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転生しない  作者: めれ
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第25話 毎日お風呂に浸かると幸福度が高くなるらしい


第25話 毎日お風呂に浸かると幸福度が高くなるらしい



『お風呂?お貴族様が入るやつですよね?』


『そうよ!お湯に浸かるとね、一日の疲れがとれたかのようにスッキリするの!本当は1人で作ってみんなを喜ばせたい所なんだけど、私一人だといつ出来るかもわからないし…二人ともお願い協力してくれる?』


『風呂…風呂……風呂ぉぉぉぉーーー!!やります!エリザベス様!やらせてください!』


『えっうん、ありがとう。』

 いつになくやる気満々のロトに驚きながらも”皆仲良し大作戦”の風呂づくりは始まった。


風呂は湖の側に穴を掘り、石を敷き詰め、私の”炎魔法”とアンの”癒し”の魔力を込めた魔石を石に埋め込み温めるという工程で作ってみることにした。ロトに石を”移動”してもらい、ドレークさんと私で穴を掘り、隙間なく石を埋め込んでいく、最後に石に魔石を埋め込んだら完成。穴掘りにはダーウィンのスキルを込めた魔石がとても役に立ち作業はお昼過ぎに終わった。

 途中、マイ〇ラ式の魔石回収自動装置の所でお留守番をしていたマリンの様子を見に行くと大量の魔石をゲットでき、ウハウハでマリンを連れて湖に戻った。


『さあ、お水を入れるわよ!』

マリンに大きくなってもらい、湖の水を含み、マーライオンのように水をお風呂に流してもらった。


『スライムが吐いた水に浸かるんだよな…』


『なんか、ねぇ…』


『アンの”浄化”のスキルがこもってる水だもの大丈夫よ!気にしない気にしない♩』

徐々に水が暖かくなっていく、これで【お風呂が沸きました。】と言ってくれたら最高なんだけど。



『エリザベス様、すいません!』

ロトはすぐさま、服を脱ぎお風呂へ直行した。

『ちょ、ちょっと!!』

さすがに男の人の裸を見るのは恥ずかしく、顔を赤らめながら後ろを向くことにした。



あーーーーーーーーーーーー



ロトの息が漏れる声にドレークさんも脱ぎだし、お風呂に入る。


『湯加減どう?』


『最高です!!エリザベス様ありがとうございます!!』

『働きづめだったからなー、これは明日もやる気出るわー』

二人の満足そうな顔に小さくガッツポーズをした。温度は魔石に魔力を込める際、【40℃、40℃、40℃】と念を唱えながら作った。子供たちが入るときは熱いか聞いてみよう。




『よし、ロト!ひとっ風呂浴びたら、出かけるわよ!』


『えええ!もう人使いが荒いですよー』

私への株価が上がるや否や急降下で下がっていくのが目に見えてわかった。




ーーーーースラム街ーーーーー


花火以降、街の住人には少しだけ活気が出てきた。花火やエリザベス様の話をするもの、普段家にこもりっきりだった人が外を歩きだしたり、病に伏せていた人間が体を起こせるようになったりと変化が出てきた。街の住民たちからはあの花火を”女神の炎”と言い出すものまで出てきた。



『なんで、どうして?”呪い”にかけているはずなのに……!!』

”女神の炎”なんてものがこの世にあるはずはない、なにかのスキルによるものだと確信していた。

街をしらみつぶしに回るが不審なものは見当たらない。

コルクは焦り、苛立っていた。


『コルト、どこ行くのー?』


『…アンリ姉ちゃん、ちょっと散歩だよ。』


『私も着いていく!ちょっと待ってて!』

アンリが邪魔で仕方ないがエリザベスに繋がる唯一の手掛かりを殺すわけにはいかない。


『おまたせ!いこ!』

美味しいものは最後にとっておこうと殺意をしまいこみ、スラム街のコルトへ戻って行ってた。


『うん!』



ーーーーーーーーーー




『到着!』


『もう、人使いが荒いんだからー』

私と少しだけ髪が濡れたままのロトはアインツ家のエドワードの部屋へ飛んでいた。



『姉様!』


『ごめんね、急に来てしまって。』


『えっと……今日はアンさんは…』

やはり、ほの字らしい。

『ごめんね、今日は来てないわ。』

とても残念そうにしていたが、切り替え本題に入ることにした。


『これがカイロの試作品よ。お父様と面会の予定を立ててほしいのだけど。』


『わかりました。すぐに話してまいります。姉様、自室で見慣れを整えていらしたらどうですか?ロトさんはそうですね、私の部屋で待機していてください。』


『あのー、タオルを借りてもいいですか?』


『構いません。お好きに使ってください。』


『ありがとうございまーす。』

ロトはどうにもチャラい。管理人さんに似ていてとても苦手である。

自室に戻ってからはやっと帰ってきたという安心感で少しホッとしていた。

着替えを済ませて、顔の汚れなり髪型を整え、何着かドレスをインベントリに入れて置いた。



コンッコンッ



『失礼します。お嬢様、ご無事で』


『ただいま、ステラ』

今にも泣きそうな顔をしている私の幼少期から仕えてくれていたメイドのステラ。母親という存在が側にいなかったエリザベスにとって、ステラが母親そのものだった。


『ご自身でなおされたようですけど、髪が飛んでらっしゃいますよ。すぐにお支度を。』

お風呂に入っていない私に対して、嫌な顔せず、何も聞かずに無言で髪を直し、メイクをしてくれた。



『姉様、準備が整いました。』

ドアの向こうからエドの声が聞こえる。



『いってらっしゃい、エリザベス様』



ステラに頬を触られながら身を引き締め、お父様の元へに向かった。

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