私の彼氏は、“外見は物凄く優しそうで優しい声”に人は騙される私もそうだった。
私は毎日、彼にDVをされている。
最初に会った時の彼は? 物凄くイイ人が顔に滲み出ているぐらい
優しい男性で声も凄く優しさを感じる声だった。
私はそんな彼を直ぐに好きになる。
彼からのアプローチで彼と数回デートした後に彼と私は付き合い出した。
最初のうちは、彼も私に優しかった。
『ごめんね、少し疲れたよね?』
『ううん! 大丈夫だよ。』
『急に休日出勤になってさ、俺に着いてきてもらってホントゴメン!』
『いいよ、公介さんがどんな所で仕事しているのか見れて良かったし。』
『そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。』
『でも? この後どうするの?』
『俺の家に来る?』
『うん! 行きたい!』
『じゃあー俺が麗香の為に料理を作ってあげるね。』
『うん! 嬉しい!』
・・・これが最初の彼からの暴力だった。
『どう? 正直に美味しいか? 美味しくないか言ってみて?』
『うーん? “少し味が薄いと思う。”』
『・・・それって、美味しくないって事だよね?』
『そ、そうじゃないよ、美味しんだけど、味が少し薄いというかね、』
『でも? 俺の作った料理が不味いんだよな!』
『・・・ど、どうしたの? そんな怖い顔して、』
『不味いなら不味いって言えよ!』
『・・・急に、どうしちゃったの公介さん!』
『何がだ!』
『・・・怖いよ。』
『うるさい!』
【バーン!】
“彼の本性がこの時露になる”
彼は優しい羊の皮を被ったオオカミだった!
それから私は、彼に毎日殴られ蹴られる。
体中にアザがたくさんできた、時には彼の暴力がエスカレーとして
骨が折れることもあった。
そんな時でも、彼は私を病院にも連れててくれなかった。
私は自力で治すしかなった。
・・・日に日に、彼の暴力は酷くなり私は彼に服従するしかなかった。
毎日、彼の暴力に震えて過ごす生活。
私の人生は何故? こうなったのだろう。
彼と付き合わなければ、私は今頃普通の暮らしをしていた。
毎日、代わり映えしない生活に飽き飽きしながらもそんな生活に少し
満足していた私。
今なら分かる、“あの時に戻りたい!”
退屈で平凡な生活に私は戻りたい!
こんな暴力を毎日受けて怯えながら暮らす生活は嫌だ!
彼の裏の顔を知った私は、既に恋愛感情はない。
“いつも恐怖心だけがあった”
彼の顔色を見ながら、彼を怒らせないように必死に彼の機嫌を取る私。
『・・・きょ、今日の朝ご飯は、貴方の好きなフレンチよ。』
『おーう、朝から手の込んだ料理だな。』
『貴方の嬉しそうな顔が見たいからよ!』
『はぁ!? 俺がいつも不機嫌な顔でもしてるとでも言いたいのか?』
『ち、違うわ! ただ、私は、』
『“俺を怒らした罰だ! 着いて来い!”』
『い、イヤ!』
『俺に逆らうのか!』
『ごめんなさい、許して!』
『ダメだ! 着いて来い!』
彼は私の髪を掴んで地下にある“反省部屋”に連れて行く。
私はそこで彼に殴られ蹴られて動けなくなる。
体中が痛くて歩けない。
立ち上がる事さえ出来ずに、彼は一言私に言って仕事に行くのだ。
『俺が帰って来るまでココで反省してろ!』
【ガチャ】
4畳半程の小さな部屋に鍵をかけられトイレも行けず彼の帰りを待つ。
食べるモノもないからお腹が鳴る。
ひたすら私は彼の帰りを待つしかない!
そして次の瞬間、部屋の鍵が開くと? 彼は優しいかれになり私を
強く抱きしめてくれる。
『ごめんな麗香、俺がすべて悪いんだ! 許してくれ。』
『・・・・・・』
『俺が心から愛しているのは麗香しかいなんだよ。』
『・・・公介さん、』
『もう麗香に暴力を振るわないと誓うよ! 頼む俺を許してくれ!』
『・・・ううん。』
でも? 彼の暴力が終わる事はなかった。
私はもう耐えられなくなり、彼の隙を見て交番に助けを求めた。
そこではじめて、私が彼から暴力を受けている事が分かったのだ。
彼は警察に捕まり“新しいターゲット”を今は探しているらしい。
私はやっと彼からの呪縛が解ける。
2年前の私の生活に戻るのだ。
今でも彼に怯えながら生活しているが、それでも暴力を受けない生活が
私の生きる糧になっていた。
ただただ“普通の生活”がこんなにも幸せなのかと思い知らされた。
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