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僕へ声を

作者: 片結 あるふ

 人の声。虫の声。機械の音。日常に溢れるそれらを喧騒と一蹴してしまうことは簡単かもしれない。自分に向けられた声だけに気を配り、興味ある音だけを楽しめばいいのかもしれない。

 それは簡単だとか難しいだとか以前に、考えもしない当然のことなのかもしれない。

 けれど、僕にとっては酷く難しい。音が聞こえない病気だとか障害というわけでもないのに、聞こえてくる声すべてに気を配り、音すべてに興味を持っていないといけない。

 だって、もしかしたら僕にかけられた声があるかもしれない。いつか話題になる音楽かもしれない。身の危険を知らせる警報かもしれない。

 決して、聞き逃したくはない。

 


「おはよう」

 何度も聞いていた。一度も僕のものにならなかった。


「さようなら」

或いは僕も含まれる言葉だった。けれど、僕の分は誰かに押し付けた。


 おかえり。

幻聴だった。聞きたいという欲が暴れた。


 本当に聞くべき音はどれなんだろう。

 僕に向けられる声はどこにあるんだろう。

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