第21話 人間関係は鏡である
第21話 人間関係は鏡である
『前から思ってたんだけど、お貴族様の割に嬢ちゃんくだけすぎじゃないか?』
『なにをバカなことをおしゃるのかしら!私が漫画大好きなオタクなわけがないじゃないのー
オホホホホホ……』
『漫画?オタク?なんだその言葉。』
ドレークさんがいうのも無理はない、キャラの性格を無視して保家とく子として過ごしている私はこの世界にはなじめていない。自身の性格的に何かを演じるのは不得意である。
『ほっほっほっ!エリザベス様はスラム街の者たちと打ち解けやすくするためにわざわざ砕けたしゃべり方をしてくださっておるのじゃ、お前さんも察しなさい。』
スラジイ、ナイス!
ともあれ、私の炎魔法を披露したことによって魔物退治反対派のメンバーも渋々今回の計画を賛成してくれた。私とヒトラがいれば魔物なんておちゃのこさいさいであろう。
『いかないわよ。』
『えつ!!!!!なんで!?』
『私は今はシンの使い魔のようなものだし、板前チームのリーダーがここを抜けるわけにはいかないでしょ。それにこの前の野菜から作った畑の管理もあるからシンはそっちのチームに行くの無理。私が行くとあいつら逃げちゃうんじゃない。この拠点だって私が虫よけしとかないと群がってくるわよ。まっ私と戦ったあんたなら大丈夫でしょ♩』
確かに湖を浄化して魔物は少なくなっているが全くいないわけではない。この拠点付近寄ってこないのは体は小さく可愛くなったがヒトラの魔物としての覇気のおかげで寄り付いていないだけだ。
『ごめんなさい。エリザベス様。』
『シンが謝ることないわ!』
私以外のメンバーは誰を連れて行こう。
『エリザベス様、私を連れて行ってください。きっとお役に立って見せましょう。』
再び知らない男の人が現れた。
『あ…うん、よろしくお願いします。』
曖昧な受け答えで対応した。エリザベスは-10の心のダメージを受けた。
後で出発する前にランカにこの人の鑑定をしてもらおう。
話し合いの結果、魔物退治には私・アン・ウォルトさん・クラウスさん・ロトさん・知らない人2人の7名で向かう事になった。危険を感じたらロトさんの移動で逃げる戦法だ。アンは回復が出来るし、ウォルトさんも武術ができる、クラウスさんもスキルはまだ開花してはいないが本人曰く人並みには戦えるという事、後は知らない人の能力だが。
『ねえ、ランカ!あの二人の能力をもう一度見てもらえる?』
『えー、スキル使うと疲れてこれからの仕事ができなくなるけど、それでもいい?』
『いや、それは困るけど…』
『お姉ちゃん、もう行くってー!』
アンが私の必殺技調べるを無効にしてくる。
エリザベス技を繰り出せないまま、アンに服を掴まれ、泣きながら魔物退治に向かうのであった。
方向は湖に向かう道と反対の方に気配があるとヒトラが教えてくれた。
この移動中に何としても名前をゲットしなければ。
とく子は記憶が無くなる性格のせいで今まで人間関係というものを拗らせすぎてこれから向かう本来の趣旨を忘れかけていた。
『エリザベス様、セシルの事ありがとうございます。』
『えっ?私なんかしましたっけ?』
歩きながら後ろの知らない二人の会話を聞こうと耳を大きくしていたが、隣のウォルトさんに話しかけられてしまった。
『買い物を行った後からあいつがいつもより笑うようになったんです。』
話しながらも後ろが気がかりで少し挙動不審な私をアンはジーっと見ていた。
『今まで団長にひどい辱めを受けた心の傷について話下手な私ではさすがに話しにくかったのでしょう。私はセシルを助けることが出来なかった。本当自分が不甲斐ない。セシルは今もまだ傷ついたままだ。いつか、あいつが以前みたいに思いっきり笑えるようになってくれればいいなって思ってます。』
『立って歩け 前へ進め ウォルトには立派な足がついているじゃないか
それにそこは俺が笑顔にしてやるでしょ♩
それに二人の”支配”は私が必ず消す方法を見つけて見せるから!』
騎士団長ジャックスキル”支配”に関してはアンの”浄化”の魔法で治ることはなかった。強力なスキルなのかこれからアンのスキルレベルが上がれば治る又は何か条件があるのかはこれから調べていく必要がありそうだ。
話している間に洞窟の入り口にたどり着いた。結局名前を入手することは出来なかった。
『ここに魔物が…』
ヒトラの出現で逃げるようにこの洞窟の中に魔物が住み着いてしまったらしい。まさにダンジョン、迷宮にふさわしい場所になっている。洞窟の方に皆が意識を傾けると遠くから魔物のような声が聞こえてきた。
『よし、行きましょう。』
唾を飲み込み、覚悟を決めて洞窟の中に入って行った。




