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転生しない  作者: めれ
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第18話 美しい姿勢は印象を変える


第18話 美しい姿勢は印象を変える



 犬を散歩させる人、友達や恋人と歩く人、歩きスマホをする人、街並みはとても美しいのに景色を見る人は観光客だけ、変わらない毎日・いつもの日常。


とか悦に浸りながら銀行に着き、お金をおろす。銀行を出ると近くにあった漫画喫茶の看板が目に留まり、私の足も止まる。


『ちょっとだけなら…』

漫画に誘われるように漫画喫茶へ入って行った。保家とく子にとって、食欲より漫画欲の方が強いのだ。



『いらっしゃあせー、プランはお決まりですかぁ?』

元ヤンキーでしたと言わんばかりの金髪に耳にはリング型のピアスをしている男性店員が舌足らずで攻撃してきた。


『え、えーっと…この3時間パックで』

とく子は生まれたての小鹿のように震えながら小さな声で防御した。

漫画を読むとなると1・2時間じゃ足りないし、明日大家さんが家に来ないのであれば一日コースでお泊りしたいところだが、今日は控えめに3時間で抑えておいた。


『場所は321番でぇー、ごゆくりどぞー』


ランキングブースには最近の人気の漫画達がずらりと並んでいた。


『悪役令嬢……』

中でも転生ものの漫画はやはり人気で世の中の人たちは非現実に憧れてるのだろうかと思いながら、珍しく普段は見ない転生ものを手に取り自身のブースで読んでいた。


気づけば退室時間残り30分というところで急に睡魔に襲われ、延長料金を払えばいいかと思いながら眠りについた。



ーーーーーーーーーー



5分もしないうちに目が覚め、あたりを見回し、借りた漫画を返却する。

飲み物のコップも片付け、受付に向かう。


『ありざまぁーす、お忘れ物はありませんかぁー?』


『はい、問題ございません。』

受付のヤンキーお兄ちゃんは3時間前に話した人と別人のように姿勢がよく、ハキハキと話す姿に驚いていた。



店を出て携帯電話を取り出し、電話する。

『天高さん、今漫画喫茶を出るところなので15分ぐらいで帰宅できると思いますわ。』


【保家家で待ってるすけな】


『うふふ、後ほど。』

電話を切り、家路に向けて急いで帰って行った。




ーーーーーシェードの森ーーーーー


『どういった作戦になさいますか、エリザベス様。』

目の前に見慣れないおじいちゃんが恐らく私に話しかけていた。

あたりを見回すと日本人とはかけ離れたヨーロッパ系の顔立ちの人たちが皆私の方を見てきた。


『えっと…ここはどこですか?』

私は漫画喫茶で寝たはず、私の眠りを覚ますのはあの舌足らずのヤンキー兄ちゃんのはずだが。


『えっお姉ちゃん、ここはシェードの森だよ!』

とても可愛らしい小学生くらいの女の子が心配そうにこちらを見ている。


『なるほど……エリザベス様。一度ステータスを見て頂けますか?』



『ステータス、オープン。』

おじいちゃんに言われるがままに異世界転生特有のステータスを開けてみた。 


ーーーーーーーーーーーーーーー


 エリザベス・アインツ♀ (16)


 レベル 15

 攻撃力 15

 防御力 15

 魔法  25

 素早さ 15

 運   100


 ☆スキル


 炎魔法、インベントリ、レンタルⅠ


 ーーーーーーーーーーーーーーー


異世界転生をしたという事になるのだろうか、隣のおじいちゃんが優しく微笑んでいるのがとても不気味ではあるが、スキルのインベントリも調べてみることにした。


『インベントリ オープン』




 ーーーーーーーーーーーーーーー


 記憶1

 記憶2  鍵

 記憶3  鍵

 記憶4  鍵

 記憶5  鍵

 記憶6  鍵

 記憶7  鍵

 記憶8  鍵

 記憶9  鍵

 記憶10   鍵


 ーーーーーーーーーーーーーーー




『えっどうゆうこと?』


 インベントリって物を収納できるチートアイテムですよね?その中に記憶しか入っていない、確かに転生しているこちらのエリザベス・アインツさんの記憶が今のところまったくない。




『記憶1に鍵がかかってないってことは開けられるってこと?』

 半信半疑ではあるが記憶を開けてみることにした。



『記憶1 オープン』



 体に電撃が走ったかのようにエリザベスの記憶が駆け巡る。



 ここはフラン国王が納めるアースランドという国でエリザベスさんはフラン国王とメイドとの間に出来た子供なのにもかかわらず公にはされず、フラン国王の従妹にあたるアインツ公爵家で育てられてきた。それを知っているキャサリン妃が息子のヘンリーを国王にするべく、侯爵家のメアリー・スチュアートを王子の結婚相手にするように動き、婚約破棄を言い渡された。



『なんで兄妹で結婚!?』



 記憶を見て、エリザベスさんがすべてにおいて優秀すぎることがわかる。魔法・勉学・所作・そして美貌、いろんな人から妬まれてもおかしくないぐらいレベルである。美貌は妖艶に人を魅了する美しい赤毛にエメラルドに輝く緑の瞳をしている。現にキャサリン妃やメアリに相当嫉妬されていたようだ。その優秀さからエリザベスさんを婚約者へと推薦する動きに王もアインツ公爵家も止めることが出来なかったのである。もし、国王の子供という事がわかれば、女王に推薦されることになりかねない。


 エリザベスさん自身、全ての事を理解していたようである。過去の彼女の表情はとても悲しそうでどこか心ここにあらずという感じである。



『………』



 転生したはいいけど、ではエリザベスさんの魂は今どこにあるのだろう。彼女がこの国で笑顔にハッピーエンドを迎えれるようにしてあげたい。そのためにはなんとしてでもこの窮地を打破しなければ。



『奇跡は諦めない奴にしか降りてこない!!!!!ドーン!………って前に言った気が…』



再び、電撃が走るように体の中を駆け巡る記憶。


『王子という兄に婚約破棄をされ、私の血筋を使い死刑は何とか免れ、今はスラム街復興という使命の元、ここにいるメンバーで動いているということか…』

そういえば、この前王妃様と赤髪の女性がにらみ合いをしていた夢を見た気がする。



『おわかりいただけましたか?』

ボケっとしていると顔と顔との距離5センチぐらいの恋人同士の距離感までおじいちゃんの顔が近づいていた。

『ちょっと、スラジイ!近いって!!』


『おお、思い出して頂けたようで何より。』

スラジイはこれから行おうとしていることを詳しく説明してくれた。

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