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日はまた昇る  作者: 丸太
3/3

こんな僕に祈る資格はあるのか?

 コンクリートハンマーで岩を砕く。


 小さくなった瓦礫を一輪車に乗せる。


 廃材置き場に捨てる。


 笛が鳴って休憩になる。


 太陽から隠れるように俯きながらタバコを吸う。


 乱暴に抱いた女を思い出す。


 煙と共に感情を吐き出す。


 笛が鳴って作業が再開される。


 コンクリートハンマーで岩を砕く。


 繰り返し、繰り返し。


 夕方になって7500円貰って帰る。


 本当は12000円貰えるのにピンハネされて7500円しかもらえない。


 しかし文句は言えない。


 学生が楽しそうにはしゃいでいる。


 ツメの入った学生服のボタンをきっちり上まで止めて着ている男の子がこれまたきっちりとひざ丈のスカートを履いた女の子と手をつないで歩いている。


 そういえば今は不良も暴走族も見なくなったように思う。


 悪に憧れる時代は終わったのだろうか。


 若者に人気のティックトックで人気の動画を調べると美男美女が音楽に合わせて踊っていたり、とにかく美人ばかりが人気だ。


 今は美人に憧れる時代になったのかもしれない。


 そんなことを思ってティックトックを見てると明らかに顔の映像を修正した人が美人だと持て囃されていた。


 処理不足で顔の輪郭がカクカク歪む映像の何に心惹かれるのだろうか。


 若者と僕はもう人種が違うのかもしれない。


 同じ言葉を喋っていても考えている事が違うのかもしれない。


 こうやって僕は古い人間になっていくのだろう。


 僕はずっと立ち止まっているけど世間は次の時代になってしまった。


 僕は現場と住処をぐるぐるしているだけ。


 こうやって動けなくなるまで働いてやがて朽ちて死ぬのだろう。


 それでいい。


 躓いた人間には躓いた人間なりの人生があるというだけだ。


 願わくば若者が僕のような惨めな人生を送る事の無いようどうか幸多からんことを。

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