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出撃準備。

少し経つと、すずも落ち着いてくれたのか泣き止んでくれた。その後すずが何か思いついたような顔をした。それに気づいてどうしたの?と聞くと、

「私たちでその飛行機を探してみない?」

と言って、とんでもない提案をしてきた。今日の朝飛んでいるのを少し見ただけだが、あの飛行機たちのパイロットの腕がいいのは素人でも分かったし、何よりすずを巻き込みたくないという気持ちは今でもあった。しかし、すずは一度決めたことはやり通す性格だということも知っていた。今更何を言っても引き下がってはくれないだろう。

「すずがそこまで言うならやってみよう。でも危なくなったらやめるのが条件、いいね?」

そう言うと、すずはもちろんと言ってこの条件を飲んでくれた。すずのことが心配ではあったが、一人であの飛行機たちを探すよりもすずが協力してくれるのはとても心強かった。


話が終わり、すずが家に入るのを見送ってから家へと帰る。すずの家からの帰り道、とあることに気が付いて格納庫に向かう。月明かりを頼りに畑の間を進む。


暗い格納庫の扉を開け、中へと入る。格納庫の電気をつけると、しばらくしてから格納庫内がオレンジ色の光に包まれる。普段作業をしている場所を通り抜け、奥の物置きへと進む。ここには整備に使う予備のパーツなどが置かれている。

パーツが置かれた棚を二列ほどすぎ、物置きの一番奥に進む。ここには埃の被った古い木箱が一つ置かれている。昔、一度だけ開けたことのあるこの木箱のことを思い出して格納庫に戻ってきたのだ。


木箱の取っ手に手をかけ、ゆっくりと開ける。蓋の上に乗っていた埃が宙を舞う。埃がゆっくりと床に落ちていくのと同時に小窓からの月明かりに照らされた箱の中身が見える。



翌朝、格納庫の端にある机で目を覚ました。昨日は物置きにしまってあった木箱を表に出してきて、機体に載せる準備をしたところで寝てしまったのだ。ひとまず、一度家に戻ることにした。


まだ太陽が上がりきっていない朝の時間に、バイクで家へと向かう。家に帰ると、郵便受けに今日の新聞が届いていた。昨日の飛行機のことが新聞に載っているんじゃないかと、思ってページをめくるが昨日の飛行機のことは載っていなかった。

シャワーや朝食を済ませ、もう一度格納庫へと向かう。格納庫に戻ったころには辺りもすっかり明るくなっていた。昨日の飛行機の件もあるので、今日は表のシャッターを閉めたまま作業をすることにした。早速、昨日物置きから出してきたパーツを取り付けるために格納庫上部に取り付けてある小型のクレーンを動かす。

ウィーンという音と共にクレーンがゆっくりと動く。木箱の中身をクレーンで持ち上げ、装備する作業に取り掛かる。ちょうどその作業をしているところで、すずが格納庫へとやってきた。

「おはよう~今日も頑張ろうね!」

昨日のことで少し心配だったが、すずが元気な声で入ってきたのを見て安心した。作業をしているところを見て、すずが質問してくる。

「何やってるの?昨日確認した中にはそんな感じのパーツなかったと思うんだけど・・・」

予想はしていたが、やはりこのパーツのことについて聞かれてしまった。

「いざという時のために、機銃を付けることにしたんだ」

作業をしながらすずにそう答える。実は昨日物置きから出してきたのは機銃だった。もともとこの機体には機銃を付けるスペースが設けられている。しかし、安全と軽量化のために機銃は外していたのだった。しかし、昨日の一件でいざという時のことも考えるようになり、それで再び装備することにしたのだ。

「それは、絶対につけなきゃダメなの?」

すずから返答が来た。機銃をつけることに賛成はしていないようだ。しかし、あの飛行機たちと戦うことになったりでもしたら、今までの何の装備もついていないこの機体ではハチの巣にされて終わるだろう。そのことを説明すると、完全に納得はしていないようだがすずも賛成してくれた。

その後、すずにも手伝ってもらい無事に装備の装着をし他のパーツも順に載せていった。発注したパーツを全て載せるにはまだ数日かかりそうだが、あの飛行機たちのことを探すためにもなるべく早く終わらせるつもりだ。それはすずも同じ気持ちのようで、いつも以上に頑張ってくれた。

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