第15話 呪いと支配
第15話 呪いと支配
スラジイの話では街の約50名の人間が突然死する未来がみえるということ、その原因はすべてエリザベスのせいにされること、最後に呪いをかけている人間の手がみえたことを教えてくれた。
『ランカ達ぐらいな小さな手じゃった。』
『子供?』
エドを呪いにかけた人物がその子供なのだろうか、エドもいつ呪いにかけられたかわからない。呪いをかけられてからいつ死亡するか、呪いをかける条件などはあるのかなど今は不明だ。とにかく、急ぎ解呪する方法を考えなければならない。
ルートとしては
このままなにもしないルート(罪を着せられエリザベス処刑)
スラム街全員を助けに行くルート(スパイの人に殺されエリザベス死亡)
このパターンだとどちらにしても死亡確定である。
『ちょっと、湖にいってくるねー』
シンとヒトラが食べた食器類を持って洗いに行ってくれようとしていた。
『それだーーーーーーーー!!!!!』
皆がいきなり大声を出すエリザベスに驚いていた。
ーーーーースラム街にてーーーーー
街を歩いているといつもならおこぼれをもらいに来る子供達がロバートの下に来ない、家の中に目を向けるとボロボロになった住人達・子供たちが泣き叫ぶ姿が目に映る。ロバートはその光景を見ても足を止めることは許されない、いろんな気持ちを抑え、その足はまっすぐ駐在所に向かっていた。
『団長、交代します。』
今日の当番はロバートだった。そして、ロバートもまたジャック団長の支配のスキルにより、配下となっていた。
『おお、ロバート!エリザベスの件残念だったなー!
お前が弱いから悪いんだ、所詮この世は弱肉強食強ければ生き、弱ければ死ぬ!
まーお前が俺を裏切ろうとも俺のスキルの前では無意味だけどなー………お手!』
ロバートの体が自分の意志ではなく勝手に跪き、ジャックの手に自身の手を重ねていた。
『はーはっはっはっ!今日もお利口、お利口!お前が何かしようとしてもコイルがいるから筒抜けだからな!精々気を付けることだ!』
ジャックは日中に住人達に暴行を加え、騎士団員を弄び、陽気な気分で駐在所を出て行った。ロバートの顔は表情を変えないようにしていたが、見えないように口の中を噛み怒りを堪えていた。
ーーーーーーーーーー
エリザベスは鍋を抱きかかえ、ドレークさんにお願いしていた。
『この中に魔石を埋め込むことは出来る?できれば目立たないように』
エリザベスの作戦はスラム街の皆が口にするものの中に魔石の力を入れ、呪いを解呪するという方法だ。ただ、配給は2日に1回なのでさすがに1日で死んでしまうような呪いだった場合、鍋だけでは意味がないので井戸の中にも魔石を投げ込むことにした。
『目立たないようにかー…こんなんでどうだ?』
ドレークさんは鍋の色に近い魔石を握り、形を変形させていく。魔石が効果を表すときはどうしても光を放ってしまうので鍋のそこに光を隠すようにしてセットしてくれた。
『さすが、ドレークさん!アン、浄化と癒しを鍋に込めてもらえる?』
アンは二つ返事で了承し、魔力を込めるといつもより魔石の光が見えないようになっていた。
『これなら鍋に火かけてるからわかんないだろ。』
あとは、井戸に投げ入れる魔石を用意し、準備完了。
セシルさんとウォルトさんの助言でジャック団長のいない時を見計らった方がいいと教えてくれた。やはり、ジャック団長は凄腕の剣士のようだ。もし、負けて”支配”をかけられたらゲームオーバーである。
ロトさんの能力で魔石と魔石の鍋だけを移動することが出来るがさすがに人に見られでもしたら、心霊現象に思われかねないし、急に現れた魔石や鍋は調べられるだろう。
鍋を置く人と井戸に魔石を投げる人に分かれてスラム街にいくことにした。
メンバーはエリザベス、キリト、ロト、ジョン。
作戦は井戸の隠蔽工作をすませ、魔石を入れる。吸音で騎士団のメンバーが来ている逆側へ逃げる、その隙に鍋を駐在所に置く、ロトさんのところにみんなが集まり移動で帰るという計画だ。
【聞こえるかい?団長が交代していなくなった。スラムの街の皆はエリザベスの事を知らないかと尋問されて、知らないと正直に答えても暴力を振るわれた。今日はこれですんだが……次はどうなるかわからない。出来るだけ早めに頼むよ……ん?独り言話してた!うん行こ。】
アンリさん定期連絡が入り、早速出陣の合図がきた。私がいないことで他のスラム街の皆に迷惑がかかっている、早く助けに行きたい。
『ただいまー』
『おっ!噂をすればなんとやら!出かけるよ!』
『えっ!出かけるってどこに?へ?』
ロトさんへの説明は後回しにして4人はスラム街へ急いで向かった。




