか居ないの間違いでしょう? それともなんですか? 殺すんですか? 弓なんて構えて。後ろだからって解らないとでも思いましたか? そのくらいの能力はありますよ?」


「なあに。当たり所が悪くなきゃ死にはしねえよ。さあ、木札を置いて去るんだな」


「断りますね。なんで稼ぎを渡さないといけないんです? 馬鹿らしいですね」


「……お前、この状況を解ってないのか?」


「解ってますよ。殺すことも出来ない腰抜けが5人居るだけでしょう? そもそも、奪うなら奇襲をかけて確実に殺すのが普通でしょうに……。甘々ですね。盗賊のなりそこないと言う事でしょうか? それでも盗賊なら殺すことに躊躇いが無いですからね。盗賊以下、いや未満ですか」


「――!!!? やれ! やってやれ!」


 後ろから弓が飛んでくる気配がする。風きり音も聞こえるようになっているんだよ。……多分だけど、なんだかんだとレベルがある世界なんじゃないか? 日々、色々と変化があるんだよ。毎日欠かさず体術の訓練をしているけど、日に日に精度がおかしいくらいに成長しているんだ。なんでなんだろうとは思っていたんだけど、多分だけどレベルが上がっている。だから、五感の全てが強化されているような気がするんだよな。今回の矢が何処に当たるのかは解らない。けど、避けるまでもない。


 矢が一瞬のうちに消える。そして、真っ直ぐ前方に駆ける。筋力もなんだか強化されているような気がするんだよな。今なら出来ることが増えていると思う。


「!? クソが!」


「甘いですよ? 動きが遅すぎます」


 振りかぶった剣を収納し、空振りさせる。その空振った手を捻り上げて後ろから思いっきり前へと押す。この時に足を踵に当ててやると、そのままの勢いで倒れて腕の関節が外れながら転げまわる。


「ぁああああ!!!?」


「隙だらけですよ? こちらが何かをする前に動かないと」


 左右に居る人の胸目掛けてナイフを発射する。重さが無いから速度がそこまで出ないが、構造上、空気抵抗は受けにくい。だから自由落下させてもそこそこの威力にはなる。そう、胸に突き刺さるくらいの威力は出るんだよ。これで3人。更に後ろからの矢も当たらないと解っていても収納する。これでプレッシャーが与えられると思う。まあ、そもそも暗くて見えていないのかもしれないけどな。


「さて、これで終わりですか。自分の矢で死んでください」


 飛んできた矢というのは、運動エネルギーがしっかりと働いている。だから反対側に打ち出せば、胸くらいは狙える。放物線を描く様に、矢が弓を持っている人たちに当たりゲームセット。鎮圧は完了した。


「さて。……殺すのは何も盗賊の時もそうだったんだけど、自分で手にかけるのは初めてですね。首は落としておいた方が良いでしょうし、しっかりと殺しますか」


 ……殺すことに躊躇いが無い訳では無い。けど、その程度の覚悟も無しに、こっちは生きる事を選択していない。農村では、冬に凍死する子供たちも多くいた。泣きながら火葬をしていた人もよく見てきた。よく遊んだ友達も、何人も死んだ。覚悟なんて当の昔に出来ている。失う事なんて慣れている。それが、赤の他人の命であれば、出来ないことはない。


「……と、解っていても、来るものはありますか。初めて、自分の意志で人を殺してしまった訳ですし。まあ、仕方がないと諦めるしか無いんでしょうねえ。心を閉ざしてしまう事は難しい事ですし」


 首を刎ねて、ストレージにしまう。それで後は冒険者ギルドに報告するだけだ。冒険者証は5つ回収済みである。普通に首からかけていたからな。冒険者だって解る様にしておくなんて馬鹿らしい。こういうことは証拠が残らないようにしないといけないって教わらなかったんでしょうかね?


 報告するのに、気が重い。マジックバッグの中身も確認したけど、碌に金銭も持っていなかった。換金用の木札に書かれていた金額も380ギレット。メギルサーペントを1体だけ倒したんだろうなって金額だ。だからって、盗賊の様な真似をするようになるとはな。


「あらあらいらっしゃい。今日は、……何かあったわね?」


「ええ、すみません。冒険者を殺しました。そこの北通りで襲い掛かって来たので」


「じゃあ換金は後。ちょっと事情を聴取するからこっちに来なさい。これは命令です。良いですね?」


「解っています。流石に何もない方が怖いので」


 事情聴取をされる事になる。それはそう。当然だよなあ。人を殺しておいて、何事もありませんよっていわれる方が怖い。そんなにも殺伐としている方が怖いんだ。普通に事情聴取されることに安堵するとはなあ。これが今世か。

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